代車の使用相当期間を巡る熾烈な争い | 福岡若手弁護士のblog

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2010/3/24東京地裁自保ジ

1834号72頁の事案です。

 判決内容そのものは

スタンダードなものですが、

事案そのものが非常に

こじれており、こんな案件を

1つでも抱えてしまったら、

物損アジャスターや修理

工場は大変な労苦を負う

ことになるなと思いました車

物損事故というのは日常

頻繁に起こるものですが、

やはり事案ごとに個性が

あるんだなあと痛感車

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2008/1/23

 Y所有(Y運転)車両と

B運転車両が事故になる。

過失はおそらくB100%

Bが付保する損保はA。

2008/1/25

 YはX業者にY車両の

修理を依頼。X業者は

Yに代車を賃貸する。

2008/2/中旬

 X業者がYにY車両の

修理が完了したので

引き取るように通知。

2008/2/下旬

 X業者がYに代車の

賃貸期間を3月2日までと

することを通知。

2008/3/10

 YがY車両の補修具合を

確認したところ、補修が

不十分であった(ちなみに

判決では補修未了はなしと

認定されています)。

 X業者は、根拠のない

申出と思いつつ、トラブルを

避けようとサービスとしての

修理を了解した。

2008/5/26

 X業者の弁護士とYが

代車返却の交渉をするも

まとまらず。

2008/6/上旬

 YがY車両の補修具合を

確認したところ、新たな

キズができていた(ちなみに

判決ではX業者に責任は

ないと認定されています)。

 X業者は、またも根拠のない

申出と思いつつ、トラブルを

避けようとサービスとしての

修理を了解した。

2008/8/上旬

 X業者が代車の引渡断行

仮処分を申し立てる。

2008/8/22

 X業者がYから仮処分

命令の執行により、代車を

引き上げる。

2009/5/26

 X業者にAから修理代が

支払われる。同日、Yに

X業者がY車両を返還。

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X業者はYに3月3日から

8月22日までの代車料金

154万円を請求する

訴えを起こしました。

 これを受けてYはBに、

「BがX業者に修理代金の

支払を2009/5/26まで

停めていたことが不法

行為になる。Y車両を

X業者から返却してもらう

ことが妨害されたので、

自分が支払わざるを

えなくなりそうな、X業者の

請求している代車費用

相当額や代車が引き上げ

られたことで営業損害が

発生した」と訴えました。

むろんX業者も二者択一の

関係で被告にしてます。

 X業者からすると「自分に

何の非もないのに、弁護士

費用も手間もたんまり

かかってタマラン透け」という

案件ではないでしょうか。

興味がある人は判決を

読んでもらいたいですが、

世の中にはいろんな人が

いますが、司法は粛々と

正義や公平に合致する

判決を出してくれるもので

あると読める箇所が

救いな感じの判決です。

ろぼっと軽ジK