皆さん、こんにちは。長いことご無沙汰していた、幽霊部員の法学部五回生・福田です。




今回はとても久々にドラ感想を頼まれ、再びお目にかかることとなりました。実は自分は四月から就職(予定)するので、今回が最後の更新となるかもしれません………。(多分)






まぁそんなクッソどうでもいい身の上話は犬にでも食わせておいて、いつもの冗長な文章で、早速ドラの感想に入りましょう。






「会いたいヒト回転寿司」




のび太くんとママの会話から、物語はスタートします。昼前には着くという九州のおじさんを駅で迎えるように言うママの指示に、直立不動・挙手注目の礼でのび太くんは応えました。




ちなみに、いわゆる軍隊式敬礼としてお馴染みの挙手の礼ですが、挙手して敬礼するのは基本的に帽子を被っている時であって、無帽時の敬礼は相手に注目して腰を曲げ頭を下げる、いわゆる「お辞儀」の形が日本では一般です。皆さんも真似する時は気をつけましょう。




まぁそれはどうでもいいとして、小遣いが貰えるとウキウキ顔なのび太くん。ここで「九州のおじさん」というのは親戚ではなくてパパの友達であることが語られます。(いつものあの人じゃない)




しかし急転直下の新展開。ママから、向こう(九州)は天気が悪くて飛行機が飛ばず、おじさんが来られないとの発表があります。既に小遣いの使い道まで皮算用していたのび太くんの落胆たるや、大きいものです。






「お寿司までご馳走してくれる、いいおじさんなんだよ~…」






九州のおじさんは東京に出てきて、友人の息子たるのび太くんにお寿司までご馳走してくれているようです。ここだけ聞くとめちゃくちゃ良い人ですが、田舎(九州)の人はこういう所の気の遣い方(=お返し)について病的なまでに繊細なので、少しでも無礼や手落ちがあると人間関係が破綻するから、世話になる時は細心の注意を払いましょう。(パパなら大丈夫かな)






一方、こういう僕の心配をヨソに、寿司という単語だけに食い付いたドラが出した道具が本話のメイン「会いたいヒト回転寿司」。






「この機械に会いたいヒトの情報を言うと、回転寿司みたいに流れて来るんだ。」






………




どうしても茶々を入れたくなるのですが、回転寿司とは、様々な種類の寿司が回転し流れているさまを楽しみつつ、敢えて注文すること無く目についたものを気ままに取って食べる楽しさが特徴であるところ、欲しいものを言ってそれをコンベアーで運んでくるという道具を回転寿司にちなむのは、かなりかけ離れてるんでないかい…。(レッドカーペットかな?)




なお、使用回数通常10回が今だけ一割増しの11回となることに負けてドラは買ったとか。小学生には難しい「割合」の話を不必要に持ち出したのは、来るべき消費増税のアナロジーでしょうか。






さて、試しにとばかりにドラが早速呼んだのは「三丁目のミイちゃん」。(初っぱなからヒトじゃない)




流れている僅かの間にミイちゃんとドラは語らいを持ちますが、格好としては回転寿司と言うより空港の手荷物受け取り所のコンベアー。でも、あれに乗りたくなる気持ち、すごくよくわかりますよね。




続いて真打ち登場のび太くん。しかし名前が分からず「九州のおじさん」と呼び出してしまったからさあ大変。九州の一般的おじさん全てを呼び出す形になってしまったのです。(うちの親父さんも居たはず)




親切にも各おじさんが九州をアピールしてくれているので、以下、わかる範囲で追いたいと思います。






先頭から、マンゴーを持ったおじさん(宮崎)、桜島大根を持ったおじさん(鹿児島)、カステラを持ったおじさん(長崎)、ぎやまんを持ったおじさん(長崎)、ラーメンを食ってるおじさん(福岡)、明太子を持ったおじさん(福岡)、前川清さん(長崎)、福山雅治さん(長崎)、佐世保バーガーっぽいものを持ったおじさん(長崎)、綾小路きみまろさん(鹿児島)、なすびを持ったおじさん(???)、でこぽんを持ったおじさん(南九州)。




慌てて止めるボタンを連打したため途中で止まりましたが、目的の「九州のおじさん」は現れず。ちなみに、この時流れていたおじさん達のアドリブが相当テキトーなので、録画されてる方は是非再チェックしてみましょう。






そこへパパ帰宅。風邪で顔が赤く、まだ日が高いようなので早退してきたのでしょう。しかし持ち前のクソ真面目ぶりは健在、会議のことで気を揉みます。




それを見たのび太くん。良かれと思って「パパの会社の人」を呼び出しますが、これは見事に逆効果。狼狽したパパは、倒れ込んでしまいます。(そらそうよ)






さて、おじさんの名前を聞き出し、「九州のヤマダヘイスケおじさん」と改めて呼んだ所でご本人登場。しかしランニングに股引姿に、ドラは失笑顔です。(いきなり呼び出されて笑われる方もたまらない)




何にせよ首尾良く「九州のおじさん」の招喚に成功したのび太くんですが、ここで問題発生。なんと、呼び出した人はお皿(コンベアー)から降りられないというのです。




流れている僅かな時間では小遣いの交渉も先方の財布もままならず、「九州のおじさん」はそのままコンベアーの先の暗闇に消えて行ってしまいました。(もののあはれ)






そこに今度はママが葉書の束を持ってやって来ます。曰く、同窓会の案内を出して欲しいとのこと。幹事でもやってるんでしょうかね。




同窓会の葉書も、SNSの発展した今や古風なものになりつつあります。引越しても確実に案内が出来、誰が来るのかが誰の目にも分かり、手間も費用も格段に節約出来るSNSの特徴を思えば、葉書との差は歴然です。(僕はSNSをやっていないため、親切な人が居ないと同窓会の存在すら知り得ない)




それはともかく、寒い中ポストまで行くのが面倒に感じたのび太くん。それならばいっそのこと本人達を呼んでしまえと、葉書の宛名を次々と読み上げます。




続々と出てくるかつての級友にママは大喜び。その場で即席同窓会が催され、終わった時には「なんかもう同窓会しなくてもいっか~」とまでなります。(さほど会いたくない人が流れてきたら嫌だな)




しかし、ママは忘れてませんでした。帰りしなには定番の宿題の話題、「こんなの」で遊ばずに宿題を早く済ますよう釘を刺し、のび太くんは何故か左手で挙手の礼を返します。




ちなみに、いわゆる軍隊式敬(ry






そこで、しずかちゃんからノートを借りることに宿題の解決策を見出したのび太くん。ところが不用意にも「しずかちゃん」と呼んでしまったために、またまた一般的なしずかさんが集まることとなります。




今回もスタッフの遊び心は満点で、何故かガン子ちゃん(ジャイ子の友達)にそっくりな自称「しずか」キャラを筆頭に、亀井静香さん(国会議員)、静御前さん(白拍子)、荒川静香さん(スポーツ選手)など、モブキャラに古今の「しずか」を勢揃いさせます。(伊藤静も居たのだろうか)




ということでまたコンベアーを緊急停止させ、満を辞して「源静ちゃん」とコールしますが、そこはお約束。ちょうどお風呂中に呼び出す形になり、怒られてしまいます。(いくら隠すためとはいえ、体洗いながら浴槽に入ってるのは…)






「まさかお風呂に入っているとは…」






いやいや、十分予測出来たことでしょうよ。




気を取り直して、再度秀才の招喚計画。今度は出木杉君です。






「出木杉ヒデトシくん!」(英才はヒデトシと読むらしい)






しかし呼び出したはいいものの、親切にも、出木杉君は答えを導く過程まで教えると申し出ます。さっさとノートだけ借りたい時に親切にもこういうこと言われると、否定もしづらいんですよね。(経験者は語る)




親切にもコンベアーの上で解説を行う出木杉君でしたが、肝心の答えの所でコンベアーの端が来てジ・エンド。答えを聞きそびれてしまったのび太くんは「答え~~!!」と大いに慌てます。出木杉君は解説を全て終えていたはずなので、のび太くんが彼の解説を一切理解していなかったことは明らかです。




さて、宿題の方は一向に進まず、自助の努力も「やる気がまるで無い」と全否定するのび太くん。そこでドラは、「のび太くんのやる気を出してくれる人」をコールします。




「そんな人居るのかな~」と半信半疑ののび太くんの前に現れたのは、アイドルの伊藤つばさちゃん。いきなり流されてキョトンとするアイドルに、ドラが臆せず頼み込みます。






「突然ですみません。宿題をやらない彼を、励ましてやって欲しいんです。」






字面にすると実にマヌケですが、そこはプロのトップアイドル。嫌な顔一つせず、ノーギャラなのに精一杯の愛想を振りまいて帰って行きました。(僕なら長渕を呼ぶ)




終始デレ顔の二人、今度は「ポーっとしちゃって、宿題どころじゃないや~」などと言い出します。本末転倒もいいとこですが、でもまぁアイドルに目の前で応援されたら、宿題どころじゃないよね。(長渕を呼べば良かったんだ)






しかし、気がつけばコール回数はあと二回。元々は「九州のおじさん」を呼ぶために出した道具、のび太くんは本懐を遂げるべく「ヤマダヘイスケおじさん」に再チャレンジします。




しかし出てきたのは一升瓶を抱えて、完全に出来上がってるヤマダおじさん。炭坑節を歌い、かなりの酩酊状態で完全に正体を失っています。急いで小遣いをねだるも全く要領を得ず、おじさんは終いには寝始め、コンベアー一回分は無為に過ぎました。




まだ日の高いうちからかなりの大酒を飲んでいい気分のおじさん…というのはなかなかリアリティがあります。本来東京に行くはずが、飛行機が飛ばず残り一日ヒマになった。家に帰って部屋着に着替え、くつろいでもう何もすることがない→焼酎でコップ酒、というコースは極めて合理的な展開です。こういう生活、いいですね。(しみじみ)






さて、結局終わってみれば道具を使ったのに小遣いは貰えず、一方宿題も出来ていない。呼べるのはあと一回だけ。ここで二人は総括を始めます。






の「今まで出てきて良かったのって、つばさちゃんくらいじゃないか」




ド「ミィちゃんも良かったよ」




の「そんなことで一回無駄にして」




ド「そんなことって何だ!無駄とは何だ!」






しかし、ここから話が変な方向に進みます。きっかけは、最後の一回はつばさちゃんを呼ぼうというのび太くんの発言でした。






ド「ダメダメ!つばさちゃんは忙しいんだから、何度も読んだら迷惑だろ!」(亀井静香の方が忙しそう)




の「あと一回くらい良いじゃないか!」




ド「ダーーメ!」




の「何だよ!自分のものでもないくせに!」




ド「つばさちゃんはみんなのものなの!」(至言)




の「じゃあ僕だって呼ぶ権利があるだろ!!」




ド「絶対ダーーメ!!」






嫌な意味で、実にリアリティのある会話です。国民的アイドルの追っかけからニコ生主の囲い厨まで、色んな場所で色んな人がこれと似たような主張を至極真面目に戦わせている昨今、果たしてトップアイドル・伊藤つばさをドラえもんのひみつ道具で僅かながらも独り占めすることに正統性はあるのかというテーマは、とても示唆的な話題を現代社会に提起しているのかもしれません。(多分そんなことはない)






このどさくさでのび太くんが叫んだ「ドラえもん」がマイクに拾われてしまい、ドラがコンベアーで運搬されるというシュールな画が、このお話のオチとなりました。








「コピー頭脳でラクしよう」






本屋さんの店頭で悩むのび太くんから、話は始まります。




確かに小遣いが限られてると、何の本(マンガ)を買うのか迷いますよね~。そんで買った最新刊が既に買ってたモノだったりってのも、よくあります。




さて、何を買うか一向に決められないのび太くん。そこにドラの声が掛かります。


慌てて周囲を見渡すのび太くんですが、ドラの姿はありません。しかし、本の方へ向き直すと再びドラの大声が!




振り返ると、タヌキによく似た猫が仁王立ち。ここでようやく、のび太くんは一連の声の主がタヌキによく似た猫だと気づきます。(こののび太くんの一連の不可思議体験は薬物中毒者の幻覚症状とよく似ています)




マンガよりも宿題だと小言を言うタヌキ猫に「ドラえもんみたいだ」とこぼすのび太くんですが、タヌキ猫は「僕ドラえもん!」とうそぶいてみせます。






家に帰ってタネ明かし。ドラの手が空かなかったので、タヌキによく似た猫をカツオブシで釣って生体ロボットに仕立て上げ、様子を見に行かせたのでした。




この生体ロボットとは、人間の頭脳をコピーしてロボットの電子頭脳(CPU的なもの?)に代え、これを対象動物の電子頭脳とすることにより、以て対象動物を当該人間のロボットとする道具、という理解で良いようです。




ここでのび太くんがシンプルな疑問。






「君って人間だっけ?」






そうです!ドラちゃんはロボットなのです!




本来、生物が生物をロボット化する道具であるはずが、ロボットが生物をロボット化する道具として使われているのです。これは重大な逆転現象で、SF的にも是非深く考えられるべき問題であります…が、ここはドラの「人間並みだ!むしろ君以上だ!」の一言で流されました。(人間以上だからこそ危険)




さて、のび太くんが「コピー頭脳」を外すや、忽ちタヌキ猫は普通の四足歩行の喋らない猫となり、ドラのカツオブシにありついて大喜びで帰って行きました。(ああいうブロックのカツオブシは高い)




のび太くんは「コピー頭脳」に興味津々ですが、機先を制してドラは早々にポケットにしまいます。なんだとばかりに寝転がるのび太くんでしたが、直後にママが来て、「ぶらぶらしてるなら」とお遣いを言い渡されます。




ちょっと油断したのが運の尽き、弁解もそこそこに買い物袋を押し付けられたのび太くんは、宿題・試験があるのにお終いだと泣き落しに入り、ドラから首尾良く「コピー頭脳」を手に入れました。






「コピー頭脳」の使い方は簡単。まず、額に道具を押し付けていわゆる「頭脳」をコピーします。性格・知識・嗜好など頭の中の全てをコピーするにも関わらず処理は一秒くらいで終わってますけど、一体中身は何MBくらいなんですかね…。(心はコピーできますか)




次に、ロボットになってくれる動物探し。これが一番大変そうなのですが、外を歩いていた猫に声を掛けたところ、面白そうだからという理由だけでロボットになることを快諾してくれました。(しょせん猫は猫)




早速「コピー頭脳」をつけたところ、猫は二足で立つようになりましたが、買い物袋には一瞥をくれただけで、すぐ横の座布団の上で昼寝を始めます。まぁ本人が行きたくないからロボットを用意したわけであって、本人の思考を完全にコピーした猫が買い物に行くハズが無いのは当たり前です。




しかしドラは諦めません。曰く、本人が「固く決心」すればロボットは買い物に行くと言うのです。




言われるがままに、顔を真っ赤にして「決心を固める」のび太くん。決心ってそんな具体的・刹那的かつ明確に固められるもんかなぁとも思いますが、一応ちゃんと固まったらしく、のび太くんの決心を受けて猫が買い物に向かいます。




これで一件落着、のび太くんは宿題に集中出来る…かと思いきや、「僕のすることだ!不安で勉強なんかしてられないよ!」と猫の後を追いかけます。






ドラは呆れ顔ですが、これは実に理の通った話でして、素直に考えれば、猫が買い物に行く決心=のび太くんが買い物に行く決心なので、猫に実際に買い物に向かわせる程度の決心を固めたということは、本人にとっても自ら買い物に行くに足る決心を固めたと言うべきですから、猫に続いてのび太くん本人が買い物に向かうのは至極真っ当と言えます。(回りくどい言い方)




翻って、冒頭のドラとタヌキ猫の関係については、ドラは決してのび太くんの所へ行きたくなかったわけでは無く、忙しいばかりに行きたくても行けない状況であったことがロボットを頼む理由でしたから、タヌキ猫だけ本屋に向かった説明が付くわけです。制作陣・ストーリーの妙ですね。(こんなこと考えてなさそう)





と言いつつも、猫の方は順調に買い物をこなしていきます。猫が二足歩行で買い物袋の野菜を運ぶ光景を、道行く人は一体何だと思っているのか気になりますが、道中誰にも止められることなく猫は買い物を済ませ、無事家まで帰り着きます。




ママに褒められ一件落着…の筈でしたが、そこはのび太。さらに欲を出して道具で遊ぼうとし、ドラにたしなめられます。






「君に貸すとロクなことがない!」






激しくなじるドラに、ムキになるのび太くん。王道パターンに今日は猫も加わってドラを討ち、意気揚々と遊び回ります。




立ち読みをし、しずかちゃんともバドミントンをし、一通り遊び終わって次に何をするか悩む一人と一匹は、今度は空き地で昼寝を始めました。(いい身分)




しかし午睡を楽しむも束の間、自分の席(そうだったっけ?)を取られたジャイアンが怒鳴り込み、空き地から追い出された猫とのび太くんはほうほうの体で逃げ出します。




あらためて猫をロボットとすることに頼り無さを覚えたのび太くん。猫に代わる次なるロボットとしたのは、巨大な犬でした。(よく近づけましたね)






空き地で漫画を読むジャイアンとスネ夫に真正面から挑む、犬。二足歩行で自分の背丈を超えるかという巨大な犬に対し、土管の上のジャイアンは「なんだ」と怯む様子も見せませんでしたが、犬はいきなりジャイアンの胸ぐらを掴むと「ワン、ワン」などと鳴きながら殴る蹴るの暴行を加え、さらに現場に居たスネ夫を睨むなどして威力により威嚇し、以て二人を空き地から退去させました。




この力技には、のび太くんもご満悦。次は何をして貰おうかと考えていた所で、宿題の存在を思い出します。




しかし、生体ロボットの頭脳は元々のび太くんの頭脳のコピーなので、この犬に限らず生体ロボットがのび太くんの宿題の手助けを出来るはずがありません。そこで目をつけたのが、またまた秀才の答えを写すというもの。






犬は出木杉宅敷地に入ると、はしごを使って同宅二階にある窓から勉強部屋に侵入し、同部屋で勉強中であった出木杉に対し「手が邪魔」などと言いながら手を押して宿題の解答が記載されているノートの中身の一部を自己の使用に供する目的で閲覧、その後はしごを使い地上に降り、その際に若干の衝撃があったものの、そのまま歩いて敷地外へ逃走しました。(身勝手かつ悪質)






ところが、ここから時間が飛ぶ間に話が急展開します。




のび太くんは犬の働きぶりに安心したのか夕方まで空き地で昼寝を決め込み、心配していたドラに起こされて事故が発覚しました。




ドラ曰く、長いあいだコピー頭脳を付けてると乗っ取りが起こり、犬は時間と共にのび太になりきってしまうというのです。(影刈りかな?)




二人は大慌てで犬の足取りを追おうとします。出木杉家を出た後、本屋、しずかちゃん家を経て、野比家に至って遂に犬を発見しますが、もはや犬は完全にのび太化していました。しかも完全に自分がのび太だと信じ込み、本物を追い出すようドラにまでけしかけます。




全く疑うことなくのび太として振舞う犬の前にパパもママも全く声も無く(実際そうなるかもしれない)、本物の方は外で途方に暮れている所で話が終わりました。特にオチなどもなく、自分以外のもう一人の異形の自分が出来上がってしまったという実に不気味な終わり方で、例えば犬が自分は真ののび太でないことに気付いたらどうなるのか、犬が本当に真ののび太でないと100%言い切れるのか、そもそも僕自身についても自分がそういった本物の自分であるという保証はどこにあるのか…などなど、色々考えさせられる複雑な幕切れでした。(考えすぎ)












大魔境も存外、生体ロボット化した犬の末裔なのかもね。








福田