「水からの伝言」はどうやって作られているのか(5)補足 | ほたるいかの書きつけ

「水からの伝言」はどうやって作られているのか(5)補足

 PSJ渋谷研究所X さんに言及していただいたら、アクセスが急に増えてビビッております。(^^;;

 「水伝」の「実験」なるものについては、実はあれ以上書くことはない。前回も書いたけれども、「水伝」というのは実際何をやっているのかそれほどまでにわからない(著者たちが明かしていない)のである。
 今回、「水伝」に書かれていることを引用しながら批判したのは、一つには彼ら自身の「言葉」でもって、彼らがどのようなことを言っているかを改めて多くの人に知って欲しかった、ということがある。ブログという形がふさわしいかどうかは置いておくとして、ある程度まとまった形でネット上に置いてあれば、なんらかの形で役に立つと期待したい。

 念のためここで指摘しておきたいのは、きくちさんをはじめとする、早い時期から「水伝」を批判してきた人々は、原典に当たって批判してきたということだ。その痕跡は、たとえば3年ほど昔の kikulog の
   水からの伝言(5): 結晶についての簡単なまとめ
あたりを見てもらうとわかりやすい(他のエントリも)。特にコメント欄での議論。こういう膨大な議論の積み重ねが、「水伝」の本質が誰でもわかる形で広められていることにつながっているのだ(とはいえ、まだまだ信奉者も多いわけですが…)。私が書いてきたことは、基本的にはすべて kikulog のコメント欄に出ていることがお分かりいただけると思う(ちなみに私はずっとROMしてました^^;;)。

 さて、上記エントリのコメント欄を読み直して気づいたのだが、IHMのウェブページに「水伝」ビデオ版のサンプルがあった。これ である。どうやって水に言葉を見せているのか、どうやって結晶をつくっているのか、どうやって撮影しているのかがわかると思う。結晶が成長していくところもあって、なかなか面白い。
 これを見ると、きちんと懐疑的に見れば、50個のサンプルの写真のうちからどれを選ぶかだけでなく、成長する結晶の、どの時点で撮影するか、など、不確定要素があまりにも大きいということも見えてくる。
[追記2010.1.21: ビデオサンプルのページが消去されていたが webarchive に残っていたのでそちらにリンク を張っておく。サンプルも見られる。]

 もし、この文章をお読みになられた方で、以下のウェブサイトをまだ見ておられないなら、是非一読されることをおすすめする。「水伝」とは要するになんなのか、とてもよく理解できると思う。
   「水からの伝言」を信じないでください (学習院大学・田崎晴明氏)
   『水からの伝言』の基礎知識 (PSJ渋谷研究所X)

 彼らの言うところの「実験」についての紹介はこれでひとまず終わりにするが、折角なので、今後も折に触れて「水伝」等に載っている彼らの言葉を用いながら、そのニセ科学性を明らかにしていきたいと思う。