実効的検閲の「成果」
以前のエントリ
で取り上げた、映画「靖国」について自民党の稲田朋美議員らが試写会を要求した事件の続報。映画館が一館、上映を取りやめたそうである(「世界の片隅でニュースを読む」
に詳しい分析)。こうやって「自粛」せざるを得ない「空気」を蔓延させることによって、事実上の検閲が可能になりうるということを如実に示している。
重大な問題だと思うので、『朝日』の記事 を引用しておく。
重大な問題だと思うので、『朝日』の記事 を引用しておく。
「靖国」上映を中止 東京の映画館
2008年03月18日09時03分
来月公開予定のドキュメンタリー映画「靖国」をめぐり、都内の映画館1館が、予定していた上映を取りやめることを決めた。「問題が起こる可能性もあり、総合的に判断した」としている。
映画は4月12日から都内4館、大阪1館での上映が、配給・宣伝会社アルゴ・ピクチャーズと映画館側との間で決まっていた。取りやめを決めたのは、東京・新宿の「新宿バルト9」。運営会社ティ・ジョイによると、今月13日ごろに興行担当者で議論して判断。15日にアルゴ側に正式に伝えた。
担当者は「(上映作品の)編成の調整がつかなくなった」としながら、「色々と話題になっている作品。問題が起きればビルの他のテナントの方への影響や迷惑もある。総合的判断」と話した。
新宿バルト9は昨年2月にオープンした複合施設内にあるシネコン。ビルの下層には百貨店や飲食店が入居している。アルゴの担当者は「こうした大きな劇場でかかること自体が珍しいタイプの作品なので、非常に残念。上映自粛の動きが広がらなければいいが」と話している。
思い出すのは昭和天皇死去の前後だ。ちょっとした町内の祭りでさえ「自粛」ということでバタバタと中止になっていった。「空気」というものは恐ろしい。