ポール・モーリアさんにもらったもの | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

作曲家・指揮者のポール・モーリアさんが亡くなった。

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手品のBGMで有名な「オリーブの首飾り」。そのほかに「エーゲ海の真珠」「涙のトッカータ」「恋はみずいろ」と非常にわかりやすい、素直にいい曲と思える曲をたくさん書いている。少し聞き飽きた感はあるけど、あらためて聞くと本当にいいのだ。(数年前ベスト盤を買った)、彼の死は、世界的なニュースになるだろう。


私は、外国で生まれて、3つのときに日本にきた。生まれた国はパラグアイといい、およそ文明的なものは何も無い国で、TVもラジオもなかった。もちろん、日本に来た昭和40年代後半も似たようなもので、レコードで音楽を聴くことなど無関係の生活であった。年齢も低かったし。

それでも、その頃、街で流れていたか、TVで流れていたのか、心に残る、好きな曲があり、その曲がなんであるかは知らなかったが、忘れないように、忘れないようにと、一生懸命、そのメロディーが消えてしまわないように、繰り返し、頭のなかで流していた曲がある。小学校の3年生か、4年生か、5年生の頃、その曲が、ポールモーリアの「恋はみずいろ」であることを知り、ほっとしたことを覚えている。その後、初めて、シングルレコードを買ってもらった3枚のうち1枚が、このポールモーリアだった。(曲は「涙のトッカータ」だった)


以前、小さいお子さんを持っているお母さんと話しをしているとき、その子どもをおとなしくさせるために、「アンパンマン」のビデオを見せていた。いつも見ているせいか、その子はあんまり集中して見てはいなかった。僕たちが、小さい頃は、ビデオと言うものは無く、今、目の前でやっている「仮面ライダー」も、「ウルトラマン」も、今日、これ限りしかなく、これを見逃すと二度と見れない!そういう悲壮な思いで、一生懸命見ていたけど、今の子は、ビデオでいつでも見れる。インターネットのオンデマンドTVなんかは、見逃しても、いつでも好きなときに見ることが出来る。

いつでも見れて、見逃しても大丈夫と言うことになったら、真剣に見るだろうか?さっきの子どもがいい例で、そういう子には集中力は、身につかないかもしれない。今でも、ビデオに撮ったドラマ、真剣に見なかったりする。


4歳くらいのときにどこかで聞いた「恋はみずいろ」のメロディーを、忘れないようにずっと覚えておく、この記憶にとどめておくと言う能力、これはポールもーリアさんが私にくれたものかもしれない。大音楽家にはなれなかったし、この記憶力を生かし、東大に入ることも、クイズ王になることも無かったけど、忘れてはいけないもの、失ってはいけないものが人生にはあるということを教えてくれていたのかもしれない。


ご冥福をお祈りしています。天国の精霊たちは、やっと、大きな才能が天国にやってきたとを喜んでいるかも。