その友人からの電話はこの日 以来だった。彼女もその後、交際に至ったそうでお互いに事後報告。しばらく話してから変な愛想笑いをするようになったと指摘され、風邪のせいで声の調子が悪いからだと真っ向から否定したが、実は否めなかった。

逆に、古くから知っている人にその傾向が出たと感じたことがある。その時は耳障りな笑い声に嫌悪感を抱いた。しかし俗世間にまみれながら生きる術を学んだのは決して卑下することではない。自分もそうなったからというわけではなく、そうでもしなければ渡っていけないという負の染みつきにはむしろ喜んで愛すべきだ。とっさには認めなかったが、それは愚直であり、それを美徳とし、今後は高らかに誇ろうと思う。