1975年全米1位(ミリオンセラー)、全英10位、カナダで1位、全豪3位(日本ではオールジャパンポップ20で5位)。Beatles ナンバーのカバーはそれこそ星の数ほどありますが、全米 No.1 を獲得したのはこれだけ。少々意外に思うかもしれませんが、つまりはどんなカバーもオリジナルには及ばないということ(ロジックねーぞ)。それに、これが1位になったのも当時破竹の勢いで快進撃を続け向かう所敵なしだった Elton John の人気の波に乗った感が否めません。このカバーバージョンには作者の John Lennon がバックボーカルとギターで参加していますが、これは Elton が John の "Whatever Gets You Thru The Night" に参加したことに対するいわばお返しで、二人は1974年11月のマディソンスクエアガーデン(MSG)で行われた Elton のライヴでこの曲を演奏しています。

 

 

MSG でのライヴパフォーマンスはこちら。

 

 

では、オリジナルを。

 

 

周知のとおり、Julian Lennon が保育園のときに友達の Lucy を描いた絵を John に見せて「ルーシーがダイヤと一緒にお空に浮かんでいるんだよ」と説明したことからインスピレーションを得た John がルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のイメージを基に書き上げたサイケなナンバーです。タイトルに含まれる名詞の頭文字をつなげると「LSD」になることから、LSDのことを暗示しているのだという説がまことしやかに語られ、それを真に受けた(?)BBCはこの曲を放送禁止にしました。John も Paul もそんな解釈は思いもよらなかったと否定していますが、当時彼らがドラッグを使用していたのは事実なので、潜在意識のどこかにあったことまでは否定できないのでは? そもそも、あまりにも強く否定しているのが却ってアヤしい(笑)-もっとも、指摘されるまで気がつかなかったのが癪だったのかもしれず(気づいていたらネタにできた)、この辺はどうとでも解釈できるところですが。なお、Lucy さんは2009年に46歳の若さで亡くなり、Julian が "Lucy" という追悼曲を捧げています。