雨の日は起きられない。胎内のように感じているのだろうか。いつまでも眠ることができる。そしてモーニングショーに行く予定が流れた。その足でボゴランマーケットにでも寄ろうという目算も崩れた。夜になるまで外出せず、日がな家にこもるのも気が引けて歩いて買い物へ出かけた。気温は高くないのに湿気で汗がにじむ。不快指数が高い。
僕の美的感覚が正常かどうかは抜きにして、ステキ柄のショートパンツをみつけてそれを購入した。そのまま穿いて帰ることに。会計しようとした時「お似合いですよ」と声をかけてきたのは斉藤さん
だった。彼女の涼しげな笑みに対して、僕は得意のエセ笑顔で応じる前に額の滑りを拭いえおかなかったことを後悔してやまない。