テンション(1) | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

「うちの部長、ポジティブなのはいいけど、
ウザいんです」というNさん。

「ウザい?」

「はい。いつも部下のところに来て、
『今日も元気よくいこうね!』とか、
『君、覇気がないなぁ。
もっと大きな声で返事しないと!』
って言うです。

それで、言われた通りしないと、
急に怒り出だすし。

ポジティブがいいのは分かっていても、
こっちだっていつもいつも
元気ではいられません。

皆、言われるたびに、
またか、って顔しています」

「部長はいつも明るいのですか?」

「はい。明るいなんてもんじゃありません。
過剰なくらい明るいんです」

「過剰なくらい明るいということは、
カラ元気の可能性が高いでしょう」

「カラ元気?」

「はい。弱みなど見せられないという
心理が働いているのでは。

精神医学ではこれを
『マニック・ディフェンス』(躁的防衛)
と呼びます」

「ってことは、部長はそんなに
明るくないわけですね?」

「部長に限らず、人間の精神には
浮き沈みがあります。
常にハイテンションで
居続けることはできません」

「じゃあ、部長が怒り出すのは・・・」

つづく

出典:『「図解」他人を攻撃せずにはいられない人』(片田珠美、PHP研究所、p.64)


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