シリア、レバノン、イスラエルを約3週間もの間、
一緒に旅させて頂いた84歳で今も現役バックパッカー、畑野さん。
シリアの内戦による影響で、シリア国内への入国をためらう旅人も多い中、
畑野さんは一人で国境を越えてきたという。
シリアのダマスカスの宿のドミトリーで初めて会話を交わし、
畑野さんの旅をしてきた経験や各国の印象を聞いた。
50歳頃から一人旅を始め、高級なホテルやツアーでの旅(一般的な旅行)は避け、
重いザックを背負い、安宿に泊まり、大衆食堂で飯を食べ歩き、
自分よりも若いバックパッカーとの触れ合いを大切にして旅をされている。
日本では、
東京に拠点を置き、アパート経営や野菜農園を趣味とし、
毎日ジムに通い約2KMもの距離を泳ぎ、身体を鍛え維持している。
春、夏、冬はアパート経営や野菜の収穫時期で日本に住み、
秋になると約2-3ヶ月は海外へ旅へ出るというライフスタイルを楽しんでいる。
この歳になって、健康保険を解約し、今も大きな病気にはかかっていないという。
ただ一点、耳が聴こえなくなってきていると話されていた。
片耳は以前から聴こえず、
今回の旅で両耳が聴こえずらくなってきている...と。
それでも、旅に対する気持ちは貪欲で
そういったハンデを感じさせないくらいの姿勢で旅をされている。
一緒に旅をしていても、
僕らと一緒の目線で会話をしてもらったり、
一緒に飯を喰ったり、一緒の安宿のベッドで夜を過ごしたり、お酒を呑んだり。
旅中は、ほとんど弱音や愚痴も言われず、
僕らよりも前を先に歩くくらい元気な方で、その背中に見とれてしまう。
重いザックを背中を背負い、メキシコで買ったという革のブーツを履き、
姿勢もシャキッと真っすぐな状態で歩いていく...。
「自分が84歳になった時に、畑野さんと同じような事が出来るのか?」
そう何度も自分に問いただす事をせざるをえないくらい、素敵な人だった。
一緒に旅をしていたケンと畑野さんへの手料理を振る舞う。
1回目....60点 インスタント麺を使ったオイスターソース焼きそば
2回目....70点 パスタ
3回目....95点 白飯 & 唐揚げ & サラダ
畑野さんは言っていた。
「高いホテルに泊まっても、良い飯を食べても、出逢いは訪れにくい。
こんなバックパッカー旅だからこそ見えるものがある。
だから、この歳になってもバックパッカーはやめられない...」 と。
ケンと見つめ合い、
「名言だな。」
そんな言葉を交わした。