東京医科歯科大学 数学|2012年度大学入試数学 | 東大数学9割のKATSUYAが販売する高校数学の問題集

東京医科歯科大学 数学|2012年度大学入試数学

●東京医科歯科大は昨年から変化なしで、難化傾向のまま


いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^



いよいよやってきました。2次試験の大学入試シーズンです。


2012年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2012大学入試シリーズ第35弾。


はじまりました、国公立大学入試。


国公立シリーズ、第18弾。


東京医科歯科大学です。



問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、

典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。



難易度の指標は、こんな感じです。


SHIN KATSUYA Online

D・・・難関大学でも難しい部類の問題。


E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。



また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。


※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの

標準的な時間です。



したがって、

目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える

ことも、当然ありえます。



同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、

ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。



※2012年の数学の記事から、「Principle Piece」という言葉が登場します。


>> 意味分かってから見たほうが、ぜったい数学の実力上がります^^



東京医科歯科大学  

(試験時間90分)




全体総評・合格ライン


難易度は昨年並みです。2011年は難化しましたが、これが平年通りなので、今年も平年通りということでいいでしょう。


非常に難易度が高く、そして計算時間も短いです。計算力、計算スピード、思考力ともに最高レベルを要求されています。どの問題も最初は手が付きますが、最後まで完答するのは難しかったでしょう。


取れるところを計算ミスせずに、どこまで出来たかが勝負になります。ただ、計算ミスをさそうような問題設定なのが少しいやらしいです。


試験時間90分に対し、

目標解答時間合計は243分。





KATSUYAは、88分で終了しています。医科系の大学は時間がとにかく短い。しかも、ここは記述式。ホントにぎりぎりです。





第1問・・・行列、数列(C、35分、Lv.3)



行列漸化式によるもの。形自体は典型パターンですが、聞いている内容はボリュームたっぷりです。


(1)、(2)、(3)までは医科歯科受験生ならとれたでしょうが、(4)は厳しいと思います。



医科歯科受験生には必要ないでしょうが、(1)、(2)における原則です。(2)はそもそも問題文にかいてありますけど。

Principle Piece C

行列成分で一般項 

→ n と n+1で帰納的に求める


(4)ですが、等式の右辺の形からして、Σの所は真ん中がどさっと消えるパターン。と予想がついたとしても、どう変形すれば消せるのかなど、考えさせられますね。


しかし必要とあらば、Cn だけでなく、an も bn も求められます。行列の形からして、割とラクな連立漸化式であることわかるはずです。


また、Σが計算できる形(等比数列+等比数列) なことも、医科歯科受験者ならなんとなく気づいて欲しい。



なので、直接すべて計算してしまえばいいわけですね。あとは時間との勝負です。


誘導はきちんと付いているのですが、その誘導をどう使えばいいのかが難しいのが、この大学の特徴。



KATSUYAの感想


(3)までは楽勝。(4)は、ちなみに私はすべて計算しています。考えるぐらいなら計算したほうが、手を動かしささえすれば絶対たどり着くので、時間的にはマシだと判断。  解答時間28分。



※のちに形を見て、真ん中消去のパターンだと気づきました(後でとき直し)。






☆第2問・・・回転体、体積(C、40分、Lv.2)


空間内の三角形を、x軸回転させたときの体積を求める問題。今年の中では、一番手がつきやすかったのでは・・・と。空間が苦手だと、逆にきつい。



ちなみに、(2)以外は、数ⅢCがいらない問題です。文系で出されても文句言えません。ぜひチャレンジしてみてください。かなり厳しいですが^^;


さて、立体の回転体では、以下の原則に従います。本問もそれでいけます。(2)含めて。

Principle Piece ⅡⅢ

●軸回転 → ●=t  で切る。

回転体に垂直な断面で切る ということです。



(2)はxy平面じゃないか。 z=0 で切るんじゃないの? と思うかもしれませんが、z=0 で切っても、様子はイマイチわかりません。


やはり原則に従い、 x=t で切ります。 yz平面において、 z=0 のときの y座標を、t で表す(F(t))のです。


すると、xy 平面上で切り口の周は (t、F(t)) なわけですから、 y=F(t) のグラフを書けばいいと判断できます。



ちなみに、(1)~(3)は、すべて回転させる三角形が違います!! 非常にいやらしいですが、ここでの計算ミスはほぼ命取りでしょう。 


三角形を読み間違えても、最後まで答案はかけますから、時間をすんごくとられます。


KATSUYAの感想


(3)、私は三角形ミス。最後までやってしまったため、時間12分ほどロス。 


なんで三角形が全部ちがうんだ? いやらしすぎる。 まいかい断面図かかなアカンのもめんどくさい。解答時間34分。

※ 最後までやってしまったので、せっかくなので事実を。


(1)の回転体 : (2)の回転体(a=bの条件はずす): (3)の回転体=4:2:1 です。


面白い結果ですね^^





第3問・・・積分、逆関数、極限(CD、40分、Lv.3)


こちらは積分と極限の絡んだ問題。流れからして、以下の原則を使うパターンであることは予想が付いたと思います。


(1)はスカですが、(2)は意外と戸惑うかもしれませんね。数式処理するには、ちょっと発想が必要です。


しかし、以下の原則に従えば、どうってことはありません。発想もいりません。

ULTIMATE Principle Piece 

少しでも分からないと感じたらグラフを書く

逆関数が議論になっていますが、元の関数を考えればいいです。


左辺と右辺の逆関数は、y=(x+1)^3 と、 y=(x-1)^3 です。 これらとy=f(x) の上下関係は、すぐに出ます。グラフも3つとも、すぐかけます。


逆関数は、 yを固定したときの xの値のです。視覚的に見て、あきらかですね^^


(3)はまたまたスカなのでいいでしょう。問題は(4)です。


まずは、原則です。

Principle Piece Ⅲ

積分不可能な式は、積分可能な式ではさみうち


推測通り、(2)、(3)の不等式を使ってはさむことは見えたと思います。しかし、どこでどう使えばいいかが見えず、こちらは難しかったですね。


また、計算量も多く、最後まで行くのは厳しかったでしょう。




KATSUYAの感想


(1)、(3)はスカ。 (2)も図で説明し、楽勝^^  (4)は素直に(2)の不等式を代入。積分は出来ることはわかるものの、計算が多くてメンドクサイ。 解答時間26分。




合格ライン


どの問題も、最初の方は落とせず、最後は難しいです。


第1問(4)以外は答えたい。


第2問は(2)が意外と難しく、おそらく受験生苦手です。(1)、(3)を抑える。


第3問も、(4)以外は簡単なので、抑える。


これなら時間が余るはずなので、出来ていないところに手をつければよかったと思います。


ただ、出来ていないところの配点は高いと思われますので、これで6割ぐらいの予想です。合格ラインもそのぐらいでしょう。




対策


問題レベルは最難です。何より、受験者のレベルが高いので、多少の問題が解けたところで、差がつきません。


それに加え、問題数が多くないため、捨ててもいいような問題が、ここだと捨てれません。


また、誘導がある問題が多いのも特徴ですが、誘導問題も骨が折れるものが多くあります。


まずは、ⅢCまでの基礎を早めに確立し、原則の存在を頭にとっとと入れておく必要があります。


難関大になればなるほど、原則の適用に気づきにくい問題が増えますので、そういったたぐいの問題で、原則を適切に頭から引き出す練習をおこないましょう。いわゆる、じっくり演習です。



原則(Principle Piece)の存在を確認するために量をこなし、自分で原則が適用出来るように、じっくり演習をおこなうことがベスト。



以上です^^





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