【速報】東北大学 理系 | 2015年大学入試数学
●2015年大学入試数学評価を書いていきます。今回は東北大学(理系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
国公立が試験を開始しました。同時開始なので、すべての大学を即日UP出来ませんが、今の時期は、国公立ラッシュのエントリーになると思います^^;
2015年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2015大学入試シリーズ第32弾。
国立シリーズ、第9弾。
東北大 (理系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
難易度の指標は、こんな感じです。
D・・・難関大学でも難しい部類の問題。
E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
東北大学 理系数学
(試験時間150分、6問)
全体総評・合格ライン
少し難化しました。第1問から第5問は、標準~応用レベルの問題が並んでしましたが、第6問に大物の論証がきました。が、即捨てOKの問題です(裏技で押し切れます)ので、ここを無視した判断ですが、確率は見落としが出やすく、論証しにくい1次変換もあり、やや難化です。
試験時間150分に対し、
目標解答時間合計は178分。(昨年は185分)
昨年より少し短いですが、昨年は最後が大物論証だったせいです。その意味で、今年は難易度のばらつきがそこまで大きくはないです。小問もありますので、点数は昨年より少し出やすいかと思います。
■合格ラインですが、
第1問は簡単。絶対に落とせません。
第2問の(1)は事実としては有名。(2)は計算に最後までたどり着いたか。どちらもキー問題。
第3問は確率。地道に調査することでしっかり得点したい。(3)は対称性利用が早い。
第4問は少し複雑(に見える)積分不等式と、それを利用した極限。定積分不等式の評価はそれほど難しくない。キー問題。
第5問(2)までは取れるでしょう。(3)はHが垂線の足になること証明なしに使って部分点か。
第6問は難しいです。(1)の途中まで、でしょう。
第1問、第3問はおさえて、さらにキー問題のどちらかを抑えて、残りは部分点稼ぎに走れば、60%ぐらいとれそうです。
第1問・・・楕円の一部、接線、法線など(B、18分、Lv.1)
これは基本的な2次曲線の問題です。媒介変数表示での置き方と接線の表し方さえ覚えていれば、すんなり解けます。2次曲線は演習量が少なくなりがちですが、この程度であれば落とせませんね。
(Principle Piece 数学IIIC (原則のみ))
※KATSUYAの解いた感想
2次曲線かぁ。。。あんまりいろいろ線を惹かないで欲しいなぁ、と思いつつ計算すrと、予想外に面積は超スッキリ。めちゃくちゃ簡単だわ^^; 計算も全然複雑じゃない。解答時間7分
☆第2問・・・3次曲線に引いた接線、解と対称式の値など(B、35分、Lv.2)
3次曲線に引く接線が3本あることを示す問題です。y=ーxは、3次曲線の変曲点を通る接線になります^^ 接線の本数は、この変曲点を通る接線をまたぐことで、変わります。
(拙著Principle Piece 数学II 微分 をお持ちの方は、研究題として4次関数ひ引いた接線の問題を載せでありますので、よく知っている事実と期待しております^^)
(1)は、こちらの原則に帰着させましょう。
(Principle Piece 数学II 微分(2冊目) pp.8-10)
接線の式がP(a,b)を通るとして、3次方程式を立てます。
また、3次式が解を3つもつ条件は、こちらの原則です。たくさん使えて、スラスラいけそうですね^^
(Principle Piece 数学II 微分(2冊目) p.2)
まず、領域Dはa>0とわかりますので、「f’(t)=0」はx=0,aの2解を持ちます。f(0)=a+b、f(a)=-a^3+a+b は領域条件から正、負とばっちりわかります。ばっちりわかるように領域が設定されていますから、当然ですね^^
(2)は「和」と「積」という言葉から対称式は思いついたでしょうが、計算はかなりめんどくさいですね^^;
(Principle Piece 数学I 数と式 p.29)
問題文の条件に加え、(1)で作った3次方程式の解と係数の関係も活用していくと出ます。bは2種類でますが、片方はD内にありません。ここまできっちりやるとなると、少し差がでそうですね。
※KATSUYAの解いた感想
y=ーxは変曲点の接線だな。事実としては有名。問題の出し方がうまいな。(2)は逆に計算がメンドウ。対称式利用に気づいても計算力の方が必要。解答時間22分。
第3問・・・確率、サイコロの目を係数にもつ方程式の解条件(B、25分、Lv.1)
サイコロの目を係数にもつ方程式について、条件を満たす確率を求める問題です。この手のタイプは、ある程度地道に調査する以外に方法はありません。
(1)は、条件からすぐに P2=4,5,6 がわかりますので、それぞれでP1,P3の組み合わせを探せばOK。
(2)は解と係数の関係で、P1=P3に気づくかどうか。本学受験者なら気づくべきですね。これに気づけば、そのP1=P3が1~6 で場合分けするだけ。2以上なら全部OKだとわかることも利用すると、ラク^^
(3)も地道に調査すれば出ますが、おそらく出題者はそれを意図していません。条件を変形すれば、αβ>1とαβ<1はP1とP3の大小だけなので、対称性から確率は等しいはずです。これと(1)、(2)の結果を利用すれば、1式で済みますね^^
※もちろん、地道に調査してあっていれば満点です。
※KATSUYAの解いた感想
調査系のサイコロ問題だな。(1)、(2)ともに調査して終了。(3)は割と多そうやな。なんか方法ないかな。まてよ、αβ>1と確率等しいし、、、あ、(1)、(2)は全部ヒントになっているわけね。解答時間10分。
☆第4問・・・定積分と不等式、極限(B、30分、Lv.2)
積分できない定積分を不等式で評価した上で、はさみうち極限を利用するタイプ問題。簡単ではありませんが。東北大としては易しいほうかと思います。
最初は、xのa乗の部分を積分区間の上端、下端で置き換えたものと評価すればOKです。不等式の左辺と右辺にある「2」が、sinxの「0~π」の積分で出ることに気づけば、確信が持てますね^^
(1)ができれば、(2)は出来ます。ただの挟み撃ちです。極限にも難しいテクニックは不要。そして、(3)は2乗になっているので、次数を下げるために角度を2xにした上で、(1)と同様に評価した後に(2)と同じことをやります。
(Principle Piece 数学III 積分 pp.14-16)
※KATSUYAの解いた感想
この、Anの設定の仕方、、、なんじゃlこりゃ^^; まいいや、(1)は上記の通りに評価。(2)はその不等式を使って評価し、はさみうち。(3)は、また(1)の評価からやればいいよな。てか、2回も同じことするの??(3)要らないっしょ。解答時間18分。
☆第5問・・・図形、座標、四面体の体積(BC、30分、Lv.3)
図形と式の問題かと思いきや、最後に折り曲げ立体の問題になります。(1)は、∠PAB以外なら直角になりえますので、それを排除するように条件を作りましょう。、∠APB<90度は、「ABを直径とする円の外部」とするのが早そうです^^
(2)は、教科書にもあるような問題。ただ垂線の交点出すだけです。簡単ですね^^ Pから下した垂線はx=t と簡単なので、これは使いましょう。
※なお、この四面体は等面四面体です。従って、上の議論ができないなら、直方体に埋め込んで出すのもありです。(2)は完全に無視ですが、議論に穴がなければ引かれません。
体積自体は√ 付きの4次式ですが、偶数次しかありませんので、ただの平方完成です。
※KATSUYAの解いた感想
(1)、(2)は特にコメントなし。垂心の座標出させる問題、ひさしぶりにやったわ^^; (3)を見て、あ、そのためにHの座標出したのね。Hを通ることは重要そうなので、丁寧めに書いて高さを出し、計算。解答時間17分。
☆第6問・・・整数、連続自然数による和の表し方(C、40分、Lv.3)
今年も最後は論証系問題が出ました。題材的には有名な問題です。(2010年千葉大などでもあります。)文字ばかりで抽象的なため、手が付けにくかったでしょう。時間的にも他の問題を見直したほうが速かったと思います。
(1)も聞き方は割と意地悪で、「必要かつ十分」と言われると、別物の証明に見えますが、実際は必要の証明をほぼ逆にたどるだけで済みます。
(2)はどうでしょう。(1)の途中で出てきた、2n=k(2m+k-1) を使うと割とさくっと証明できます。k、2m+k-1はどちらかは奇数なので、1しかないのですが、どちらも1には出来ませんね。
(3)は難問。同じ式を使って議論は可能ですが、kとしてありえる数だけ、mもちゃんと存在することを最後に必ず断る必要がありますので、注意。
※KATSUYAの解いた感想
よくある題材やけど、毎回このタイプの問題は割とムズイ。(1)は・・・うーんとりあえず変形してみよう。(A)のこの形はなんじゃ? 変形した式と見比べて、これが「m」になると判明。(B)はどうしよう?(A)の式は整数じゃなくて自然数とも言えるよな。ってことはn/kーk/2>0が言える。そのまま(B)になるな、よしよし^^ 十分は、逆にたどればいける。
(2)、(3)はどっちも途中式が使えるかな。奇遇が違うから2の累乗がアウトになるのはさくっと終了。(3)は(B)に注意し、kとしてありえるものを網羅しておく。うーん、、、奇遇でわけないと厳しいか。でも待てよ、mもあるって言わないと、、、m= にして存在を確認。結局どちらのときも「f」個になったので、まとめて終了。解答時間28分。
対策
行列の部分は、整数問題に置き換わったと考えていいです。すると、頻出分野は「整数」、「確率」、「微積分」、「ベクトル」と言えます。積分では立体の体積や面積系統もよく出ます。大物論証系等は数年に1度ぐらい出るのですが、これの対策をするぐらいなら、他で取れる練習をするほうが効果的でしょう。
2010年のような大物セットの年もあります。量の演習+じっくり演習をバランスよく行っておきましょう。(6:4ぐらいがいいです^^)
>> 2010年の東北大 理系 数学
>> 2011年の東北大 理系 数学
>> 2012年の東北大 理系 数学
>> 2013年の東北大 理系 数学
>> 2014年の東北大 理系 数学
以上です^^ 次回は、東北大学(文系)です。
>> 今年の他の大学も見てみる
■関連するPrinciple Piece■
★ 数学IIIC 原則のみ(第1問)
★ 数学II 微分 (第2問)
★ 数学I 数と式 (第2問)
★ 数学A 確率 (第3問)
★ 数学III 積分(第4問)
★ 数学A 整数(第6問)
※受験ランキングに参加しています。「役に立った」という方は、クリックしていただると、すごくうれしいです^^/