「うちの部長、ポジティブなのはいいけど、
ウザいんです」というNさん。
「ウザい?」
「はい。いつも部下のところに来て、
『今日も元気よくいこうね!』とか、
『君、覇気がないなぁ。
もっと大きな声で返事しないと!』
って言うです。
それで、言われた通りしないと、
急に怒り出だすし。
ポジティブがいいのは分かっていても、
こっちだっていつもいつも
元気ではいられません。
皆、言われるたびに、
またか、って顔しています」
「部長はいつも明るいのですか?」
「はい。明るいなんてもんじゃありません。
過剰なくらい明るいんです」
「過剰なくらい明るいということは、
カラ元気の可能性が高いでしょう」
「カラ元気?」
「はい。弱みなど見せられないという
心理が働いているのでは。
精神医学ではこれを
『マニック・ディフェンス』(躁的防衛)
と呼びます」
「ってことは、部長はそんなに
明るくないわけですね?」
「部長に限らず、人間の精神には
浮き沈みがあります。
常にハイテンションで
居続けることはできません」
「じゃあ、部長が怒り出すのは・・・」
つづく
出典:『「図解」他人を攻撃せずにはいられない人』(片田珠美、PHP研究所、p.64)