喧嘩 | 憧れの(?)Italia Firenze生活

憧れの(?)Italia Firenze生活

イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪

私とダンナ、しょっちゅう喧嘩をしますが、今回は私たち夫婦の喧嘩ではないです。


今週、ダンナの両親が毎年恒例サルデーニャ島の家へバカンスに出かけるので、その前に家族みんなで昼ご飯を…と、実家へ昼ご飯をご馳走になりに行ったんです。

ピピウがNICUを退院してからは初めてのことです。
点滴があったり、赤ちゃん用の椅子が実家になかったりで、実家でピピウを連れて食事をしたことがなかったんです。


メンバーはダンナの両親にダンナの妹家族(妹、そのダンナ、10歳の姪)、そして私たち。

で、お昼ご飯は和やかなムードで行われていました。

ピピウもテーブルについて、おもちゃを持って嬉しそう。

食事中もピピウの近況を義妹から聞かれたので説明していました。

その時に、「少しだけ果物をやってもいいという許可が出た。」と言ってしまったのが間違いの発端。

お昼ごはんのランチの締めくくりは季節の果物で、
スイカ、桃、あんず、ぶどう…
いーっぱいダンナのマンマが用意してくれてたんです。

で、10歳の姪が、スイカをピピウに食べさせたいと言ったんです。

実は、スイカは以前試したんですが、気に入らなかったようで食べませんでした。

バナナやりんごのすりおろしが好きなんですが、それらはこの日なく…。

ダンナの家族みんな、ピピウが食べてるところが見たくて、「これはどうだ?」「あれはどうだ?」と、ピピウに食べさせたがるのです。

ピピウが可愛くて言ってくれているのは分かるので、ありがたいのですが…。

みんな、ピピウが短腸症候群ってこと忘れてるよね?



とりあえず、その場をおさめるためにも、あんずなら食べさせてみようと思い、あんずを洗うために私はテーブルを立ちました。

すると、背後でもめる声が…。

まず、ダンナのお父さんがダンナに「いい加減にしないか!少しくらいいいじゃないか!」と怒っている。

なぜかそれに便乗してダンナの妹が「そうよ!いつも大袈裟なのよ!いいじゃない少しくらい!」とキレている。
そして、その場をたち去ってしまいました。


何があったのか聞いたら、私があんずを洗いに行ってる時に10歳の姪がピピウにスイカを切って(ピピウにはデカすぎるのだが…)オジであるダンナにやってもいいか聞いたらしいんです。

ダンナは、ピピウはスイカは好きじゃないし、それは大きすぎるからダメだと答えたそう。

なのに、家族全員「いいじゃないか、やれやれ。」と姪に言ったようで…。

それにダンナがかちんときて、「ピピウの食事に関しては口を出さないでくれ!」と言ったら…ダンナのお父さんと妹が怒ったようです。


まぁ、どちらの言い分も分かる真顔

家族はピピウがかわいいから食べさせたいし、私たち夫婦はピピウが心配でドクターの指示に従って食事をやりたい。


でも、ダンナの家族、ピピウが病気だってことを忘れている感満載なんですよね。

いや、忘れているというか…

幸いにもピピウは順調に育っていて、見る限り元気な普通の赤ちゃんなんです。
外出するのはもちろん中心静脈栄養点滴が外れている時なので、おそらくピピウが家で点滴が必要なんて、知ってる人でも忘れてると思います。

だから"ちょっとくらい大丈夫"、"大げさに言ってるだけでしょう?"と思っちゃうのかな?

でも、実際は、普通の赤ちゃんの小腸の半分の半分もないんです。

順調にいってても、食事がピピウの小腸の限界をこえて、下痢をしようものならまた入院。点滴だって振り出しに戻るわけです。

だからドクターたちも慎重だし、私たちも慎重になるわけです。


結局、私が用意したあんずもピピウは気に入らなくて、その時果物は食べませんでした。

離乳食を食べたばかりでお腹も減っていなかったんだと思います。


その後、義父は何もなかったふうに振る舞い、義妹は怒ってなんと帰ってしまいました💧

義妹に関しては、普段は温厚なタイプなんですが、この日は実家に着いてすぐに義母ともめていたので、おそらく最初から虫の居所が悪かったんだと思います。
何があったんだか…。



私が少し心配なのは…

ピピウが生まれてから今までどんな状況だったか知っている人たちである身内でもこの対応だということです。

"元気そう"、"順調にいっている"ということで、"普通に食べられるんじゃないか?"、"普通の子と変わらないんじゃないか?"と思われることです。

そして、そのために食べ物を普通に与えられてしまうことが怖いです。


でも、本当に"食べさせてやりたい"というダンナ家族の気持ちもよく分かるんですよ。

なぜなら、私たちだって食べさせてやりたいから!


一度、栄養管理のドクターに"離乳食は〇〇もやっていいですか?"とか"足りてないようで泣くので、ミルクの量を増やしてもいいですか?"とか聞いたことがあるんですが、ドクターの答えはNo でした。

「食べ物をもっとあげたい気持ちは分かる。でも、それで下痢でもしようものなら、数ヶ月かかって前進してきたものが全て水の泡になる。しかもピピウの場合、後退=入院 であることも忘れてはいけない。」と言われました。

そして、私たちもハッとしました。

そうだ…この子は数ヶ月前までは小腸が12cmしかなかったんだ…。
物が口から食べられるだけでも感謝しないと! 




これから先、ピピウが成長して、食事や色々な制限が出てきた時、周りの人達は"どうしてピピウだけ?"、"大袈裟なんじゃない?"と思うかもしれません。

ピピウは太ることはなく、きっと細身の体型になるだろうと言われています。
"細すぎる。もっと食べたほうがいいんじゃない?"とか、私たち親も"ちゃんと食べさせてるの?"と言われる時がくるのかな?

ま、そんな他人の目に負けるわけにはいきませんけどね。

大切なのはピピウとピピウの健康を守る事。

でも、そのためには、私たち夫婦がピピウにも、周りの人達にもちゃんと説明できるようにならなければなりませんね。


ちなみに、ランチ後、何もなかったかのようにピピウはおじいちゃん、おばあちゃん、いとこ、おじさんに遊んでもらって超ご機嫌でした。



今日もKUROと町の写真を応援クリックお願いします!
 

↓ ↓ ↓ ↓



にほんブログ村