まずは「歩くとき編」を書いてみました。
主に講演会で質問の多いものをあげています。
うまい言葉で聞けない、
なんかこんな事を聞いてしまったら悪いんじゃないかと思うのかもしれないけれど。
せっかくだから質問してくださいな!たいてい悪い事なんてそんな無いですから(笑)でも、もしもその質問に答えられない事があったらお断りする事もあるかもしれないけれど。上手に言葉にしようと思わないで伝えてみることが大切だと思います。知りたいな!とか知ろう!という気持ち、行動はわかち合うための大きなステップですよ!そして伝えるからには本当を伝えたい。これが私の本音です。何か聞きたいことがありましたらコメントください!\(^o^)/
ではお付き合い下さいませませ(^∇^)
Q 歩くときはどうしてますか?
A. 私は街に出る時は白杖)はくじょう)を持っています。
病院や、ショッピングセンター、スーパーなど知らない場所へ行った時は視覚に障害があることを周りの方に知ってもらう意味も含めて使用しますが基本的におうちの中など小さな空間では杖を使わなくても馴染んでしまえば適応できる。実はみんな就学児童の頃に空間認知能力を高める訓練を重ねてきているはずなので出来る。というか、よほど危険な場所でない限り誰かの手を借りれる環境だと思うし杖は必要ないと断言できる(笑)つまり、杖はなくてはならない道具で目の代わりを補う大切なものだけど、範囲の狭い室内とかある程度予測が付けられる場所であれば杖が無いと歩けないというわけじゃないということ。
但しキャリア、経験、見え方の違いなど個人差があるので一概に言えない事をご理解ください。
私、今は弱視で光や色が何となく見えるから余計かもしれないけど。(いや、多分光を失ってもやるに違いない失敗だろう)家に杖を忘れてしまって。気づかずそのまま通勤(笑)上司に驚かれたこと何度もあるよ!(自慢にならん!)私だけじゃなく全盲の友達でも電車に置いてきちゃったとかね、ケラケラ笑ってたりする(汗)みなさんでいう所のメガネが体の一部になって何処に置いたか忘れる的な事は私たちの間でもしょっちゅうなんです(汗)
私を含め白杖ユーザーのみなさーん!気をつけてください。
Q 白杖(はくじょう)に種類ってあるの?
A. 大きく分けて二つあります。杖の素材もさまざまあって、強化プラスチック製のものや鉄製のもの、最近ではカーボン製もあるみたいです(価格もさまざま)折りたためるメリット、折りたためないデメリットはそれぞれありますので販売店の担当にアドバイスを受けながら自分の使用感や使用目的、用途に合わせてお財布と相談しながら選ぶと良いとおもいます。
ちなみに、おおざっぱに書くとこんな違い。
1. 折りたためるもの(公共交通機関や室内など杖が不要になった時小さく折りたためるのでバックやカバンに入れられて携帯するのに便利だが、折りたためない杖と比べると強度が弱く壊れやすい、メンテナンスが必要な場合がある)
2. 折りたためないもの(折りたためないので不要になった時には手が空かない。保管場所の確保をしなければならない。折りたためる杖に比べて壊れにくく衝撃やある程度の加重などにも耐えられる。長く使える)とあります。
写真でみるとこんな感じ。
上 折りたためない杖。
下 折りたためる杖の写真。
Q 点字ブロックの種類と用途は?
A. 点字ブロックは2種類あります。
1、歩道や通路などにある縦に長い線の入ったブロック。これは誘導ブロックと言ってその方向を示しています。進めとか安全だよと知らせているという認識。
写真 路上の誘導ブロック
2. 階段の所、横断歩道の始まる所、横断歩道の終わる所などにある丸いボツボツのブロックを警告ブロックと言います。これは文字の通りその先に危険がるというのを教えています。このブロックを杖の先端で触れたり、足の裏で察知した時には気をつけないと!とかこの先に段差があるぞ!と。気を引き締めます(笑)
写真 ホームと線路の境目を知らせる警告ブロック
点字ブロックを設置してくださる方にお願いです。
黄色いブロックは妙に目立つので外観を壊してしまうというふうにいわれます。気持ちはすごく分かりますが。私たちの中には黄色いブロックの色を頼りに歩いている方もたくさんいらっしゃいます。だから点字ブロックは周囲のデザインに合わせたオシャレ点字ブロックではなく黄色い点字ブロックの設置をお願いします!もうひとつ、悪天候の時にはすべりやすいのでゴム製ブロックではなくコンクリートのブロックにしてもらえると助かります。
街を共に使用する周囲の方へ
点字ブロックはただのデザインではありません。
私たち視覚に障害のある人たちの大切な道しるべです。
点字ブロックの上に自転車や車を止めたり、障害物や荷物を置いて立ち話をするのはやめてください。
もちろん私たちもみんなで使う場所ですのでお互い様だと理解していますし私たちも充分注意を払って歩行しています。それでも体がぶつかってしまうこともあります。そんな時しっかり見ろよ!と言われても・・・どうしたらいいですか?スマホを操作している人に怒られても避けようもない。ブロックの上に止められた自転車倒してしまっても怒鳴らないでください。ブロックの上に荷物を置く方も悪いけれどぶつかってしまったり人の物を倒してしまったり傷付けてしまったりすることを悪いと思っていますので。やりきれない気持ちになります。
写真 歩道の点字ブロックの上に 何台もの自転車が止められている。
どんな場所であってもどんな環境であっても。私も皆さんと街を気持ちよく歩いている人として障害の有無や種類に関係なくみんなが譲り合って生きられるようにと願う私からの細やかなお願いです。
Q 街や駅などで私たちを見かけて困っているかも?助けてあげたいと思った時はどうしたらいい?
A. そういう時は自己判断で手を引いたりせず、まず一声かけてほしいなぁと思います。私たち日本人は全然、悪気はないんだけど「まず一声かけてみる」これがとーっても苦手。お店の店員さんもお客さんに急に商品の説明しちゃったりして。嫌われたくないのにお客さんに避けられてしまったり、相手も嫌いたくないのに避けてしまうという気持ちの行き違いが生まれやすい私たち。
悪意のない優しい気持ちなのに、すごく勿体無いよね。
話が逸れてしまったけど(^_-)
私たちは頭の中に地図を描いて生きています。だから
急に手を引かれたり腕を引っ張られたりすると、コンパスが突然狂ってしまうのよ。それは知らない人から急におどろかされたみたいなことでとっても怖いこと。でもね、解っているよ。悪気はないということ。そして助けてあげたいと思う気持ち伝わってくるからとっても嬉しい。だからそういう人を嫌な気持ちにさせたくないと思ってる。
まずは「何かお手伝いしましょうか」とか「段差があるよ」など一声かけてからの支援をお願いします。
Q 点字ブロックのない場所ではどうしてる?
A. ありがたい事に最近ではあらゆる所に点字ブロックが設置されていて道も綺麗に舗装されて段差も少なくフラットになっています。
ありがとうございます!!(≧∇≦)
先ほども書きましたが点字ブロックは私たち視覚に障害がある人たちに取ってなくてはならない電車で例えるなら線路の様なツール。ですが、だからと言って張り巡らされなくてはならないというわけではないんです。
見え方も感じ方も捉え方もさまざまだから。どこまで必要なのか、必要でないのかを決めるのは難しいところだと思います。お金の都合もあるしね。(ー ー;)
例えば地図の上に目印となる物があまりにもたくさんあるとゴチャゴチャし過ぎてかえって分かりづらいですよね。それと同じで。私たちは頭の中に基本となるイメージを持って生きています(どんな時も)
なので、実際はあり得ない事だけど例えば点字ブロックがあらゆる所に張り巡らされたら・・・多分歩けないです。
私も視覚に障害がある当事者だけどブロックの設置基準とか難しい事を知っているわけではないから。なんとも言えないけども。親切に付けてくれたんだろうなぁ。でもここまでは必要ないんじゃないかな?と思う事もあるし逆に何でこんな危険な場所にないのかな?ってヒヤヒヤしちゃう事もあるよ。でもね、これは私個人の思いであって誰かはまた違う感じ方をしているんだろうから。(クレームとかそういう意味ではないです)障害がある人もない人も住み良い街を作るのは難しいね、きっと限界がある。そこを埋められるのはお互いのハート。思いやる気持ちだと思う。
私は横断歩道の始まりと終わり、バス停を知らせるためにとか、ホームと線路のの境目など。ここぞっていう所にいてくれるブロックを感じながら自分の足の裏の感覚や杖から感じる感覚、風の流れる方向とか匂いとかも使って胸を張って歩いてる。
そうそう!一年くらい前に近所の携帯電話ショップがピザ屋屋さんに変わった時も。
あっ!ピザ屋さんに変わったんだー!とかね。
みんなよりその変化に気が付くのは少し遅いかもしれない、気が付く量も乏しいかもしれないけど街の移り変わりなんかも敏感に察知してるんだよー。いつでも電波受信中なのです。何気ない日々の中で変化に気が付くこと、逆に変わらないこと。小さな変化を感じれる事がとっても楽しい!!そんな感覚たちと長年身につけてきている空間認知能力と一緒にミックスして頭の中の地図にどんどん追記しながら大きな地図を広げて生きているって事なんだよね。\(^o^)/
私からメッセージ
私はこの個性を特性を。時にはもどかしく思うこともあるし、切なくて悔しくて悲しくて嫌になることも正直死んでしまいたいと思う事さえあるよ。
でもねそんな 日々も含めて結局楽しんで生きてる。
生きていられることに感謝してる。この身を受け入れてる。良いことも悪いことも全て納得してる。
今はこんな気持ちになれた出来事や出会った全ての人たちに感謝しながら、新しい一歩が踏み出せる期待と不安の毎日を送っています。この道の先でどんな人に会えるかな?この道はどこへ繋がってるのかな?
障害っていう私の個性が私に与えてくれるこの人生は想像以上にとーっても深いい!
そして視覚障害って本当に素敵な個性だと思う!
いつか、みんなにもこの気持ちが少しでも伝わりますように。
続く・・・
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松田昌美|テープ起こし専門|ブラインドライター
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