【原発事故】6 爆発するの?福島原発??チェルノブイリ事故が日本でも発生??? | やさしい解説| 原子力発電所事故と放射線の影響について

【原発事故】6 爆発するの?福島原発??チェルノブイリ事故が日本でも発生???

【原発事故】6 爆発するの?福島原発??チェルノブイリ事故が日本でも発生???


社長ブログ|WEBマーケティングのファブリッジ【今は原発事故関連の記事】-原爆との違い

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※状況が進展し、新しい情報が出てきましたので追記します。

以下の記事にあるとおり、

チェルノブイリのような、原子炉を「止める」に失敗した「核分裂の暴走」による大爆発は起こりませんが、

福島第一では、「冷やす」が滞っていることで、
水が「水素」と「酸素」に分解することにより発生する「水素」の濃度が高まると「水素爆発」が起こる可能性が出てきました。(「水素」が全体の4%以上、かつ「酸素」が全体の5%以上)

現在、原子炉内に真水を入れて「冷やす」を継続していますが、原子炉内の詳細状況がわからない以上、
「冷やす」がうまくいかず、悪い方向に進展した場合を想定しているようです。

現場では事前に「窒素」を強制的に封入することで、「水素」と「酸素の」濃度を下げる対策を取るとのことです。

ちなみに、通常は「原子炉格納容器」の中は「窒素封入」されていますが、
炉内で水素と酸素が発生し続けると、相対的に水素濃度・酸素濃度が高まってしまうので、濃度を下げるため「窒素」を強制封入するようです。
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ここ数日も私のところに、いろいろなお話をいただきます。


「ねぇねぇ。福島原発って爆発するんじゃないの??」

「爆発したら東京だって終わりでしょ?」

「チェルノブイリより何倍も深刻って噂だよ。」


・・・うーん。みんなものすごく心配してますね。



さらに、心配MAXの人になると・・・

「広島の原爆とどっちが放射能大きいんですか?」って話まで出てきます・・・。汗


そして今、
原発反対派だった人たちは、ここぞとばかりに民衆の不安を煽ってますね・・・


確かに、そんなのばっかり聞いてたら、誰でも不安になりますよね。




そこで今回は、
「福島原発は爆発して、チェルノブイリ事故になるか」について説明します。


あ、あと最後に番外編で「広島原爆のようになるか」・・・もね。汗




では、「チェルノブイリ事故が起きるのか?」についてですが、


答えは、
「状況が全く違うので、起きません。」です。

もっと言うと、
「状況が全く違うので、起こしたくても、起こせません。」です。


なぜでしょう?


実は、「チェルノブイリ原発」と「日本の原発」は根本的に違うタイプなんです。




どう違うかって言うと、

チェルノブイリは、原子炉のコントロールに「黒鉛」を使う原子炉。

ちなみに「黒鉛」って、えんぴつの芯のことですよ。


日本のは「水」だけを使う原子炉。


細かい構造の違いはここでは説明しませんが、特徴が違います。



◆特徴の違い

チェルノブイリの「黒鉛型」は、
低出力だと原子炉がものすごく不安定になる特徴があるんです。

不安定ってのは、核分裂反応が激しくなる。

つまり、めっちゃパワーが出るってことなんです。


そして、「黒鉛型」もう一つの特徴が、

「建設費、そして、その後のランニングコストが安い」ってことです。汗




それで、事故当時、チェルノブイリでは何をしていたか?



原子炉コントロールが不安定になる、「低出力」で運転テストを行っていたんです。


なおかつ、大事な大事な「安全系の装置を全て解除」していた。。。



その結果、原子炉制御不能になるほど【強烈な核分裂反応】が起こり、

緊急停止ボタンを押したが、わずか【6秒後に爆発】した。


という事故です。




この「黒鉛型」の原子炉では、

いくら低出力でも、原子炉がコントロール不能すなわち暴走すれば

あっという間に高出力を飛び越えて、爆発的な出力まで行ってしまうんですね。


・・・怖いですね。




◆チェルノブイリの事故はポイントがいくつかありすね。


1.「黒鉛型」は低出力のとき、原子炉のコントロールが難しい。→ 膨大なパワーが発生してコントロール不能になり易い。

2.にもかかわらず、不安定な「低出力」でテストしていた。→ 運転員の教育にも問題があった。

3.さらに、そんな危ない状態なのに運転員が「安全装置」をオフにしていた → 恐ろしい・・・

4.見事に原子炉が暴走し、一瞬で爆発(緊急停止ボタンを押した6秒後)した。

5.さらに黒鉛が燃えて、大規模火災発生。→原子炉をコントロールする役目の黒鉛自体が燃えて火災なんて・・・
  
6.火は10日間燃え続け、「放射能」は火災の上昇気流で大きく拡散した


これが、チェルノブイリ事故の概要です。





一方の日本の「水を使う原子炉」は、(専門用語では「軽水炉(けいすいろ)」って呼びます。)


水特有の機能で、出力を勝手にコントロールしてくれる特徴があります。


出力が上がると勝手に、出力が上がり過ぎないようにしてくれる機能です。





ということで、特徴の違いを説明しました。




「・・・っで? 結局、今回は何が違うの?」



すいません。結論急ぎます。汗




【チェルノブイリと今回の事故の違い】



違いはいろいろありますが、大事なポイントは・・・



(以前、【原子力事故】2 メルトダウンって、どのくらい危険??

 でも説明しましたが)



原子力で大切なのは<3つ>

上から順に、

1.止める

2.冷やす

3.閉じ込める

です。


これらができれば、放射能(正しくは放射性物質ですね。)は出ず、

私たちは安全に生活できますね。



・・・っで、


◆チェルノブイリは、最初の【止める】に失敗しました。


【止める】で失敗したから止まらないで・・・「暴走」しました。


だから一瞬で膨大なパワーが出て、そして「原子炉の中身ごと」粉々にふっとびました。


緊急停止ボタンを押して、わずか6秒で爆発です。




◆一方の福島原発


最初の【止める】は成功しました。

地震の起きた直後にすべて自動停止しています。


この時点で、膨大なパワーが一気に出るような「原子炉の暴走」は無くなったわけです。



そして次のステップ【冷やす】


ご存じのとおり、今回、ここでトラブっているんです。



【冷やす】ステップは、止めたけど余熱が出続けている状態です。

この余熱を冷却して取り払わないと、温度があがって、燃料が溶け出して

放射線物質が出てくる・・・という話です。




だから、6秒で爆発ではなく、

じわりじわり、圧力があがったりしてるんですよね。


チェルノブイリは6秒。 福島は今、もう発生から10日ですよね。



かなり違いますよね。^^;





「そう言うけど・・・・福島だって大爆発したよね。それも3つも!」


そうですね。爆発しましたね。




でも、これも全然違います。



チェルノブイリは、原子炉の中身ごと吹っ飛んで爆発

【止める】に失敗して、

最初から、原子炉の中身むき出しで飛び散ったわけです。


大量の放射能漏れ・・・大量の放射能飛散ですよね。




今回の福島は、いずれも「水素爆発」で、


原子炉本体が爆発したわけではなく、5重の壁(これもメルトダウンの解説で説明しています。)

一番外側「コンクリートのビルが破壊」されたわけです。



それ以外の「4重の壁」は完全には崩壊せずにまだ残っている状態です。


だから、いまだにマイクロシーベルトレベルの放射線数値になっているのです。

(最大は400ミリまで上がりましたが、その後下がりましたね。
 どんどん上昇して1000ミリ、2000ミリと上がっていっていないですよね。)




なので、同じ爆発でも、内容は全然違っているのです。



さらに、チェルノブイリは「黒鉛」の大火災で、火災の上昇気流に乗って

放射能が大きく拡散してしまいましたが、

日本の「水の原子炉」は、水だけなので燃えません。


大量の燃えるもの(黒鉛)があったチェルノブイリとは全然違います。



どうでしょう?


違い・・・わかりましか??



では、違いがわかったところで、


その福島で、今何が起きているのか説明します。




【冷やす】ができないと、じわりじわり圧力が高まる。


そしてそれが高まりつづけると、爆発ではなく、どこかに亀裂が入ったりして漏れてしまう。

5重の壁の「1~4重の壁」に穴が開いた状態になってしまう。


そうならないよう、必死の努力を続けているのです。



ですので最悪は、爆発ではなく亀裂からの放出ですね。


実際は亀裂が生じるのも嫌なので、

圧力が高まったら、強制的に大気に放出させると言っているのです。



となると、周辺の放射線の数値を見て、

「上がってきたら冷静に判断」ができますよね。



決して爆発に備えて、今、逃げなきゃじゃないわけです。



もちろん、だからと言っても「安心」とはいきませんので、


数値が上がって、例の200ミリシーベルトを超える恐れが出そうなら、

その時は「逃げる」必要があるので、その準備をしておいてもいいと思います。(防災準備という意味でね)




・・・ということでいかがでしょうか。



チェルノブイリ原発の爆発事故との違い、わかりましたか?




あ、あと最後に「広島原爆」との違いですが、

原子爆弾のパワーの源は、「ウランの核分裂で発生する膨大なエネルギー」です。


それで、その膨大なエネルギーが発生するウランですが、

「原子爆弾の心臓」と「原子力発電所の燃料」は、ウランの濃度が違います。


どのくらい違うかと言うと・・・


原子爆弾の心臓は・・・ウランの濃度 ほぼ100%!!!

原子力の燃料は ・・・ウランの濃度 約3~5%



どうですか??


「おい、全然違うじゃん・・・」って話ですよね。。。^^;



この違いで、


原 爆 → ものすごいエネルギーで破裂して吹っ飛ぶ。大爆発

原子力 → 大爆発させるほど力はないが、水を沸騰させるには充分。



ということです。



「原爆」と「原発」

1文字しか違いませんが、全然違いますよね。。。汗



ちなみに、よく

「原子力って爆発させてそのパワーで発電してる」って思ってる人いるんですけど、



違いますからね。。。^^;



核分裂の力で

「お釜の水を沸かして、その蒸気で水車みたいなもの(タービンって呼びます)を回して発電してる」んです。


せっかくなので、覚えておいてくださいね。



ということで、


「チェルノブイリ事故との違い」

「広島原爆との違い」


しっかり理解して、冷静になってくださいね!


図の出展:電気事業連合会
 http://www.fepc.or.jp/learn/hatsuden/nuclear/energy/sw_index_02/index.html