志を高く持て! | いっちゃんのひとり言

志を高く持て!



証券ビジネスに携わる人間は、すべからく高い志を持つべきである、と私は常々考えています。野村證券の創業者・野村徳七翁は、その回想録の中で、「証券業を卑しめているのは、いつにかかって、それを取り扱う人間の人格の低さである」と、看破しておられますが、「人格の低い人間」というのは、私が思うに、志の低い、あるいは志の無い仕事人間であると、言えるのではないでしょうか。

どんな仕事であれ、そこに、高い志があれば、立派な職業人と言えるでしょう。



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それでは、支店の営業マンが持たねばならない「高い志」とは一体何でしょうか。

それは「健全な資本市場を育成していくことによって広く国民経済の発展に資する」と言うことではないかと思っています。

国の経済活動を人間の身体に例えると、お金はまさに血液の役目を果たしているといっていいでしょう。





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共産主義と云う名のサイボーグやロボットなら、血液は必要ありませんが、資本主義と云う生身の人間であれば、血液がなければ、そして、血液が順調に身体の中をめぐらなければ死んでしまいます。


ご飯を食べた後は、消化を助けるエネルギーを出すために、胃に血液が集まるように、その時々に応じて、血液が過不足なく身体中にめぐらせる働きはとても大切なことであり、これが経済活動の中で云えば『金融』というビジネスなのです。



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又、金融システムと自国の通貨の独立性が保てなくなった国は必ず滅びることは、歴史が証明している通りです。


勿論、産業の基盤である工業は重要であることは否定しませんが、それと同じくらい重要なのが金融であるといっても差し支えないと思います。



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金融というビジネスは、先ほどの人間の身体の例えのように、世の中でお金の余っている所から、不足している所、あるいは、重点的に持っていくべき所へ、スムーズにお金を運ぶ役割を担うわけです。

いわば、お金の流通業です。

流通にかかるコストは安い方が国民経済にとっていいに決まってます。

流通過程でのコストが高ければ高いほど、中間の流通業者が儲かる仕組みになっているわけで、この複雑な金融の流通過程がいわゆる「間接金融」で、その間に入っている中間の流通業者が銀行であることは、云うまでもありません。

言い替えれば、間接金融とは金融市場の中で、貸付市場と呼ばれているものであります。

それに対して、流通コストの安い方、言ってみれば、産地直送とでも言うべきシンプルな流通形態が「直接金融」であり、直接金融を実行する場が「資本市場」と云うことになるのであります。


証券会社の仕事のフィールドはまさにこの資本市場にあり、お金を調達したい方にとっては、できるだけ安いコストで、そして、お金を出す(運用する)方にとっては、できるだけ有利なリターンを与えて差し上げるという、直接金融の利点を双方に最大限に生かす使命を持っているのです。




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勿論、日本の資本市場は、欧米に比べまだ歴史も浅く、未成熟な点がいっぱいあります。市場ルールの問題、透明性の問題、プライシングの問題など、近年の金融証券不祥事の原因の多くは、これら日本の資本市場の後進性と矛盾に根ざしたものであったと云えるでしょう。しかし、あのような多くの不祥事が表に出てきたと云うことは、次第に資本市場が、健全になりつつあると云うことの証左であります。




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証券の先輩たちが夢に見て、情熱を燃やしながら果たすことのできなかった理想の多くが、これからの何年かで、実現できる可能性のある時代になりつつあります。「健全な資本市場の育成」、そして「国民経済の発展に資する」という高い志を、今こそ証券マンは持たなけれなりません。なんだかまるで、どこかの証券会社の社長の講話みたいですが、決して大げさではなく、我々の持つ志の高さが、本当に証券のビジネスの質を決めていく、といっても過言ではないと思います。



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