Z・ONEで遊んでみた | バーチャルコンソールクエスト

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ゆるゆるゲームブログ

ジェンタープライズが『200ポイントでゲームらしいゲームを』をコンセプトに
DSiウェアで展開しているG.G.シリーズ。
最初の2作はパズルゲームでしたがどちらもよく出来てて面白かったので
このシリーズはちょっと追っかけてみよう。

ということで、先週配信された3&4弾のシューティングの中から
まずはZ・ONEをお送りします。
それでは


Z・ONEは横スクロールシューティングであります。

アーケードではグラディウス、R-TYPE、ダライアス等の名作を生み出し
家庭用に於いてはテレビの画面比率が横シュー向きということもあって
サンダーフォースシリーズから超兄貴のようなイロモノまで
数多くのタイトルを輩出した横スクロールシューティングですが
最近はめっきり見かけなくなりましたね。
シューティングゲームというジャンル自体の衰退もありますが
横シューの場合これに加え横スクロールアクションとも競合する部分がありまして
アクションは多彩な進化を遂げてコンスタントに良作を輩出していますけど
横シューはうまく進化の波に乗ることが出来なかったのか後に続く作品が出なくなり
今や絶滅危惧種といっていい状況であります。
萌えに訴えたオトメディウスや
弾幕横シューという形で光を見出したデススマイルズ(これも萌えか)なんかもありますけど
やっぱ厳しい状況には変わりないですなあ。

そんな中、G.Gシリーズで横シューを出すという。
80年代前半、コナミのスクランブル辺りからずっと横シューに親しんできた僕としては
これはなんとしても遊んでおかなきゃ、と思い配信日に速攻DLした次第であります。


操作は十字キーでの移動+ショットのみという非常にシンプルな作り。
自機の前方に二つのポッドがついてまして
方向キーで入力した方向とは反対側にショットを8方向に撃ち分ける事が可能で
方向調節したのちショットボタン押しっぱなしで向きを固定して撃ち続ける事が出来ます。
ポットは敵弾を防ぐバリアとしての役割もあるのか、ふむふむ。

操作は分かった。
つーか遊べば分かる、多分。
ので、マニュアル斜め読みして早速プレイ開始…


レベル1クリア。


唖然とする。
敵は…
固定砲台のみ。
編隊組んで飛んでくるやつもいなければ
ステージボスなんかもなし。
ぽつぽつ現れる固定砲台を破壊して、デコボコした地形を避けるのみで終了。


なんじゃこりゃ。

やっちまったか。
地雷踏んでしまったか。
パワーアップもなんにもない、地味すぎるにもほどがあるレベル1。
さ、先が思いやられるが買っちまったものは仕方ない。
もうしばらくお付き合いしよう。

レベル2、高速スクロールステージ。
久々に激突死。
そして激突死。
ゲームオーバー。
普通シューティングと言えば残機3がデフォではなかろうかと思いますがこいつは2。
なもんで凡ミス1回で背水の陣。
恐るべしZ・ONE。

気を取り直してレベル3到達、道中は1の延長線上、ちょっと攻撃に厚みが出てきたか。
ステージ終わりで一旦スクロールが止まり、カウントダウン開始。
稼げとばかりに時間一杯固定砲台が湧いて出たので稼がせてもらう。

レベル4、道中は徐々に嫌らしくなってくるもまだまだ余裕。
そしてまたステージ終わりで止まってカウントダウン。
今度は入組んだ地形に配置してある砲台を時間内に破壊せよとのお達し。
八方向に上手く撃ち分けて対処せれということですね、分かります。

レベル5、再び高速スクロール。
ここでも激突死。
デフォは2機ですがエクステンドのハードルが低めでちょっと安心。
また昔の横シューのような復活ポイント制ではなく
その場復活制なんで高速スクロール面なんかはゴリ押し可能。
でもゴリ押しできるほどのテンポでは増えんけどねw
上手い人は初見でも余裕と思いますがぼく下手だからなあ。
まだ自機の当たり判定をきちんと把握してないのが主な原因。
ギリギリ抜けると思ったらぶつかってます。
まあ、ここは修行あるのみ。

レベル6、道中抜けると、やっとボスらしい硬いコア登場。
破壊してクリア。
そしてレベル7、8、9とゲームは続く。
僕はレベル21まで到達しましたが一体どこまであるんだろう?



こんな感じで、凡ミスしたり地形に激突しながら一通りのパターン体験してみた訳ですが…



めちゃくちゃ面白いやないかい


ステージ1があまりにもさっぱりしすぎて唖然としましたが
ステージレベルが上がるごとにきちんと面白くなってきます。
なんなんでしょう、これは。
なんなんだろうなあ、これは。
とりあえずひとつ言える事があります。


これ作った人はすごいわ。


今日日ゲームっつったら足し算かけ算割り算の世界ですよ。
足したりかけたり割ったりしながら、いかに豪華に見せるか。
そこに注力するものばかりだというのにZ・ONEは

横スクロールシューティングとは何ぞや?

と自らに問いかけ、真摯に向き合った結果、余計な飾りを一切排し、
横スクロールシューティングが持つ面白さのみを抽出してゲームにしてしまったようです。
言うならば引き算のゲーム作り。
グラディウスやR-TYPEが持っていた面白さのエッセンスの中から
見た目や派手さではない、本質的な部分のみを抽出しました、という感じ。
パワーアップもなく、敵も固定砲台のみという割り切りよう。
しかしながら、地形を暗記し、敵の位置を暗記して的確に処理するという
横シューの醍醐味を存分に味わう事ができます。
ミスしまくって思い出した。
高速スクロールで、地形に挟まれる恐怖とそれを紙一重でパスしていく快感。
8方向に動かせるショットを駆使して
安全且つ効率のよい撃破パターンを見出す喜び。
展開が単調にならぬよう特徴的な4種のバリエーションを用意して
ローテーションで次々にプレイヤーの前へ投下。
各ステージ短くも長くもないほどよいボリュームで非常にテンポ良く
わんこそばでも食べるよなリズムでシューティングをクリアしていくという今までにない面白さ。
そして6ステージごとに巨大コアステージを用意して
目標を破壊する喜びもきちんと味わわせてくれると言う。

唖然とした固定砲台にも、1撃では破壊できない堅めの連射タイプに
ポッドでも防げない貫通レーザー撃ってくるやつなど
バリエーションが増えてきて
こいつらが複合で配置されてるステージなんかおおごと。
スカスカとかいってゴメンナサイ、もうゆるして。
と、固定砲台だけで涙目な情況が次々に訪れまして
やりごたえも十二分にあります。

あと、全体的に地味なグラフィックなんですけど
多重クロールする背景がかなりいいです。
なんというか、郷愁を誘いますwww
メガドラのシューティングとかで多重スクロールやラスタスクロールする様を見て
おぉ、すげえなあ、と驚いてた頃を思い出した。
こういう、ちょっとしたところもよく出来てます。
これは横シュー好きじゃなきゃ作れんなw


いやいやほんとにびっくりした。
ようここまで面白さを突き詰めたよ。
横シューティングという素材が持つよさを際立たせた
横シューづくしの贅沢な一品であります。

ただ、それゆえに、横スクロールシューティングの魅力をぎゅっと突き詰めただけに
横スクロールシューティングが持つデメリットも際立ってしまうことになります。
意外とアドリブで切り抜けることが出来ちゃう縦スクロールシューティングと違い
横スクロールシューティングは常に正確無比な操作を要求されます。
ゆえに難易度が高いです。
パワーアップの楽しさとか見るものを圧倒する敵とかもなく
純粋に横スクロールシューティングを攻略する楽しさのみを突き詰めた作品なので
かなり人を選ぶと思います。
丁度DSiウェアではジャンプアクションが持つ面白さの一面を突き詰めたマゾゲー
ノロイノゲエムが配信中でありますがあれに近いかもしんない。
あそこまでマゾ仕様ではなく、ちゃんと横シューの楽しさを感じられるようにはなってますが
レベル10を超えてくると凡人には厳しい情況の連続です。


それでも、80年代~90年代前半のアーケードやPCエンジン・メガドラなどで登場した
シューティングに熱中してた方はもちろんのこと
それ以外の、今の弾幕シューしか知らない世代にも是非とも遊んで頂きたい。
スコアアタックする楽しさ、間口の広さなんかを考えると
あぁ無情刹那の方が今風でオススメだなあ、と思ったりもしましたが
このストイックさもシューティングが持つ魅力のひとつ。
たったこれだけの要素でもゲームはこんなに面白く出来る。
という部分を是非見て欲しいなあ。
ゲームで食っていきたいという人なんかも是非。
シューティングの面白さを理解すると言う意味で、これは非常にいいお手本だと思います。
ここをきっかけに、横シューの新たなる地平を切り開いてくれるような人が出てくるといいなあ。

僕らの世代はこの横シューの魅力を味わうために
筐体に50円玉ゴボゴボ飲ませてましたが
Z・ONEはわずか200円で遊び放題です。
こんなに安い買い物は無いと思います。
ジュース1本我慢してでも是非。
横シューターとしての才能が開花するかもしれませんよw