この曲は John Lennon が初めて(そして生前に唯一)獲得した全米 No.1 ソングです。また、John は、Beatles 解散後ソロとして全米 No.1 を獲得した最後の元メンバーになりました(他の3人はいずれもそれまでに No.1 を獲得していた)。

 

 

周知のとおり、John はこの曲があまり気に入っておらず大してヒットしないだろうと思っていたのですが、レコーディングに参加した Elton John がこの曲は No.1 になると言ったので、ならば賭けようということになり、もし1位になったら Elton のコンサートに出演すると約束したところ、Elton の予言が的中したため、1974年11月28日の感謝祭の日にマディソンスクエアガーデンで行われた Elton のコンサートに出演してこの曲を演奏しました(ほかに "Lucy In The Sky With Diamonds" と "I Saw Her Standing There" も演奏)。

 

 

この音源は実際のライブを実況録音したものですが、映像は1985年のテレビドラマ『John & Yoko: A Love Story』の中の「再現」シーンで、John も Elton もヨーコも本人ではありません(演奏終了後に登場する写真は本物)。John はこの頃ヨーコと別居していたのですが、このコンサートに来ていた彼女と楽屋で顔を合わせ、これによりいわゆる「失われた週末」にピリオドが打たれて二人はよりを戻すこととなりました。ちょっと話ができすぎの感がありますが、ともかく有名エピソード満載のナンバーではあります。

 

この曲は1974年11月16日付 Billboard Hot 100 で1位となったのですが、その座にあったのは僅か1週で、翌週には12位に急落して1位の翌週にトップ10から姿を消すといういささか不名誉な記録を作ってしまいました。確かに、「いかにも」なサックスソロが大きくフィーチャーされているなど、"Get Back" のことを「売らんかな」だとあてこすっていた John にしては珍しい売れ線狙いの曲だといわれても仕方がないかもしれません(もちろん、それが悪いなどと言うつもりはありませんが)。それだけに却って飽きられるのも早かったようです。