坂本龍馬-岩崎彌太郎-岩崎彌之助-静嘉堂文庫-三菱一号館美術館 | FishEyeArt blog

坂本龍馬-岩崎彌太郎-岩崎彌之助-静嘉堂文庫-三菱一号館美術館


NHK大河ドラマ「龍馬伝」のナレーター役は、香川照之さん演じ
る岩崎彌太郎 = 現在の三菱グループの創始者ですね。


幕末の混乱期を経て生まれてきた政商、そして後の財閥に成長させ
てきた人たちは、それぞれ、いろんな経歴をもっていたのだろうと
は思いつつも、それは遠い昔のこと。後の大成功者とあらば雲上の
人として神格化して見てしまうものでしょう。


ところが、今回の大河ドラマに出てきている岩崎彌太郎は、土佐藩

のきったない最下級武士。多分にデフォルメがあるとしても、あぁも

極貧の出だったということには、正直驚きました。坂本龍馬の夢が

岩崎彌太郎へと引き継がれ、後の日本の海運業発展とつながって

いったわけですが、その1代における大変革には、びっくりさせられ

ます。



そして、三菱グループの美術館というと、静嘉堂文庫。三菱の二代
目社長であった岩崎彌之助と四代目社長の小彌太父子によるコレク
ションであることは以前から認知するも、初代の成功後の、いわゆ
る金持ちの子孫によるもの? とかと思っていました。^^;


その岩崎彌之助は彌太郎の16歳年下の弟。つまり、同じ、土佐のあ
ばら屋育ちなわけです。静嘉堂文庫のHPの記述によると、彼が美
術品収集を始めたのは 1892(M25)年頃からとのことですから、それ
は、急死した彌太郎の後を引き継いで三菱の社長をつとめ、それを
次に彌太郎の子、久彌へ渡す頃の年になります。


彌之助自身は、その後も日銀総裁についたりしていますので、第一
線から隠居したわけではありませんが、三菱の社長職を退いた後に
文化活動に力を注いだということでしょう。



一方で、この4月に丸の内にオープンする三菱一号館美術館。彌之
助は、丸の内の広い土地を 1890(M23)年に政府から一括購入し、そ
こに、ロンドンのようなビジネス街を造ろう計画しました。そして
その最初に建てられた洋風建築物が、旧三菱一号館でした。


その建物を復元させてオープンするのが、この美術館。この春、120
年もの時を経て、彌之助の「丸の内美術館」構想が実現することに
なります。



坂本龍馬から三菱一号館美術館までが、こういうつながりになって
いるのですね。