この世界の片隅に | 夢のかたまり

この世界の片隅に

こうの史代さんという、わたしの好きな漫画家さんがいます。
わたしが初めてこうのさんを知ったのは、「夕凪の街 桜の国」という映画でした。

レビュー→「夕凪の街 桜の国」観ました

わぁ、もう4年も前の映画か。
この時から広島に行きたいと思っていて、今年ついに行くことができました。

こうのさんは、この映画の原作となった漫画を書いています。
わたしはまず映画が観たい、と思って映画館に行き、その後原作が漫画であることを知りました。

なぜわたしがこの映画を観たくなったのか、今となってはあまりよく覚えていないけど、
とにかく前評判がよくて、「泣ける」という感想が多かったからだったように思う。
わたし、泣ける映画けっこう好きなんだよね。

評判どおり、泣けて泣けてしかたなかった。
広島に原爆が落とされた頃の話と、現代の東京の頃の話の2本立てのような感じ。
だけどそれぞれがつながっている。

そして漫画を買った。でも、なんだかよく理解できなかった。
映画を先に観ていたから、ようやくわかったような。

こうのさんの漫画って、そうなんだ。
1回読んだだけじゃ、わからない。何度も何度も読み返して、改めてわかることがある。

わたしが通っている映画館にも、こうのさんを大好きな人がいて(もっと筋金入り)。
この映画を上映している時、「映画なんて観なくていいから、漫画買って読んで欲しい」とまで言い切った人。
映画館で働く人間として、それってどうなの。
実際ロビーで漫画も売っていたらしいけどね(わたしは気が付かなかった)。

そして、その続編、ではないけれど、同じ戦時中の広島を舞台にした漫画があります。



明るく楽しい戦争漫画。あえてこう言わせてほしい。

主人公のすずちゃんは、幼い頃1回だけ会ったことのある人の元へ、広島から呉へと嫁いでいく。
寡黙だけど、すずちゃんを愛してくれる周作さん、優しい義父母、ちょっと意地悪な小姑、かわいい姪。
決して裕福ではないけれど、つつましくもみんな幸せに暮らしている。

だけど、すずちゃんの実家がある広島市に、原爆が落とされる。

わたしはこの漫画をずいぶん前に買っていたのだけれど、なかなか読めずにいた。
だから今年、広島に行くことになって、「広島から帰ってきたら読もう」と決めた。

やっぱり、号泣。
実際にこの目で見てきた現在の広島と、当時の広島を思って泣けた。
ほんの60年位前、広島で起こっていた信じられないようなことが、少し身近に感じられたから。

そんなこの漫画、ドラマになります。

日本テレビ「この世界の片隅に」(8月5日放送)

本日(7/31)15:55から、特番もあります。

これを知った時、なんかひっくり返りそうになった。
すずちゃん役は北川景子さん。周作さん役は小出恵介さん。

前述の映画館の人と、「うわっ、マジで!?」って言い合っちゃった。

わたしの中では、誰がすずちゃんを演じるっていうイメージはない。誰にも当てはめられない。
すずちゃんは、すずちゃんだ。麻生久美子では暗過ぎるし、田中麗奈では明る過ぎる。

たぶん、ステキなドラマに仕上がっているだろう。もちろん観る予定だ。
だけど一番引っかかってるのは、「なんで映画にしてくれなかったんだろう」ってこと。
2時間ドラマと1本の映画じゃ、かける制作費だって違うだろうし。

もしドラマを観て興味を持っていただけたら、ぜひ漫画も読んでみてほしい。
わたしが買ったのは上中下の3巻なんだけど、7/21に前後編版も出たみたい。
中身は一緒なのでしょう。お値段的には、前後編をお勧めいたします。



この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)



この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)