ブンレツさんの誕生日を翌日に控え、ソウウツシニアのおごりで外食。彼女もついに還暦を迎えた。振舞おうとする彼の懐には年金がある。

この辺りでは割と有名な店だが、この日はフロアが回っていなかった。次の皿までの間があき、順番も逆だったり、違うメニューがきたり、しかしそれらは許そう。こういう時に3人の中で切れるのが最も早いブンレツさんの堪忍袋の緒は、僕らより後の客のテーブルへ先に皿が運ばれたことだった。デザートを待たずに席を立ち、家で紅茶を飲んだ。次に切れる僕は彼女の怒りをあおり、なだめるのがシニアの役目。