17の夜 ―1―  ~奈良 都祁紀行・題目立(2) | 奈良ふしぎ歴史徹底攻略! 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ

17の夜 ―1―  ~奈良 都祁紀行・題目立(2)

前回 のつづきです。

2009年10月12日。

晴天。日差しが強く、やや暑い。

近鉄奈良駅付近で、奈良県立大学生の奈良逍遥 さんたちと待ち合わせていました。
三連休の最期の日。「鹿の角きり」もあってか観光客が多い。
ごった返す中を後にして、都祁地区へと向かいます。
18時。既に日は落ちています。
18時半。上深川町は八柱( やばしら ) 神社を訪れます。

真っ暗です。
シン冷え込む空気の中、空は澄んだ黒で星がきれいでした。
近鉄奈良駅から車でわずか30分。
同じ奈良市内の都祁地区ですが、まったく都会から田舎へ様相がかわります。

八柱神社はこじんまりとした神社です。
奈良逍遥さんがはじめて何もない日に訪れて、その質素な姿にガックリとしたとか。

ですが、この日は違いますね。
八柱神社では神事芸能「題目立(だいもくたて)」が奉納されます。
題目立は室町時代末期に始まったとされています。
とり行うのは、村の長男で17歳になった少年たちです。

10月2日に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に無形文化遺産として登録されました。
村の伝統事であり、また無形文化遺産として登録され、世界に注目される一夜です。
彼らの心境は、いかなるものか測り知れませんね。


題目立は、源平を題材とした「厳島」「大仏供養」「石橋山」などの演目を、出演者が登場人物毎の台詞を、独特の抑揚をつけて語ります。
今夜は平家一門を題材とした「厳島」でした。

八柱神社は提灯を飾られ闇夜の中に、幽玄な姿を浮かべていました。


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うってかわって社務所前の広場では活気に満ちていました。
今夜は例年と異なり、これまで縁のない観光客も大勢おしかけていたそうです。
それにも増して勢いを感じたのは地元の人たちのもてなしです。
赤い頭巾をしたおばさんたちが、底冷えの中、訪れた人たちにお汁粉をふるまっていました。


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私もご相伴あずかりました。
暖かいお汁粉は、おいしいです。
いや、寒いと聞いていなかったので、シャツ2枚の軽装ですよ。
デブでなければ凍死してましたよ。
(((゜д゜;)))

奈良逍遥さんの後輩さんたち、
「こんなに寒いのきいてないー」とブルブル震えながら非難の声をあげます。
「いや、スズランが咲く地域だといったろ!わかるだろ!?」
と新潟生まれの奈良逍遥さんが反論します。
スズラン・・・季語なのかな?


この地区では、昔から集落同士での婚姻が盛んで、ちょっとした催事になると、親戚同士の集まりのようになってしまうそうです。
同行していただいたNPO都祁の方も、ゆく道々知人とはち合わせとなり、その度に再会の歓喜の声をあげていました。

一方、社務所の中では・・・

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今夜の主人公たちが、控えていました。


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そして、19時。
題目立の始まりです。



つづきます。



あなたにはアナタの歴史がある。
奈良歴史ミステリーハンター☆鈴木でした。




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