早稲田大学(人間科学部A、B)| 2010年大学入試数学
大学入試シリーズ第17弾。
早慶シリーズ第8弾です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、私が実際に解いてみた感想を各問題ごとに書きます。
初見、途中、最後などなど。。。
また、今回より解答までの目標時間を、
問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの時間です。
したがって、
目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える
ことも、当然ありえます。特に私大では顕著です。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、
ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
早稲田大学(人間科学部A、B)数学
(試験時間90分)
全体総評(A)
空欄補充形式とはいえ、これといった丁寧な誘導はなく、
最終的な答えをストレートに聞いてきます。
記述式でもおかしくない問題ばかりで、決して簡単ではありません。
このレベルの問題でall or nothing なのはかなり酷です。
全体総評(B)
(A)とほとんどかわりませんが、別問題の第6問、第7問は
(A)に比べて難しいです。特に第7問は空欄補充であることが
唯一の救いだといえるような難問ですが、それでも気づいた人が
半分いるかどうか。。。
やはり部分点をもらえないのは、かなり厳しいものがあります。
第1問(共通)-1・・・場合の数(A、5分、Lv.1)
教科書にもありそうな、簡単なさいころの問題。
ほかの問題のレベルを考えると、ここは絶対に落とせません。
第1問(共通)-2・・・数列(A、8分、Lv.2)
(等差数列)×(等比数列)の和を求める問題で、
典型パターンです。
この手の和Sは、S-(公比)S を計算することでうまくいきます。
あと、この場合はΣであらわすよりも実際に並べて書いたほうが
差をとるときに見やすいです。
並べ方は、等比数列の項が一致するところを縦に並べます。
例:公差2の等差数列と、公比2の等比数列の場合
S=1×2+3×4+5×8+7×16+・・・(2n-1)×2^n
2S= 1×4+3×8+5×16+・・・(2n-3)×2^n+(2n-1)×2^(n+1)
下から上を引いて
S=-2+2×(4+8+16+・・・・2^n)+(2n-1)2^(n+1)
下線部が等比数列になります。見やすくて、引き算の間違いも少ないです。
Σのまま処理しようとすると、端っこの様子がめんどくさいので、
ならべちゃいましょう。
感想
特になし。典型パターンなので、計算して終了。
2は答えストレートなので、計算は慎重に行った。
☆第2問(共通)・・・指数、対数関数(B、10分、Lv.2)
空欄含めて問題文1行というものですが、見かけほど簡単ではありません。
指数の部分に対数が入っている問題では、=rとおいてみると
見やすくなることが多いです。が、類題経験がないと苦しい。
また、対数の底はそろえることが定石です。
今回は底は2よりも4でそろえておいたほうが数式処理が
わずかに楽ですが、普通は2にそろえたくなるところ(笑)
感想
=rとおいてそのままにしておけばよかったものの、
さらに対数をとったためややこしいことに。
少し詰まった後に気づき、rはそのままにして
rの2次方程式に帰着させ、終了。
第3問(共通)・・・高次方程式、整数(B、15分、Lv.2)
解の条件から整数(a、b)の組を求める問題
今回の場合、整数の解をもつならば、±1のどちらかで
あることに気づくかどうかがポイントです。
整数をkとおいてみて代入すると定数項の1だけがあまることから
すぐに気づくでしょう。
それに気づけば、あとは虚数解条件からもとまります。
感想
±1のどちらかであることはすぐに気づいたので、あとは
両方調査して虚数解条件からaの範囲を絞り、終了。
第4問(共通)・・・図形と式(C、25分、パターンなし)
領域の問題です。
記述式であれば答案をまとめるのがめんどくさい問題。
だからといって空欄補充でも簡単なわけではなく、
差がついた問題のひとつでしょう。
kの値によってどのように領域が変化するのか、きちんと
調べる必要があります。
感想
条件式自体は簡単なのに、kの値でこんなにも
領域の形がかわるもんなんやと驚いた。
空欄の形をたよりに条件をだし、終了。
記述式であれば結構難しかったのでは。
なかなか、いい問題^^
第5問(共通)・・・空間ベクトル(B、12分、Lv.2)
平面と直線の交点の問題。
平面PQR上にある
線分AC上にある
をうまく条件式にしてしまいましょう。
なお、この問題に限り親切な誘導があるので
割と解きやすかったのではないでしょうか。
感想
誘導が親切で、計算も詰まらずに終了。
第A6問・・・微分積分(B、17分、Lv.2)
積分を使って面積をmの3次式であらわし、
今度はそれを微分して面積の最小値を求める問題。
よくあるパターンですが、この手の問題は
積分して、それを微分し、最大値(最小値)を求める
という手順なため計算がどうしても膨れます。
最後の値を求めるときは次数下げを行うなどして、
√を含む計算を2乗したり3乗したりするのは極力避けましょう。
計算ミスのもとになります。
第A7問・・・三角関数(B、12分、Lv.2)
cos72°がらみの問題で、Lv.2の典型パターンといえます。
中堅以上の大学では見かけるので、覚えておきましょう。
72°=αとおくと、5α=360°になることを用いて、
2αと3αのcosやsin で方程式をたてます。
例: cos2α=cos3α、sin2α=-sin3α など
それを倍角の公式で展開してsinαまたはcosαに関する
高次方程式を作ります。
72°より、0<sinα<1、0<cosα<1
を使えば解が1つに絞れますので、それが答えです。
なお、36°の場合は5α=180°になるを用います。
そのほか、特殊な三角形を考えるなど、
いろいろと求め方はありますが、
これが一番すっきりした解き方でしょう。
感想
72°がらみは得意。値も知っていたので、空欄補充のため一瞬。
第B6問・・・図形と式、微分(B、25分、Lv.2)
2接線の交点やら接線とx、y軸の交点やらで囲まれる三角形の面積
を文字で表し、最小値を求める問題。
空欄補充形式にするには、ちょっと酷なぐらい過程がありますが、
そこまで文字が煩雑になることはないので、手はついたかと。
感想
これ、空欄補充かよ って思ってしまった。
最後ミスったらシャレならんわと思い、かなり慎重に計算。
それでも符号とグラフの位置が視覚的に合わないことから
計算ミスに気づき、やり直して正解。
※図形の問題は、視覚的なところで計算ミスを発見できます^^
第B7問・・・個数の処理、数列?(CD、50分、パターンなし)
コンビネーション記号の数列の和といった感じです。
分野は不明です。
記述式であれば、間違いなくDレベルの難問です。
空欄補充であるだけでも救いですが、どれぐらいの人が
気づけたでしょうか。。。
こういう場合は、いくつか調べてみます。
3つ4つ調べたぐらいであきらめず、どんどん調べた人が勝ちだったかもです。
私は6つ調べてようやく規則性に気づきました。。。
感想
答えだけなら出せたが、後味が悪いので
きちんとそれが正しいことを証明することに。
こんな感じで証明にたどり着いています。
決してすぐに分かるわけではなく、
私だってとにかく、考えに考え抜いているということを主張するのに
ちょうどいいかと(笑)
推定したから帰納法か?とか思うが、
n=k とn=k+1 では様子が違いすぎるため、断念。
「Bnは推定できるが、証明できない」という状態が続き、、、
「ん?Bnが推定できるんなら、式変形してAnが推定できるな」
となり、Anの推定式を出す。
「どっちも直接出るのか」と思いながらも、どっちも証明できないまま。
コンビネーションに関するある公式を思い出し、Anに適用してみたら
うまくいったので、Anは証明終了。
のこりBn・・・・。「結果はこんなに簡単なのに、、、なんでや、、、、」
と思いつつ、Bnの和の式と結果の形から、
Anで使ったコンビネーションの公式に持ち込めないかと判断。
強引に使えるように変形すると、これがドンピシャではまる。
ほかの公式の利用も合わさり、無事証明終了。
(はじめからここまでで、約200分です。)
あえて公式の内容とか書きません。皆さんも挑戦してみてください^^
数学は考える時間が長ければ長いほど実力がUPします!!
合格ライン
A
どれも標準問題とはいえ、all or nothingなのはかなり厳しい。
1,2,3、5はなんとかあわせて、4,6、7は前半だけはきちんと合わせる。
それでも90分では厳しいでしょうから、
65%ほどかと思われます。
B
A同様、all or nothingなのはかなり厳しく、別問題のB7は特に厳しい。
1,2,3、5は絶対あわせて、4、6は半分。7は気づければ満点がとれますが、
取れなくてもいいと考えます。やはり90分では厳しいですから、
60%ほどでしょう。
対策
穴埋め形式で7問、90分であることを考えると、結構なレベルです。
教科書レベルはもちろん、その上の標準パターンぐらいまでは
計算問題と感じれるぐらいのレベルまではもっていきたいです。
具体的には、黄色、青チャートがすらすら解けるレベルまで
もっていければいいでしょう。
穴埋めなので、知識で差が出る問題もありますから、
準公式ぐらいまでは頭に入れておきましょう。
例 sin15°とか、積の微分の公式など
同じ大学の他学部の過去問も、レベルが同程度で穴埋め形式なので、
練習にいいでしょう。
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