【原発事故】2 メルトダウンって、どのくらい危険?? | やさしい解説| 原子力発電所事故と放射線の影響について

【原発事故】2 メルトダウンって、どのくらい危険??


社長ブログ|WEBマーケティング 不動産集客代行のファブリッジ-5重の壁

【原子力事故】メルトダウンって、どのくらい危険??
(参考:この記事は3月15日(水)深夜のfacebookでの投稿記事です。)

第2弾は電話でリクエストがありました「メルトダウン」です。
「メルトダウン(炉心融解)」が起こると大変なことになるの??



(初めて読まれる方は、この前のトピック、
 「今、逃げるべき???」【原子力事故】とあなたの身体
 から、読んでくださいね。)


「メルトダウン(炉心融解)」が起こると大変なことになるの??

という質問がありますが、

答えは、「YES」でもあり「NO」でもあります。

「は?何言ってるの・・・???」って思いますよね。^^;


「メルトダウン」ってひと言で言っても、どの状態かによって全然
違います。


一番最悪の「メルトダウン」は、燃料がドロドロに溶けて、

原子炉のお釜(=専門用語では「原子炉圧力容器」といいます。)

を突き破ってお釜の外に出てきてしまうことです。

もしこうなったら、「今すぐ逃げろ!!!」レベルです。



でも・・・

今回のように「燃料棒の一部が溶けた」状態では、

「逃げるにはまだ早い」と言えます。


「それって・・・何が違うの??」

そう思いますよね。



実は、原子力発電所は、放射能を外に出さないよう、

「5重の壁」で守っています。



5重の壁とは・・・

イメージしやすいように外側からいきますね。^^


5番目の壁:コンクリートでできた建物

(専門用語では「原子炉建屋」といいます。)


例の爆発でふっとんだ奴です。

ということで、この壁はもう無いわけですね。^^;
(1号機・3号機はね。)



4番目の壁:鋼鉄製の超巨大な容器

(専門用度では「原子炉格納容器」といいます。)

これが壊れるとかなり辛いですね。


分厚い鋼鉄製の容器で、この中は「窒素」が充填されてます。

ですので「水素」が出ても「酸素」が無いので爆発しないです。



3番目の壁:原子炉のお釜

(専門用語では「原子炉圧力容器」といいます。)


このお釜の中に燃料や水が入ってます。
ある意味、原子炉の主役ですね。



2番目の壁:燃料棒の皮

(専門用語では「燃料被覆管」といいます。)

これが今回「一部」溶けちゃったものですね。



1番目の壁:燃料棒の中のミニミニの固まり(核物質が出てこない
ように焼き固めて閉じこめたもの)

(専門用語ではペレットといいます。)

これも、今回「一部」溶けちゃったものですね。^^;


整理しましょう。



まず、水素爆発で一番外の建物が壊れたので、

5重の壁がなくなり、残り4重ですね。


このうち、燃料棒は一部溶けていたとのことなので、

1重、2重の壁が「一部」破られた状態です。



ここで、「一部」ってのは大事です。

全部溶けたのと、一部溶けたのは違います。


放出される放射能の量が全然変わってきます。

で、健全なのが、残りの2つ、

3重、4重の壁ですね。



3重、4重が健全。1重、2重がやや弱い健全。

これなら、まだ今のような「少し放射能が出てる・・・」

状態で済みます。




しかし、もし燃料がドロドロに溶けて、それがお釜の下に落ちて溜
まって、

そして、3重の壁=お釜を突き破った場合は、話が違います。


その場合は・・・

燃料がドロドロ=1重の壁、2重の壁が完全に喪失。

お釜を突き破った=3重の壁が破られた

水素爆発も既に起きた=5重の壁が無い・・・



ということで、そうなると唯一「4重の壁」巨大な鋼鉄の容器(原
子炉格納容器)だけになります。



こうなると、4重の壁が破られるのも時間の問題になり、

大量の放射能が外に出てしまう・・・



そうすると、モニタの値もどんどん上昇していくわけです。

今の最大400ミリシーベルトなんかでは済まないです。


ですから、「メルトダウン(炉心融解)」と言っても、

燃料の一部が溶けただけの今の状態と、



本当に燃料が全部ドロドロに溶けて、お釜を突き破るのは全然違う
わけです。



「じゃぁ、その最悪のメルトダウンにはならないの???」

・・・そう思いますよね。



答えは、現時点で「なる可能性はかなり低い」と言えます。



なぜか?


原子力の3原則

1.「止める」

2.「冷やす」

3,「閉じ込める」です。


このうち、
1.の「止める」は地震発生時に達成されましたね。


今回は、
2.の「冷やす」で、とどこおっているわけです。


これはどういうことか。

まず「止める」つまり、核分裂反応は止まったわけです。←これ、
一番大事。


 (ちなみに、チェルノブイリは「止める」ができず、暴走して爆
発しました。
 
  さらにちなみに、チェルノブイリは、日本の原子炉とは全然違
う、水を使わない原子炉です。
 
  水の代わりに黒鉛を使います。黒鉛は制御が大変ですが建設費
は安いんです。汗)



次の「冷やす」

これは、核分裂反応は止まったけど、まだめっちゃ熱い状態だから


「余熱」があるんだよねー。って状態です。



普通は、この余熱を取り去るのに、

水がたっぷりあって、それで冷やせばおしまい。


だったのですが、
今回、その水が足りなかった。


なので、余熱が取れずに、燃料が「一部」溶けたってことです。


でも、「余熱」なので、基本的には時間とともに、熱は下がってき
ます。

曲がりなりにも、これまでずっと水を入れてますので。

時間の経過を考えても、もう止めてから丸4日間・・・経っていま
す。


1号機、3号機は、今も水で満たしているということなので、

余熱がとれてどんどん、安全な方向に向かっているでしょう

2号機も基本的には同じです。

ただ余熱を取る水が少なかったので、冷えるスピードが遅いわけで
す。

このだんだん冷やされている状態から、

燃料がドロドロに溶けて、お釜を破るようなメルトダウンが起きる
かと言うと、

可能性は低いと言えるでしょう。

なぜなら、水かけて、時間も経過して、冷える方向に向かってるの
に、それに逆行する話ですからね。



いずれにせよ、

今のように、海水入れながら冷やしていれば最悪のメルトダウンは
起きません。


しかし、また水が「ずっと」入らなくなれば、
「冷やす」ができなくなり危険な方向に向かうでしょう。


・・・ということで、


結局、私達が一番注意して見ておくべきは、
先のトピックで書いた「モニタの値」です。



万一、最悪のメルトダウンの方向に向かえば、

必ず、モニタの値が上昇していきます。


ミリシーベルトの値がどんどん上昇していきます。

そうならずに、マイクロシーベルトで安定しているうちは、大丈夫
です。


やはり、冷静にモニタの数値を見るのが大事ですね。



結局・・・結論は一緒です。