日曜日の夕方、NHKで海外のニュースを元に世界でどんなことが話題になっているのかをレポートする番組がある。私が、子どもの頃は「海外ウィークリー」という名で、同じような番組をしていた。幸田シャーミンさんや野中ともよさんが案内役だった。
先日の番組の中で、来年のフランス大統領選、シラク大統領の後継者のニュースをしていた。社会党の大統領候補に急遽名乗りをあげ、人気を集めているのが、マリー・セゴレーヌ・ロワイヤル氏。女性である。
38歳のときに入閣して以来、環境問題や社会問題によく発言し、教育相、家庭・児童担当相を歴任している。外交や財務といった主要な分野をやってきているわけではないのだが、今、52歳、フランス初めての女性大統領かと話題をあつめている。画面で見る限り、物怖じしない、落ち着いた冷静な感じの女性で、タフさも感じる。政策立案等に不安もあるようですが。
ただ、こういう人がいること、全然知らなかった。それが少し寂しい。いつの間にか仕事におわれる毎日で、世の中のこと、世界のことに無関心な自分がいて、そうなってはいけないと常々思っていたのだが、時々こんなことがきっかけで、勉強不足を痛感させられる。(そういえば、べネゼエラに、おもろいおっさん大統領チャべスさんがいるのを知ったときにもそう感じた。)
と、反省して、以前、同じような思いで、買ってそのままにしていた本を引っ張り出す。
『現代アメリカのキーワード』 矢口祐人 吉原真里 中公新書
アメリカ国民は伝統的に、国内問題に関心が強く、国外には無関心といわれている。ちょっとした事件が社会的な潮流になっていいく。○○シンドロームとか○○現象とか、いった流行や社会運動的なものがいつの間にか出来上がっている。今アメリカで何が起きているか、どんな人が注目されているか、どんな社会問題がるかを知る面白い一冊がこれ。
キーワードは81個
ジョン・アダムス
アラスカ油田開発
アヴェニューQ・・・・・・・・・・・・・・・・・・大人版セサミストリートだって!見てみたい
ダニエル・バレンボイム
選挙資金規制法
キリスト教右派
ドクター・フィル
フィリバスター
ゲイティッド・コミュニティ・・・・・・・・・・この言葉は、ネットで検索ししてみて、結構ショック!
健康維持機構・・・・・・・・・・・・・・・・・・戦争よりもアメリカ人を死に至らしめるもの、もう一つの国防省
T・D・ジェークス
カトリーナと連邦緊急事態管理庁・・・・危機管理、う~ん、日本がもっとも学ばなくてはいけないところ
マキラドーラ
どの子も置き去りにしない法・・・・・・日本の教育改革もまねをするかな
ペル奨学金
ポーカー
刑務所産業複合体・・・・・・・・・日本でも刑務所が民間委託されているのは、ここを見習ったのかも
リアリティ番組
スローフードムーブメント
ES細胞研究をめぐる論争
マーサ・スチュワート・・・・・・・カリスマ主婦代表というより、主婦業をビジネスに変えた!
ローレンス・サマーズ
ヤッカ・マウンテン
興味あるキーワードをいくつか拾ってみた。「ゲイティッド・コミュニティ」「どの子も置き去りにしない法」「ペル奨学金」なんかは知らなかったし、とても考えさせられる内容だった。写真も豊富で、興味ある内容から読んでいけばいいので、是非、アメリカで、今、何が起きているのかを知りたい人は購入してみてはどうでしょうか?
世の中、ITの発達で、情報が氾濫している。そういったことに、少々うんざり気味で、自分の好きなこと、耳ざわりのいい情報だけ接していると、養老先生の言う「バカの壁」状態になってしまう。こういう時代だからこそ、世の中の動きを見失ってはいけないし、また、目をそらしてもいけないと思っている。