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Go Anywhere

ー Living , Working , Traveling ー

『 Freedom Of Expression 』-レバノンゲート

シリアからセルビス(乗り合いバス)に乗り込み、

10カ国目Lebanon(レバノン)へ。





シリアの出国審査の場所ではシリア人でごったがえす長蛇の列が出来ていた。

シリア出国に約1時間~1時間半近く待たされ、

レバノンゲートでもビザ取得(2週間US14$)に約1時間かかった。






中東の情勢は良くない為、

隣国でもかなり出入国の審査が流動的ではあるけれでも厳しい場合もある。

それは覚悟していた。

..が、あまりにも時間がかかり少しイライラする様な感情を覚えた。






『 Freedom Of Expression 』-地中海

「ビザ代はUS$では支払い出来ない。レバノン・リラに変えてこい」

と言われ、渋々両替所へ。



両替所に行くと、レバノン人が他の人と談笑していたり、

なかなか両替してくれないなど無駄な時間を過ごした。




ようやく、両替が完了したと思いきや、

レバノン・リラの渡し方がぶっきらぼうな感じだったので、

それにも腹が立ち両替所を立ち去る時に壁を思い切り蹴って外に出た




すると、両替所のレバノン人のオヤジがこっちにやってきて

「両替したレバノン・リラを返せ!」と怒号を立て、

舌をまくしたてて言って来た。

「やってしまった...」

....と、後悔の念と晴れ晴れしい気分でレバノン・リラをオヤジに返す。





結局、レバノン・リラに両替出来ないまま入国ゲートへ引き返してきた。

「両替出来なかったです」と申し出ると、

レバノンの審査官は、「そうか....じゃあもう行けっ!」



....!?.....!?.......!?

それって、ビザ代払わなくて良いって事? 




Lucky!





『 Freedom Of Expression 』-空。


って事で、

ビザ代 Free で無事レバノン入国。



次の日も朝からパルミラ遺跡をあてもなく歩く。

早朝に歩くのは気持ちよく、遺跡内にも全くといっていいほど人がいない。

遺跡を眺め、好きな音楽を聴きながら、いろんな事をイメージ出来る贅沢な時間。






『 Freedom Of Expression 』


遺跡内のだだっ広い荒野に一軒のテント張りした小さな小屋の様な場所を見つける。






「誰か住んでんのかな?」と遠くから見ていると、

3人の子供達が外に出て来て、

「こっちにおいでー!」

子供達がそんな風に手招きをして呼んでくれた。






近づいていくと子供達のお父さんらしき人が「シャイ(紅茶)呑まないか?」と

英語が話せないのか、アラビア語とジェスチャーで僕に伝えてくれる。







財布を持たずに歩いて俺は、

「お金を持っていないです」という意志を伝えると、

おじさんは、首を横に振り

「お金はいらない。一緒にシャイを呑みながら、朝ご飯をたべよう」

そんな風に僕をテントの中へ誘ってくれた。





観光地だし、観光客相手にこんな所に呼ばれると決まって

お金を請求されるっていう風に思っていた自分がめっちゃ小さく思えた。









『 Freedom Of Expression 』

テントの中に入ってみると、

絨毯が部屋一面に敷かれ、家族が眠れるくらいの敷き布団が並べられていた。




きっと、家族が「川の字」を描いて、毎夜家族揃って眠っているんやろな。

そこは、そんな事をイメージさせてくれる小さいテントだけど温かくて優しい場所だった。







朝食は、ホブスと言われる丸く薄いパンと柔らかくゆでたひよこ豆をつぶして、

レモン汁やオリーブ油または溶かしたバターを混ぜて作られたフールと呼ばれるもの。

パンをちぎって、フールに付けて食べるシンプルな料理。









『 Freedom Of Expression 』

旅を通して、こういった出会いの中で食べさせてもらう料理は、

どんなレストランや食堂で食べるご飯よりも優しい味がする。



きっと人の温もりを心で感じるからなのだと素直に思う。











『 Freedom Of Expression 』






『 Freedom Of Expression 』

外に出て、子供達と一緒にi-podで音楽を聴いた。

子供達は音楽を聴きながら無邪気に笑いながら遊ぶ。










日本に居た頃の『中東』のイメージは、

内戦や紛争、民主主義を求めるデモ騒動など危険な場所だという認識だった。



けれども、実際にその国に来てみると、違う一面を垣間見える事が多くある。

自分の目で。










『 Freedom Of Expression 』


街ですれ違うシリアの人々は、何も好戦的な国民性ではなく、

むしろ友好的に『Welcome to Syria』と気さくに声をかけてくれる。






『 Freedom Of Expression 』



街を歩いて、彼らと話していると、

常に自分達がアメリカやイギリスのニュースなどの報道により

アラブ諸国を初めとした中東域の国々が

危険な場所』だという風に

間違った認識をされている事に憤りを感じ続けていることも話してくれる。










『 Freedom Of Expression 』-姉妹で

シリアの子供達は今日も楽しく穏やかな時間を過ごしている。

『 Freedom Of Expression 』-パルミラ

ダマスカスから約3時間バスに乗り、

世界でも有数の巨大な規模を誇るパルミラ(Palmyra)遺跡群へ。




砂漠のオアシスに忽然と姿を現し、黄土色の列柱群や神殿跡を残しており、

シルクロード交易の隊商都市として栄えた遺跡群は

今も色褪せる事なくたたずんでいる様に見えた。







『 Freedom Of Expression 』-陽気な二人

すれ違う旅人の中で、パルミラの評判は半々くらいに別れる。

この広大なパルミラ遺跡群をどう捉えるか、

自分の時間軸をどう組み立てるかで遺跡群の印象は大きく変わるだろうなと思う。

それは、各個人変わっていいものだと思うし、印象や捉え方は大きく変わる。








過去の歴史的背景を学んだ上で王国が繁栄していた当時の様子をイメージ出来れば、

繁栄を極めたパルミラ王国を感じる事が出来るだろうし、

現在の時間軸から捉えれば滅びてしまった王国とだけ心に残るだろうとも思う。




『 Freedom Of Expression 』-列柱道路0




『 Freedom Of Expression 』-列柱道路




各国の遺跡群を見ていく中で、

難しい歴史書やガイドブック、ネットのWikipediaに載っている文章をそのまま捉えるよりも、

遺跡群を見て、自分がどう感じるか、自分だったらこんな風にイメージする。

って事を考えながら遺跡群を見ると面白いなと個人的には感じている。




パルミラは世界的な遺跡ではあるものの、遺跡を監視するシリア人の人影もなく、

遺跡を紹介する看板なども無い。

見方によっては広大な砂漠地帯に放置された遺跡とも映るが、

圧倒的な存在感を映し出している遺跡とも捉えられる。

自分は後者の方で、

広大な砂漠地帯にたたずむパルミラ遺跡の雄大な列柱道路や神殿跡をずっと見つめていた。





『 Freedom Of Expression 』-ベドウィン

遺跡前を通りかかったベドウィン一家を見かけた。



ベドウィンとは砂漠の住人とも呼ばれ、

アラビア半島を中心にラクダ・羊の放牧や売買をおこない、

輸送や他の仕事を営むアラブ系の遊牧民。



往来しているベドウィンの様子が何度も何度も見る事が出来た。





『 Freedom Of Expression 』-物売り少年少女

遺跡内を歩いていると、遺跡内にテントを張った場所から子供達が二人現れた。

彼らはパルミラ遺跡内に居住地があるらしい。



家族で広大な砂漠の中に住みながら、

こうやって観光客相手にアラブ系の土産物を売買しているのだという。




買わない意志を伝えたが、人懐っこい笑顔をしてくるので一緒に話しをした。

英語が通じなかったので、会話というよりジェスチャーが多かった...かな。



身振り手振りで、パルミラ遺跡の事を伝えてくれたり、

彼らが住んでいる家に招きいれてもらったりした。



何も買わなくても、言葉が通じなくても、

彼らはずっと笑顔を絶やさず親切にしてくれた。






『 Freedom Of Expression 』-夕方

太陽が沈む時間になり、広大な砂漠の向こうに月が見え始めてきた。









『 Freedom Of Expression 』-夜1

夜になると、

満月と遺跡を照らすライトアップにより遺跡の表情は大きく変わる。





『 Freedom Of Expression 』-夜2


王国が繁栄していた頃は、今の様に照明なんてものが無かっただろうな。



列柱中央部の凸になっている場所に、

火を灯したたいまつをいくつも並べ王国の繁栄を唄い、

何千年前と変わらない月や星の光が夜の空を照らしていたんだろうと思うと、

きっと素敵な王国だったんだろうなと....

寒い夜空の下で一人で感じていた。