●犬の痴呆について~症状や対処法について

こんにちは、獣医師の藤村です。

今回はよくある質問です。

~ここから質問~

10歳を超える犬を飼っています。年のせいかよくおしっこをもらしてしまいます。

時には飼い主のことがわかっていないのかな?ということもあります。

以前、犬にも痴呆症があると聞いた事があるのですが、どの様な症状なのでしょうか?また、対処法などはあるんですか?

~質問ここまで~

昔に比べて、医学の進歩でワンちゃんの寿命が伸びてきたので、ワンちゃんの老化現象がよく見られますね。

痴呆は、ワンちゃんではだいたい13歳以上になると老化によって、感覚などが衰えて起こります。

ワンちゃんも個体によって、痴呆が起こる年齢も程度も違います。

たとえば、18歳を超えても痴呆にならないワンちゃんもいます。

痴呆の症状は、徐々に起こり、だんだん進行していきます。

しかし高齢犬で何かしらの病気が悪化し、そして回復した後で急に痴呆の症状がでることもあります。

痴呆の症状としてよく見られるもには、大きな鳴き声が意味もなく続きます。それから、昼はほとんど寝ているのに、夜起きるという昼夜の逆転が起こります。

さらに、夜中に放浪をはじめ、狭い所に入っては鳴きわめく(夜鳴き)行動も見られるようになります。

時には歩行は円を描くようになることもあります。しかも回る方向は同じことがほとんどですね。

症状が進むと、部屋の角で動きがとれなくなり、鳴き出すこともあります。

しかし食欲はすごくあっるのに、やせてくることが多いです。このような症状が愛犬にみられたら痴呆のはじまりの可能性が高いです。

痴呆の対処法として、環境の工夫をしましょう。

たとえば、風呂用マットを丸くつないでみましょう。痴呆になったワンちゃんは、この丸いケージの内にいれば角がないために、どこまでも前に進むことができます。そして、やがては疲れて眠りにつきます。

ケージの床には吸水性のあるペットシーツや洗えるマットなどをしきつめるなど、工夫をしてみましょう。

痴呆のワンちゃんは、おしっこやうんちで体が汚れますと、極端に嫌がり鳴きさけびます。

神戸・明石のフラワー動物病院では、ワンちゃん痴呆の治療をしていません。
(2016年12月1日現在)


もし痴呆とみられるような行動に気づいたら、早めにお近くの動物病院までご相談ください。
くどいようですが、フラワー動物病院では痴呆症の相談や治療を行っていません。