夜中、たむろしていた若者の一人の頭が突如燃え上がり、次の瞬間大爆発が起き、、、これにより、その一人が死亡した。
だが、辺りに火の気はなく、何故燃えたのか捜査は行き詰る。


突然燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…


奇怪な事件の解明に乗り出した警視庁捜査一課の草薙俊平は、旧友である帝都大学理工学部の助教授の湯川に謎を解いてもらおうと、彼を訪ねる。


『探偵ガリレオ』シリーズ第一弾。
科学に疎い草薙刑事&天才物理学者の湯川学(通称ガリレオ)コンビが、奇怪な事件を物理学を駆使し解決していく、5編の科学ミステリー短編集。
短編集なので壮大なトリックはないけど、湯川が現実離れした現象を科学で論理的にトリック解明し、事件の真相へと導いていく様は読んでいて爽快です。


草薙と湯川の凸凹名コンビが絶妙!
不可解な出来事に遭遇した時、草薙はすぐ湯川を頼りに行くんですが、、
あれは草薙が勝手に湯川に相談に行っているのかと思っていたら、草薙の上司も指示していたようで。(苦笑
そんな警察もお手上げの難解事件を、湯川はサクサク解いていきます。
その湯川もただの天才じゃなく、物理的現象にはメチャ強いのに子どもには極端に弱いとか、ちょっととぼけたキャラだとか、人間臭くていい感じ。


湯川が草薙に見せる、ちょっとした科学実験も興味深く、面白いです。
中には、小学生でも簡単に試せる実験もあったりして^^
そして、どのストーリーにも専門知識が応用されていて、科学の不思議が面白く、知識欲を刺激されます。


まぁあまり現実性の無い事件、、と言えなくはないけれど(笑、ちょっとコミカルタッチで軽く読めてしまいます。
作者が大阪府立大学電気工学科卒だからこそ書ける、科学ネタ満載の、スピード感のある楽しい作品。


続編の『予知夢 』もオススメ!



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