昨日の取材:メルセデスベンツSクラス試乗 | モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳

モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳

モータージャーナリスト中村コージンが、日々乗ったクルマ、出会った人、趣味の世界を披露します。

昨日、福島の白川まで、メルセデスベンツSクラスの試乗のため行ってきました。

最終型の先代S350に乗ったのがほぼ1年前のこと。その時思ったのが、これ以上いいクルマを作ることが出来るのだろうか??ということ。しかし、新しいSクラスは間違いなくその上を行っていました。恐れ入谷の鬼子母神とはまさにこのこと。

あの巨体にもかかわらず、そしてまるで空力など意識していないように見えて、CD値は0.24。さらにボディシェルの多くにアルミを多用し、巧みにスチール部分と融合させて(これ電食の関係で難しいです)、軽量化を達成(確か100kg)、しかも先代ですらこれ以上ないと思われたボディ剛性を持ちながらニューモデルはさらに50%ものねじれ剛性の強化が図られているのです。一体どこをどうやって…と考えてしまいます。

ニューモデル最大の特徴は機能に加えてある意味知能を持ったとも言える車両制御並びに安全技術でしょう。マジックボディコントロールは車載カメラによって路面の凹凸を検知し、瞬時に最適なサスペンション設定にしてくれるもの。そしてディストロニック+ステアリングアシストは全速度対応アダプティブクルーズコントロールにステアリングアシストを加えたものです。さらにうっかりしていると、クルマが自動的にブレーキをかけて危険を回避するシステムなど最新技術てんこ盛りに加え、ファーストクラスパッケージと呼ばれるS550ロングにパッケージオプションとして装備されるリアシートは、43.5度までリクライニングを可能にし、オットマンからフットレストまで装備、航空機よろしく横から立ち上がるピクニックテーブルまで備わります。例によって、その快適なリアシートに腰掛けて見ました。↓
モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳
やはり慣れないためか、居心地はよくありません。精神的に。しかし、快適さはこの上ないもので、写真では分かりづらいのですが、ヘッドレストは通常のヘッドレストの上に快適なクッション枕を装備して、そりゃあ気持ちイイです。この状態で40分ほど乗せてもらいましたが、その快適さは…。シートも想像以上に体にフィットしソフトに包み込んでくれます。ドイツ車というとテンションの高い、革シートが想像されますが、これは全く別次元。


モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳
S220の時代にスリムかつコンパクトを目指したSクラスが作られましたが、メーカーの予想に反して失敗。やはりSクラスにはそれなりの威厳と押し出しが必要なようで、こいつはその点でも◎


モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳
リアはこんな感じ。因みにトランクは当たり前ですが電動開閉システムを持ちますが、閉める時の速さときたらビックリ。のんびりしていると手を挟まれそうです。とかく電動開閉のトランクは締まる時が鈍いので、手で閉めた方がいいという人が多いですが、これは絶対に文句出ないと思います。


モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳
そしてコックピット。巨大な二つのディスプレイがメーターやオーディオやエアコン等の操作系を表示します。そのディスプレイサイズは12.3インチと巨大。まあ、味気ないといえばそれまでですが、モダンで先進性を感じさせるものでした。

一番期待したマジックボディコントロール。さすがにカメラで捉えた画像からコントロールするために、ピーカンであることが絶対条件。残念ながら曇りだった試乗時間帯は、その顕著な効果を感じ取ることが出来ず、それを装備していないS400ハイブリッドとさほど変わらぬ乗り心地でした。

それにしてもこのクルマ、快適さ先進技術の多さなど、ホントに妥協のないクルマと感じました。

凄いの一言。付け加えます。このクルマ、世界で初めてすべてのライトバルブを廃し、LEDだけで構成されるライト類を持つクルマです。そのLEDの数、500個だそうです。