このブログは

前回の「ситуация--理由」の続きになります。

http://ameblo.jp/fairlady-sp310/entry-12225761722.html

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>これは金魚を扱うことを生業とする他所様に申し上げる。

>--窒素三態ぐらいお客様に教えてください。

>--飼育の基本は最低限の「常識」としてお客様に伝えてください。

>多くは望みません、もうこれだけで結構です。

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前回、私どもはブログをこう〆た次第である。

しかしながら、これは受け手たるお客様にとっても、

かなり難しい要素であった、と痛感させられることが立て続いた。

特に薬浴中の水質悪化をどう処理するか、という問題でそれは顕著に表面化し、結果的に疾病そのもので魚を傷めるよりも、水質の悪化で痛める事例が多い、と・・・・。

加えて、お客様へのレクチャーの中で、何を最重要視するのか?というスタンスに於いて、私どもの間でも2極化した意見が出現してしまい、議論は徹底した平行線となってしまった。

結果的に「これはもうお客様に選択していただくほかないんじゃね?」的にブログアップをした次第である。

※別に喧嘩になったわけではなく、静かに議論をした果てに平行線になったのでご承知願いたし。

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彼女は言う。

--お客様が魚病を克服すること、それだけに特化したほうが救命確率をあげられる、と。

彼女の意見中には、魚病を克服した魚がその後通常管理に移行し、再発防止に徹底しなければならない、という要素が乏しい。その点についての見解は以下の通りとなる。

--今!この超緊急時(後一押しであの世行きになりかねない魚)をどう救命するのか、その一点に集中しなければ助かるものも助からなくなる、通常管理に移行すること自体が困難になってしまう。窒素三態の発想が無かったお客様にそれをご理解戴いて、検査できる状態を整えて頂く時間でやれることがあるのではないか?と。

つまり、

--アンモニア&亜硝酸の検出を待たずとも、水質で魚の状態が悪化したと「想定」されたときには、大量の活性炭を薬浴槽に放り込んで「ある程度の吸着濾過」を行えば、除去しきることはできなくても汚染度合いを若干なりとも巻き戻すことは可能。吸着後はコンディショナーの再投入をして、時間を稼ぎ、その間にお客様を説得して窒素三態監視の重要性をご理解いただくよう試みるべきではないのか?活性炭ならばHCのみならずダイソーでもセリアでもどこででも売っていて、108円あれば即用意できるはず。現在うちで販売をしていない以上、検査用紙をただちに用意できるお客様ばかりではないのだから、緊急回避策を提示することも必要ではないのか?これが彼女の結論である。

※むろん、ここには水換えが害になりかねない昨今の水道水問題もある。

私はこれは親切なようでいて、実は全く不親切であると感ずる次第である。

赤字部分が特に重要なポイントとなる。確かにこの考え方でいけば、規模の大きな集団の中の確率は向上するのかもしれない。しかし、僅かながら引きあがった数字の恩恵が「必ず」お客様に与えられる保証などどこにもない

確率論だけを重要視、他の言い方をすれば実践を無視し、大量生産&大量消費に特化した為に、今現在のアクアリウム商品には訳もなく活性炭が濫用され、濾過バクテリアの存在が軽視されがちになってしまっていることは否めない要素である。この考えの行きつく先が、いわゆる「誰でも・簡単・手軽に」の錯覚、もとい勘違いであったのではないかと私は断ずる次第である。

私の対論は以下の通りとなる。

--魚病はそれ単独で発生するのではなく、救命確率そのものを上げても通常管理で短時間に転落させてはお話にならない。

--窒素三態のご理解を戴かないままなんとなく回避をしても、それは回避したことにはならない。通常管理を誤ることが全ての原因なのだから、「今」助かった命は極めて近い将来再び命の危険にさらされて、確実に疾病確率は上昇し、斃死は免れない。特に金魚の場合は。

--薬浴中に活性炭を濫用することは、結果的にお客様を経済的に苦しめ、薬効を低減させる。お客様は活性炭を買いたくて魚を飼育しているわけではない。そして何より、除去しきれないものを当てにするよう勧めることは致しかねる

--出来る時間稼ぎは活性炭の性能と使用状況に多分に左右される。あまりにも不確かである上に、伸ばせる時間も少な過ぎる。それより、しっかり数値で監視が出来たほうがはるかに良い。この対策には通常管理に応用できる恒久性が無い。

--魚を閉鎖空間で飼育する以上、この問題は「あいうえおの【あ】、いろはの【い】、1.2.3の【1】であり、現状では窒素分解の仕組みなくして水槽内での魚飼育は恒久的には無理である。結果としてお客様は必ず飼育離れを起こしてしまう

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などなど…、議論は平行線となってしまった。どちらも親切であり、かつ、不親切である。確かに超超絶緊急時!!!には高性能活性炭の活用は有用であることもある。但し、それは緊急回避の一時しのぎであるという理解の上に成り立つものであり、窒素分解の仕組みを熟知した方々が応用の一例として行うことも無いことも無い、程度のものである。

現状ご相談を戴く内容の9割以上が上記内容を占めている。その為、他所様には「このぐらい教えてください」と懇願した次第である。何故だかわからぬが、他のジャンルに比べて金魚界だけが水の問題に疎い、というのは非常に困った問題である。

 

この平行線の議論の果てに、私達は一つの結論に至った。

「もうわかった。売ろう」

と。

 

そういう訳で、医療水準の高性能活性炭パックと窒素三態プラスα(PH等)の計測キットを販売しようと思います。

現在、東側の国に手配し、このような内容で項目と検出濃度等組んでほしいとお願いをしたので、早ければ1月中旬、遅くても春の疾病シーズン前にはオリジナル商品として販売を致します。

表記はおそらくキリル文字になるので、その辺は日本語にしてお渡しできればと願います。

さりげなくアクアリウムの横にキリル文字表記のブツが置いてあればそれはそれで恰好良いと思います。

 

というわけで、明日のご相談からこのページをリンクして、2つの解決策としてご案内いたしますので、何卒宜しくお願い致します。

 

※この議論時、私の頭の中には「JAL123の検死時、何故大量にこの乗客たちは亡くなってしまったのか?と法医学者達が悩み、死体検案書の死因項目を「墜落したので亡くなった」と統一するまでに果てしない議論があったという話」が思い出された。彼女は「JAL123の海山論争」を思い出していた。窒素三態の話が二人の中でJAL123の話になってしまったのが悲しかった…。