「フランスの子どもは夜泣きをしない」 | jasmin jasmin 女医の子育て。

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ほぼ毎日、描いているマンガなどです。

最近読んでとっても面白かったので、ご紹介します。

フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密/集英社

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よく「欧米では~」などと言いますが、イギリス・アメリカと
フランスはぜんぜん違うところがあるようですよ、っていうか
別の国ですから当然なんですが、日本人は一緒にしがち
じゃないですか。だけど特に子育てに関して、
その哲学とかやり方が大いに違うようです。

英米と仏が違うとわかっただけでも私には面白かったし、日本の
多くのお母さんが(場合によりお父さんも)困る、夜泣きを
なんとかできるかもしれないヒントがありました。




まず、ワーキングマザーであるアメリカ人の著者パメラさん
が、書いたこの文章はどこかの国の事情に似ていませんか?

英米人の女性は、あれこれと心配し、妊娠中からすでに自分を
犠牲にすることで、母になる覚悟を示すが一般的だ。しかし、
母になるフランス人女性は、おだやかな雰囲気をかもしだし、
楽しみを捨てないことを誇示している。p.33


(´・∀・`)ヘー、英米人もフランス寄りかと思ってたよ。
某東洋の島国は、本人も周囲も妊娠すると女性が自分を犠牲にする
ものだと思っていますね。そのため、そんな大変な育児なんて
できないと女性に思わせ、出生率をより引き下げているものと
思われます。
文化の違いですからいい悪いじゃないんですけれど少子化
対策をしなきゃいけない国は、母になる女性を追い詰めて
いる場合ではありませんね。


欧米か!と言っている猫

妊娠七ヶ月の理学療法士である近所のキャロラインは、担当医
からの食事制限が一切なく、自分からもたずねなかったそうだ。
「知らないほうがいいわよ!」とキャロラインは言う。
タルタルステーキを食べ、クリスマスにはもちろん家族と
いっしょにフォアグラを食べた。ただし、きちんとした
レストランを選ぶか、家で食事をした。ひとつだけ気をつけた
のは、加熱処理をしていないチーズを食べるときに、ふちを
切り落とすことだ。p.36


豪快ですね。でも、本当にポイントさえ押さえて
あとは楽しく育児しましょうという拙著のコンセプトと
そっくりだわと思いました。

妊娠中の女性が加熱処理していないチーズを食べてはいけないのは、
リステリア菌感染症の恐れがあるからです。日本では製法上問題ない
ようですが妊娠中に輸入物のナチュラルチーズはやめておきましょう。





そして一番知りたい夜泣きはどうしたら、しないで朝まで
眠ってくれるかっていう方法ですけれど、

ちょっと待つ

だけだそうです。第三章まるまる使って説明があるんですけれど
初めフランス人自身にもどう説明したらいいのかはわからなかった
らしく、パメラさんが各方面に聞いて回って得た方法がこれ。
生後2ヶ月までに覚えるんだそうです。クライング・
コントロールという泣きやむまで泣かせておく方法とは別物です。
逆にフランス人がちょっとまっている間は、放っておくのではなく
むしろ注意深く子どもを観察しているんだそう。

赤ちゃんは眠っているときに、眼球を動かしたり、雑音を立てたり、
指を吸ったり、わずかにからだを動かしたりします。でも、
実際には眠っているのです。だから、しょっちゅう手を出して、
邪魔をしてはいけません。赤ちゃんの眠り方を、親も学ぶ
必要があります。p.63


これは睡眠博士であるエレーヌ・ド・ルーフスニデール
という小児科医の話だそうです。なるほどねー。

この方法を詳しく知りたい方はぜひ、本書を読んでみてください。

私の経験ですが、ある外国人の両親が赤ちゃんを布団に置けない
と一ヶ月健診で言ってました。2人とも寝不足でフラフラでした。
少しでも抱っこをやめようと布団に置くと赤ちゃんが泣くので、
24時間夫婦で交代で抱っこしていたそうです。一ヶ月健診が
終わったら出身国に連れて帰って赤ちゃんだけ留まり、
おばあちゃんに育ててもらうと言ってました。あれは、誤った
睡眠習慣を身につけさせてしまったのだなと思い出しました。




他にも英米人は子どもが挨拶をしなくても大目に見るらしい
のですが、フランスでは話せるようになったら必須!という
話が載っていました。大人に対して、「こんにちは」
「ありがとう」「さようなら」は絶対に言わせるらしいです。
私も賛成です。

それから本書は原題が「フランスの子どもは食べ物を投げない」
って言うんです。


French Children Don’t Throw Food/Black Swan

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面白いですね。英米では夜泣きよりもこっちの方が問題?
日本人が夜泣きに敏感過ぎる?と思いました。
小さい子どもがテーブルにきちんと座ってコース料理を
食べるという話が出てきて、もっと早くに
読みたかった(σ`・д・)σYO!!




他にもフランス流の育児法、育児哲学が満載で、日本でも
取り入れられそうなところがたくさんあります。
なにも、おフランスがステキという訳ではないですが、
子どもと親と社会が楽しく楽に子育てする方法は
取り入れたいですね。




フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密/集英社

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とにかくアップお薦め。







これを読んで読んでから「健診で夜泣きが・・・」って言うお母さんに
薦めてます。でも、生後1-2ヶ月の最初が肝心なのかなあ?