京品ホテルで組合員が自主営業 | 福岡若手弁護士のblog

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http://mainichi.jp/photo/archive/news/2008/10/20/20081021k0000m040074000c.html?inb=yt

私は司法試験で労働法を選択

したが、ひさしく組合員による

実力行使に接したことがなく、

この機会に基本書を読み直して

知識を喚起してみることにした。

自主営業は、サービス業に

おける生産管理にほかならず、

当該行為の違法性は阻却

されない(山田鋼業事件ー

最判昭和25年11月15日)すみません

※生産管理を組合員の緊急避難

行為であるなどとみて、適法行為で

あると弁護する学説も少なくない。

従って労働組合はその学説に

即して自主営業もやむなしと判断

したのかもしれない。

自主営業による売上が使用者に

還元される制度的保障がなく、

争議権は自主営業の売上を

組合員に帰属させることまでを

適法化したものではないから、

私の頭のなかの枠組みでは

最高裁の結論に異論はない。

また、従業員であることの地位

保全の仮処分が仮に認容

されたとして、肝心の使用者が

営業継続を望まない以上、

その仮処分の意味は賃金

請求権の確保にすぎず、営業

継続を望まない使用者に

就労義務を甘受させること

までを義務づける効果は

ない。つまり、従業員の地位が

保全されることと、自主営業を

適法化することはパラレルでは

ない。

そもそも、そんなトラブルを

抱えたままの京品ホテルに

いくら歴史があるとはいえ、

好んで宿泊する客も決して

多くはなかろう。

従って、メディアの目を集める

意味はこの自主営業にあっても、

従業員が司法判断によって

救済される見込は低いと思う。

ろぼっと軽ジK