来るべき災い。母神・比売神の怒り ~ 春日大社 若宮おん祭りの起源(2) | 奈良ふしぎ歴史徹底攻略! 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ

来るべき災い。母神・比売神の怒り ~ 春日大社 若宮おん祭りの起源(2)

長保五年(1003)。

春日大社の第四殿に出でた蛇。
比売神(ひめがみ)の御子神(若宮)として、母神と供に第四殿で祀られていました。

しかし―

その数十年たった有る日のことです。
「うわーん!うわーん!」
いずこから迷い入ったのか、一人の童女が第四殿の前で声をあげてないているではありませんか。
「こらこら。ここは神聖な場所だ。入ってきては・・・」
咎めにはいった神主は、はたと娘のただならぬ様子に気づきました。
娘は、きっと神主を睨みつけたのでした。
災いがくるぞ。
 なぜ御子を粗略に扱う。
 来る災いにそなえ、御子を丁重に祀るのだ。

神主は、返す言葉がでませんでした。
娘には第四殿の比売神がのりうつっていたのです。

よいな。
 御子は五所王子(ごしょのみこ:天押雲根命(あまのおしくもねのみこと))。
 来る災いをうちはらうであろう。

言い終えると、ふつっと縛から解き放たれたかのように娘は、その場に崩れた。

託宣をうけたことを聞いた神職一同は、慌てます。
これまで第四殿で相住まいとしていました。
神饌も一柱分ですませていました。
急ぎ、二殿と三殿の間に小さな仮の御殿を造って御祭りすることになったのでした。


そして・・・

保延元年 (1135)。
長年にわたる大雨洪水により飢饉が相次ぎ、世の中に疫病が蔓延しました。

闇に蠢くものたち。若宮遷宮 」へつづく。




この危機を、如何に乗り越えるか。
次回・・・

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春日大社 若宮おん祭りの起源
(1)若宮 天押雲根命の誕生
(2)来るべき災い。母神・比売神の怒り
(3)闇に蠢くものたち。若宮遷宮