フクシマ暦2年、福島からのメッセージ No20  | ふくとらさんのブログ

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2011年3月11日以来、福島はフクシマになり、低放射線量下での生活を余儀なくされています。それでも、我々はしっかり生きています。子供たちのためにも、核と共存せざるを得ない世界のひとたちの為にも。旅が好きなとらさんの
メッセージをお読みいただければ幸です。

【 詩でつづる:フクシマ暦2年の現況報告 ① 】







 


ボクたちは8万円のモルモットです
了解済みでモルモットになったわけではありません
なしくずしに強引にモルモットにさせられたのです

彼らはモルモットを興味深く観察しています
放射能に汚染された地域で住み続けた場合でも
それなりに楽しく豊かに生きられるはずだと信じているのでしょう

モルモットはけなげにも静かに日常生活を続けています
彼らはおまじないをかけられているからです
チエルノブイリ以上に効き目がある呪文は

健康には直ちに影響ありません
低放射線量下での健康被害はカガクテキニ証明されていません
ガンバローフクシマ、絆、みんなで福島を復興させよう!

モルモットの将来は誰にも分かりません
やっぱり問題なかった、と証明する偉大なモルモットになるかもしれません
チエルノブイリの犠牲者がせっかく警告したのに、と悲しむことになるかもしれません


ボクたちは8万円のモルモットです
でも、首都圏に住む人も海の向こうに住む人も
みんなみんなモルモットなのです


                                 

 

 【 札幌にて 】
ここは札幌大通り公園、200万都市のオアシスです
ビルの林の中のオアシスです

テレビ塔が青空にそびえ
花壇では色とりどりの花が咲き
吹き上がる噴水が夏の光に踊り
緑の風が吹きわたっていきます
焼きとうもろこしの匂いがして
カラスが鳴いています

乳母車を押す若いお母さんたち
ハトを追いかけるおさなごたち
ベンチで談笑する恋人たち
記念撮影する観光客たち
芝生の絨毯で団欒するひとたち
それを温かく見守るお年寄りたち

さわやかな北国の大気を
たっぷりと呼吸している私がいます
放射能のない街では
これほどゆったりと安心して過ごせることを
久しぶりの札幌で改めて感じています
2012年の盛夏です。フクシマから訪れた私です

ここは札幌大通り公園、200万都市のオアシスです
泊原発から70kmのまぶしいほど平和な街です
フクシマで起こったことを札幌で繰り返してはなりません
200万県民も願っています

   久しぶりに夏の札幌を訪ね、幼い二人の孫たちと1週間ほど過ごしました。
   幼い子供たちは裸足で芝生や土の上で遊ぶのが好きです。
   床に落ちたものも口にします。
   今の福島ではだまってみていられない光景ですが、核に汚染されていない北海道なら
   そう気を使うこともありません。
   人間は大地と触れ合って育つのが自然であることをいまさらのように強く感じました。
   自然の中で子育てができないお母さんたち、また、困難を承知で福島から全国に
   避難している沢山の母子の事もとても気になりました。



話は変わりますが、
「だまされることも罪」と敗戦の翌年に伊丹万作(十三氏の父)氏が書いているそうです。
原発安全神話に重ねてこの警句が注目されているという記事が朝日新聞8月14日33面に載っています。
身につまされる思いで読みました。