どれがどれだ鴨 昨年と比べて 鴨の成長は早く、親子の区別がつかない。今日もこの家族の周りに人が群れた。「やあ、大きくなりましたね」と中年男性に話しかけて、互いに顔がほころぶ。「どれが親鴨か分かりませんな」と言うと、隣の中年女性、僕が声をかけた男性と夫婦だろうか、彼女が教えてくれた。「足を御覧なさい。1匹だけ赤いでしょう。あれが親です」。なるほど年季は足に出る。子どもたちはまだ赤みが薄い。皆、頭は悪く、行く手を阻む低い格子を越える術は知らなかった。近くには「鴨横断注意」と書かれた看板がある。