エクセリオンで遊んでみた(レビュー53) | バーチャルコンソールクエスト

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不定期でお送りしておりますバーチャルコンソールレビュー。
53回目の今回はファミコンのエクセリオンをお送りします。
それでは


エクセリオンはジャレコが1983年10月にアーケードで発売した
シューティングゲームです。


さてさてどう説明しましょうか。
古い作品なんで簡単にやっちゃえと思ったけどけっこう難しいぞ、これは。
エクセリオンはですね、そうだなあ。
背景が全方位にスクロールする画面固定型シューティング、とでもいいましょうか。
全方位スクロールといえばナムコのボスコニアンや
コナミのタイムパイロットがありますが
あれは自機が常に中心にいて移動してる感じがするので
彼らは全方位スクロールシューティングです、と言えるのですが
エクセリオンの自機はモニタの四角の中に動きが制限されてるので
やはりこれは画面固定型のシューティングだろうなと思います。
ただ、ただ、背景は自機の動きに合わせてぐるんぐるんスクロールします。
自機が画面の下に向かうと地平が見えてくるのです。
そして上に行くと見えなくなる。
四角い画面の中に動きが制約されてるにも関わらず
背景がスクロールすることによってどこまでも続く空を見事に表現しています。

空の広さとともに特徴的なのが自機の動きと攻撃方法。
先に攻撃からいきましょうか。
エクセリオンは2種類のショットが装備されてます。
連射可能なシングルショット(2ボタン)
連射不可ですが一度に2発撃てるデュアルショット(1ボタン)
シングルショットは残弾制で敵を撃ち漏らすと弾が減っていきます。
連射力抜群なので調子乗ってるとあっという間に弾切れ。
そこで重要になってくるのがデュアルショット。
デュアルショットは弾数無制限の上、敵に命中するとシングルショットの残弾が増えます。
じゃあデュアルショットばかり撃ってればいいじゃん、となりそうですが
エクセリオンはミス無しで敵を落し続けると敵1機当りのスコアが高くなるシステムでして
撃ち漏らさないことがハイスコアの鍵。
しかしデュアルショットのみで落し続けるのは至難の業。
また、敵には数発当てないと落せない堅い奴もいますので
ここではシングルショットの連射が有効だったりしますし
状況に応じて撃ち分ける事が必要ですね。

攻撃の次は移動。
十字キーで八方向に画面全体を移動する事が可能。
画面固定シューティングでは画面下で左右にいったりきたりするものが
多かったのでこれは相当に珍しかった。
そして昔のゲームというのはプレイヤーの操作に合わせて
右に左にキビキビと動くのが当たり前でしたが
エクセリオンはなんと移動方向へ慣性の法則が働きます。
右に行ってた自機を左に動かそうとしても
急に左には行けねえよといいやがるわけです。
キビキビプレイしか知らない当時のチビッコは
思うように動かせない、難しい、だめじゃんこれ、と思った、かもしれませんね。
しかしながら、制作者が敢えてそうしてる以上、
それを使いこなすのがゲーマーの礼儀であります。
ということで、慣性の法則を頭に入れながら十字キーを動かし
なんとか操作を自分のものにしようといきます。
こう急に反転しようとするではなく、円を描く感じで動かせば…
敵の動きも予測して、先回りしながら動かして…


うん、気持ちいい。

全方位スクロールする背景と慣性が働く自機の相乗効果でしょうか。
大空を飛んでいる浮遊感を感じるのです。
一筋縄では操作出来ない自機でありますが
この不自由さは、非常に計算された不自由さでありまして
そこを理解した上で自由に動かせるようになった時の気持ちよさは
なんとも言えないものがあります。

以上の操作で上空から飛来する敵編隊を撃破。
同種の敵3セットで違う種類の敵が変ります。
4種の敵やりすごすとボーナスステージ。
画面固定シューティングのボーナスステージはギャラガ以降のお約束ですな。
エクセリオンもさすがにボーナスステージだけはシングルショット撃ち放題でして
しかも撃墜数に応じてショットチャージ。
40機パーフェクトだと60発チャージされます。


ファミコンへは85年2月に移植されました。
昔からシューティングは縦画面仕様のものが多く
エクセリオンもオリジナルは縦画面でした。
なので横に広がったテレビではどうしても完全移植とはいきません。
アーケードでは大迫力で登場した堅い敵さんなんかも
ファミコンでは自機の倍程度のサイズで登場。
なので迫力は大分削がれてしまいました。
あと表示色の影響か地平の色が少々どぎつい面がありまして
敵の弾も見にくくちょっと目が痛かったりして残念。
しかしあの独特の浮遊感は健在であります。

画面固定シューティングでありながら
敵機の動きを予測し、残弾を確認しながら次々撃墜していく楽しさは
エースコンバットに通ずるものがあります。
ちょっとクセのある操作感、制約のある攻撃システムと
プレイヤーに不自由を強いるゲームデザインですが
すべてはドッグファイトを表現する為に考えられたシステム。
1983年時点でこのゲームデザインはすごいなあ。
プレイヤーに不自由を強いるゲームデザインゆえ
誤解を受けてる可能性も大いにありますが
今改めて遊んでみるとこの発想力と技術力は賞賛に値すると思います。


とはいえ、やっぱり好き嫌いは分かれるだろうなあ。
僕も万人にはお勧めしかねるところがあります。
やはりストレスなく操作出来る方がいいですもんね。
今でもクセのある、独特の操作感を持つゲームはあります。
こういうゲームは得てして入り口で損しがちであります。
ですがこれやりにくいなあ、と感じた時にひと呼吸いれて考えてみましょう。
ほんとにチューニングが悪くてダメダメな操作感なのか。
意図的にそうしているのか。
同じ投げ出すでもそのゲームに対する印象は全然違うと思いますから。
エクセリオンが肌に合わない人もいるでしょうけど
決してクソゲーだとは言わないで下さいね。
これはそういうゲームなのです。
大空に舞う事を夢見て作られたシューティングであります。
人を選んでしまうことは仕方がないなあ、と思いますが
出来れば一度、このクセのある操作試してもらいたい。
慣れればけっこうクセになりますよ。




エクセリオン(ジャレコ)
ファミコンソフト:2007年5月1日配信開始
DLに必要なニンテンドーポイント:500


僕のおすすめ度  60%