無職の多重債務者を量産した三振ルール | 福岡若手弁護士のblog

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福岡県弁護士会HP委員会所属の弁護士4名によるBLOG
(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

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フリージャーナリスト丸尾健太郎氏に

よって2010/9/30週刊新潮に

記事が掲載されました本

皆藤隆さん(34歳・実名)は

5年前に証券会社を辞めて

既習コースで私立ロースクールに

入学したものの、貯金600

万円は底を尽き、しかも

三振となり、今は無職です。

「自分は国に騙された国家

ぐるみの詐欺の被害者だと

ハッキリ思っています。」

「当初言われていた7割の

合格ラインの枠には自分は

入っています。騙されたと

声を上げる権利があると

思います。レベルの低下を

今の合格者が3000人よりも

大幅に少ない理由として

あげていますが、何をか

いわんやです。合格者を

大幅に増やすのですから

平均のレベルが下がるのは

当たり前じゃないですか」

 片岡誠也さん(30代後半、

仮名)は、旧試験で8回連続

不合格になった後、400万円を

捻出し、都内の私立ロースクールに

入学。前職は法律事務所職員。

 しかし、法科大学院の授業は

文科省の方針で受験指導が禁止

されているため、司法試験には

役立たなかった。その代わり

あえてアカデミックな法学指導が

行われているため、結局、

予備校だけが頼りだった学校

「法科大学院は強いて言うなら

金持と貧乏人を選別するために

あるのかも。旧試験では中卒でも

受験できたのに、新試験では

大学院を卒業していなければ

受験資格が得られません。

そのために数百万円の学費が

必要です。私は旧試験のまま

だったら、仕事を辞めずとも

借金を背負わずとも済んだ

貧乏人は人生を棒に振る

覚悟がなければ大学院に

入るなということでしょうか。」

片岡氏は三振で貯金も将来の

展望も全て失い、残ったのは

奨学金として借りた230万円の

借金だけである。

30歳を過ぎてサラリーマンを

辞め今年三振した山浦武昌

さん(仮名)は3年の未修

コースの学費など400万円と

生活費600万円を全て借金で

賄っている。授業料は法科

大学院から支払猶予を受け、

生活費は奨学金の貸与で

賄ったものの、足りずに最後の

1年間は親族からの援助で

暮らしていた。より悲惨である。

「いたずらに齢を重ね、莫大な

借金だけが残りました。政府が

鳴り物入りで始めた法科

大学院の趣旨に賛同して、

異分野から飛び込んだ私には

この上ない失望。同じ時間と

金を他のことに使えばもっと

有意義な人生を送れたのでは

ないかと、後悔に苛まれる

日日です」お金

法科大学院を終了して法務博士の

称号を携えて、企業の法務部に

雇用を申し入れても、履歴書に

そう記載することは新試験に合格

できなかったことを自ら露呈する

ことになる。企業の法務担当が

わざわざ不合格者を雇う可能性は

少ないはずである。

 現在、文科省は法科大学院の

入学試験を厳しくし人数の削減を

進めているため、合格率は幾分

なりとも改善される見通しだ。

 しかし、新試験ができて数年間、

実態が固まらぬ時期に仕事を辞め、

三振の憂き目に遭った元社会人に

ついては蚊帳の外に置かれたままだ。

 その多くは30歳を超え再就職先も

なかなか見つからず、借金の返済も

ままならないのである。


 まだ大新聞では報道されていないが

ロースクール制度を開始したことにより

過剰債務者が生み出されていること、

しかも、自己責任に撞着すべきもの

ではなく、制度発足時点での欠陥に

国が目をつぶったことが明らかな

原因であること(現に韓国は隣に反面

教師の日本がいたとはいえ、制度

自体に破綻を招いていないのだから)、

日弁連は早急に急増する三振博士の

救済を図るために、バイパスの設置を

文科省などに働きかけるべきだと

思うし、その礎をわざわざジャーナリストが

記事にしてくれたと思うぞ本

ろぼっと軽ジK