ラテアートとラテアート大会、練習会などに思う事
先日、コーヒーフェストラテアート大会2016大阪大会の決勝進出者40名を、スコアー・順位と共に発表しました。
おしくも決勝進出ならなかった残り162名(応募総数202名)の方にも、希望者には個別に合計点・順位をお知らせしております。
ここで、私 上野からお伝えいたしますが、米国コーヒーフェストでもスコアーを発表することはありません。 個別にお知らせすることもしておりません。
あくまでも、私個人で、業務以外の時間にしていることです。
ついでに言いますと、このコーヒーフェスト大阪大会(東京大会も)やその他の大会でのプロデュースや審査員など、プロとして誠心誠意務めていますが、それによって収入を得ることはしていません。
むしろ多くの出費を伴ってしております。
FBC社内では、私も社員も、これに掛かる作業はFBCの一業務として認めていません。
今回の大阪大会の発表後の諸々の件で、ずいぶんとラテアーティストのマナーと質が落ちてきたと感じ、私は大変に怒っています、不愉快です。
で、本日ブログを書くことにしました。
そもそも、私は、澤田洋史バリスタのシアトルにいたときの苦労や努力を知っている数少ない日本の一人として、澤田チャンプが出した結果、彼の人間性に感銘してから、この Free Pour ラテアーティストの素晴らしさをもっと日本の方にも知っていただきたい、後に続く素晴らしい日本やアジアのラテアーティストの地位を向上させたい、そういう理由から各種ラテアート大会を企画したり主催したりするようになりました。
同時に、よく耳にする 『 JBC 予選に参加するバリスタ、SCAJ 系のバリスタに比べて、Free Pour バリスタのラテは汚い・味が分かってない・作業が汚い、、、、、』 それらの偏見・誤解・アホさに対する個人的な怒りもあり Free Pour 大会の背中を押し続けてきました。
毎回の東京大会、大阪大会の審査員の皆様方も、通常の業務のかたわら、数百枚のエントリー写真を採点します。
皆さんも試しに一度数百枚の似たような写真を見て採点・順位付けしてみたら如何でしょうか。
真摯に、真剣にジャッジしようとすればするほど、何度も行ったり来たり写真を見直ししなければなりません。時間も大きく取られますが、それ以上に目と神経の疲れが大変です。
そうやって採点したスコアーは、予選1位の人も予選最下位の人も同じだけの時間と労力をかけて成されているわけです。
そのスコアーを41以下の皆様にお伝えするのは、少しでも今後の参考になれば審査員の皆様方の苦労も報われるからだろうと思うからです。
今日はハッキリと書かせてもらいます。
どうぞ審査員の皆様方に感謝の気持ちを持ってください。
当たり前のようにスコアーを教えろ なんて事を言うようでは人間として出来ていません。
そして、ラテアート大会について。
このコーヒーフェストラテアート大会でもプロのみ(もちろんバリスタとして働いているならアルバイトでも可)の大会であるべきと言う声は大きいです。
しかしながら、私はその美しさ・楽しさからアマチュアの方にも門戸を開き、オープンの大会とした方が、Free Pour ラテアーティストの認知度のアップ、バリスタの質の向上につながると思い、一貫してプロアマ問わない応募資格を主張してきました。
が、ここにきて、その想いを変えざるを得ないと考え始めています。
もう何度も何度も書いてきているので書きたくもありませんが、ラテアートはあくまでもお客様にお出しし、喜んで頂くのはもちろんの事、綺麗で美味しい事が最低限必要です。
コーヒーフェストラテアート大会で競うラテアートは、お客様からお金を頂けるモノ=プロが提供するものであることが必須です。
そして、これももう何度も書いてきていますが、ラテアートは技術者的な上手さ器用さを競う大会ではなく、アート・美しさを競う大会です。
最近のSNS等の情報を見ると、バリスタ側だけの技術の上達、技の取得などを得意になってアップしているのが目につきます。
特にアマチュアの人が。
セミナーなどプロが金を取って教えるので、技術だけ教えてどうする?
もっと基本の中の基本、飲み物、それも商品としての飲食料であるラテを教えないでどうする?
技術だけじゃなくて飲み物としてのラテを作る精神、それも最低限の精神・意識を教えないでどうする?
来年のコーヒーフェストラテアート大会東京大会の募集はまだ先ですが、今のままでラテアートの世界が進んでいくようなら、私を除く多くの主催者側の意見=プロだけの大会にならざるを得ません。
私も、反対する理由を持ちえません。
主催者日本食糧新聞社様、多くの協賛企業様、ボランティアスタッフ、仕事でもないのに多くの時間と労力を求められるFBC社員、
多くの皆様の支えがあって、大会が開催されることに、もう少し感謝の気持ちを持ったらどうだろう。 小手先だけの技術練習会に出ていないで。