「Hado」2月号(1) | ほたるいかの書きつけ

「Hado」2月号(1)

 「Hado」2月号(No.173)の紹介と批判をこれから少しづつやっていこうと思います。目に付く範囲で。
 しかし、ざっと見て見たのですが、(予想していたとはいえ)ツッコミどころ満載で、どこから手をつけたものやら…。とりあえず、一番スゴそうな太田龍との対談をこれから紹介したいと思います。何回かかるかわかりませんが。

 「平和のDNAをもつ日本民族が地球の危機を救う」(p.12)
 連載対談 [その1]
日本義塾塾長 太田龍 x 国際生命の水財団 名誉会長 江本勝
[その1]ですよ、[その1]。わたしゃこの雑誌毎月買わんといかんのだろうか。それはともかく、まずはリードを。
―― 人類がこれまで信じていた歴史、科学、文化、政治、経済などすべては、ごく一部の地球支配を目論む勢力によって情報統制されています。その実体(ママ)を暴く活動を精力的に行っている太田龍氏と、水の研究により、これまでの現代科学の常識に挑戦している江本所長が顔を揃え、熱き対談が実現しました。
白熱の討論のなかで日本民族が、地球の未来に対して課されている大いなる使命が浮かび上がってきます。
いや~これだけでもスゴイのですが。
 唐突に陰謀論が展開される。ま、太田龍だから、当然といえば当然なのだけれども。すでに情報統制を行っているなら「地球支配を目論む」どころかもう支配しているのではないか、と思うのだが、そのような矛盾を気にしていては陰謀論など開陳できないのであろう。「実体」も気になるところ。「実態」の誤植では、と思うのだが、もしかしたら「支配を目論む勢力」の実体を暴く、という意味なのかもしれない。フリーメーソンだのなんだの、というやつか。私は太田龍氏についてはほとんど知らないので、これについては判断を控えておく。ただ、この記事のプロフィールによると、
…1985年以降、エコロジー運動、食の革命(たべもの学)、家畜制度廃絶を土台とする日本原住民史、世界原住民史、天寿学体系構築に着手する。また。(句点はママ) 1992年以降、ユダヤ・フリーメーソンを中核とした超巨大勢力による新世界秩序(ニュー・ワールド・オーダー)構想の危険性を看破し、警鐘の乱打を続けている。…

とあるので、「実体」でよいのかもしれない。乱打?乱れすぎだわ。(^^;;
 ついでに、このプロフィールによると、
著書に『地球の支配者は爬虫類人的異星人である』『日本人が知らない「人類支配者」の正体』(船井幸雄氏と共著)『まもなく日本が世界を救います』(ベンジャミン・フルフォード氏との共著など。

とあり、そのトンデモぶりが伺える。さらについでにもう一言添えるならば、第4インター絡みの経歴はまったく省かれており、実態はともかく「右翼」的風潮に乗せられている読者から警戒されるような字面は注意深く取り除いた、ということなのだろう。

 さて、リードに戻ろう。2番目の文はまだツッコむべき点が残っている。それは、
水の研究により、これまでの現代科学の常識に挑戦している江本所長
というところだ。以前、「AERA」で「水伝はファンタジーだ」発言があったが、この紹介文は、明確に「水伝」は(
未来の、かなにかは知らんが)科学であると宣言しているのだ。現代科学との対立構造があるということを認めたことになり、ニセ科学批判の俎上に乗せられても仕方ないと言うことだ。
 最後の文は、トンデモ系ではよくお目にかかりそうな文章であるが、これについては本文を見ていく中で意味が明確になっていくと思う。

 さて、リードにツッコむだけでこれだけの文章を要してしまった。本文を相手にしだしたら一体どれだけかかるのだろう。もっとも、私も歴史関係については素人なので、どう考えてもおかしいという点以外は触れないつもり。それでもスゴイところはいっぱいあるのだが…。

 最後に、今回の対談(その1)の小見出しだけを掲げておこう。
人類の運命転換の使命を持つ民族
歴史的に肉食を禁じていた国
武装解除で平和を守るDNA
水は地球外から到来した
水の研究は現代科学を転倒する
…スゴイですね。小見出しを引っ張るのに一瞬目に入った本文にもスゴイキーワードが散りばめられているのですが、それはまあおいおい、ということで。

ちなみにこの対談の次のページは七田眞の宣伝です。「『右脳開発』を年間購読して楽しく、すばやく、右脳習慣を!」だって。年間購読すると、今ならもれなく「運を呼び込む右脳開運術」<七田眞の吹き込みCD>がプレゼントされるそうです。うーむ。(^^;;
 この手の雑誌は広告もまた読み応えがあって大変面白いのだが、ウェブに載せるには、一人じゃ手が回らんですな。(^^;;

 あ、よく考えたら「Hado」が何物か書いてなかった。これは株式会社IHM(江本勝の会社、水伝もここから発行)の月刊誌。定価680円です。「世界の水に愛と感謝を! Hado Life Magazine "Love and Thanks"」だそうです。