HとMとRがEZチルを作り上げる

イージーチルが Hello! Project と Movie と Ramen について綴った備忘録です。


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バットマン vs スーパーマン
ジャスティスの誕生

見てきました。

バットマンとスーパーマン、2人のスーパーヒーローがなぜ戦うのか? どういった経緯で2人が拳を交える事になるのか=動機を観客の多くが観に来ている。 

しかしこの作品で提示される動機は物凄くあやふやで曖昧である。

バットマンがスーパーマンを憎む理由は、冒頭で描かれる「『マン・オブ・スティール』の裏側(別視点)」で全て説明されている。製作陣はそう思い込んでいるが、説得力がまったく感じられない。

オープニング以降、バットマン(ブルース・ウェイン)がスーパーマンに対してヘイトを抱く理由が描かれないにも関わらず、バットマンはスーパーマンとの対決に向けて自動的に進んでいく。

スーパーマンの活躍に嫉妬するバットマン、こういう構図ならまだマシだったとさえ思う。 
 
そもそもこの映画、どのキャラクターも「何がしたいのか分からない」。バットマンはどこに向かっていたのか? どのような世の中を望んでいたのか? そのためにどんなアプローチをしていたのか? 描こうとしていない。理解できない。

スーパーマン(クラーク・ケント)もしかり。超人として人命救助しているだけでは飽き足らず、新聞記者の身分を利用して積極的に世論を操作しようとする。そこに存在するべきイデオロギーが見えてこない(描こうとしていない)ので、記者クラーク・ケントの意思に反する立場の編集長との軋轢の構図が理解できないし、そこから発生するべきスーパーマンへの感情移入も不可能。

この作品で唯一明快なのは、レックス・ルーサーという悪役キャラの方向性。彼はクリプトン星の技術を悪用してカオスを生み出そうとしている。方法は違えどジョーカーのような動機を持ったキャラクターである。

レックスが悲願の成就に向かって邁進していくのに対し 、バットマンとスーパーマンの目的は設定されず、両者はヒーロー同士の激突という「目的になるはずのないゴール」に向かって進んでいく。そういった展開のお粗末さに途中からやきもきし、イライラしてくる。

レックスの方向性が明快とは書いたが、あくまでも相対的な見方であって、彼の狙いの全貌が明らかになるまで膨大な時間を要する上、明らかになった途端に「おまえそんな小物だったのかよ」と落胆させられる。(そのレックスが迎える末路、なんだありゃ?) 

ひたすらにカオスを望むだけの悪役なら、カオスに対する抑止力としてのスーパーマン(あるいはバットマン)に向けてヘイト(憎しみ)を貯め込んでいく展開が必須だが、大金持ちの道楽の延長線上で終始楽しげに目的を遂行する姿には『ダークナイト』のジョーカーのようなカリスマ性は感じられず、非常に矮小化された悪役に成り下がっている。

動機が見えないのはクラーク・ケントの恋人であり新聞記者でもあるロイスも同様。中東のテロリストに捕まっているシーンから登場するが、どういう経緯で捕まったのかを省略するのはまだしも、ただの新聞記者が何のためにリスクを冒したのかが分からない。

理解できない展開の中でロイスがスーパーマンに助けられたところで何の感動もない。中東なのにレックスコープ製の銃弾が使われた謎が提示されるものの、果たしてその「謎」に興味を持てる観客がどれくらいいるのだろうか? キャラとキャラをつなげる接点の作り方が大雑把すぎる。

一番理解できないのがワンダーウーマンというキャラ。『ダークナイト・ライジング』におけるキャットウーマンのような立ち位置で度々登場するが、彼女の動機も圧倒的に描写不足だし理解できたところで同情しようがない。クライマックスで颯爽と登場して美味しいところをかっさらうのは結構だが、彼女をメインキャラの一人として感情移入させる努力をするべきだった。


レックス・ルーサーが目的を達し、カオスが生じたところでようやくスーパーヒーローとして覚醒するワンダーウーマン。お預けを食らっていたマゾ奴隷は喜んだかもしれませんが、そこに至る手順の稚拙さで完全に冷めてました。(でもワンダーウーマンのテーマ曲はマッドマックスに通ずるジャンキーXLテイストで良かった!) 

バットマンがスーパーマンを憎む理由は凄く曖昧。じゃあスーパーマンがバットマンを憎む理由は? これも曖昧というか、こじつけるにもひどすぎ。「バットマンは自分の街の一部しか守らない」と非難じみたセリフを言わされているスーパーマンですが、ヘイトの動機として描かれていると言うには程遠くて。

結局は「レックスに育ての親を人質に取られて脅迫されたからバットマンと戦う」という馬鹿馬鹿しい理由で対決に向かうのです。スーパーヒーローとして最も高貴なはずの男が、テロリストの脅迫にあっけなく屈する。その発想は無かったわ!(怒) 彼女がさらわれた時はどんな場所でもすぐ助けに来るのに、母親への暴力には無力なのも雑。

クライマックスの戦い自体はテンションも高くてデザインも悪くない。だからこそ、ここに至るまでの展開が雑すぎた事に腹が立って仕方なかったです。各キャラクターが情報を入手する経路がどれもピントずれてて理解できない。脚本も編集もおかしい。

前半から中盤にかけてのアクションシーンはどれもこれも駄目! 中東っぽい砂漠地帯でバットマンが傭兵と格闘した末に捕獲されるシーンはダークナイトトリロジーの時より退化している。キレも無いし説得力も無い。おまけにバットマンがスーパーマンによって覆面を脱がされるのも含めて全部バットマンの夢だったというオチ。予告編で使っておきながら「夢でしたー」って客を舐めてるとしか思えない。ひどすぎる。

バットモービルを駆使してのカーアクションも低調すぎてビックリ。ダークナイトの実写にこだわったがゆえの重厚感とスピード感に比べて、CGっぽさが隠し切れない今作はフレッシュな描写も少なく、見ていてどんどん酸っぱい顔になっていきました。(フレアを発射して着弾回避するのは良かったけど) 最後にバットケープに入るところが一番カッコ良いという皮肉。

クライマックスはクライマックスで、ドゥームズデイが現れた時の「うわ、カッコ悪」という印象は否めず。もっとデザインどうにかならなかったのか。攻撃してもそのエネルギーを吸収するという理屈は分かるけど、自分中心に爆風(衝撃波)を轟かせる唯一の技らしきものを乱発するのも馬鹿馬鹿しい。無駄なインフレ感。

ドゥームズデイを倒す唯一の武器、クリプトナイトで作った槍をめぐる展開もドタバタしすぎ。ロイスが槍を水中に捨てる行動、なにあれ? 意味が分からない。スーパーマンに害をなすクリプトナイトを廃棄しようとしたの? クリプトナイトがスーパーマンにとって天敵である事を知る描写はありましたか? (あったかもしれない) 行動原理が理解できないロイスが槍を再び引き揚げようとして溺れそうになってても「馬鹿かよ」としか思えない。

・・・とまあ、色々書いてきましたけど。

バットマンとスーパーマンが戦う映画を見に来たとはいえ、両雄のうちのどちらかが勝利するという結末にならない事は容易に想像できるわけで。両雄の激突と、両雄が立ち向かうべきラスボスの登場に向けて、いかにして期待感を高めていくのか、それに向けてどう工夫しているのかを2時間半の上映時間で見せつけて欲しかった。

しかし結果として出てきたのは「ストーリー展開なんてどうでもいいよね? ポイント(主にアクション)だけ適度に頑張って、残りは編集でどうにかしまーす」みたいな醜悪な意識の集合体。

製作費として2.5億ドルもつぎこんだ超大作アクション映画のシナリオがこれほどまでに歪である事に愕然としたし、怒りさえ覚えました。なぜ腹が立つかって、DCコミックス系のヒーロー大集合シリーズ『ジャスティス・リーグ』の布石でしか無かったという点。ゴールを設定して、そこに到達さえすれば観客の期待に応える事が出来ていると勘違いしている製作陣の意識の低さ。クリストファー・ノーランも関わってるのになんでこうなるのかな…

以上、2016年ワースト映画『バットマンvsスーパーマン』についてのレビューでした!
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イージーチルことヨシダジョージが2015年に見た劇場公開映画について振り返りまーす!

今年に入って、映画館で見た映画はトータルで52作品でした。

2014年のランキング(link)はレンタルで見た作品もランキングに含めましたが、今年は映画館で見たものだけに限定してみようと思います。

それでは一気に行きますよー。作品タイトルをクリックすると、各作品に対して書いたレビューエントリが開きます。書いていないものもあります…

1. ベテラン
2. マッド・マックス 怒りのデス・ロード
3. 名もなき塀の中の王
4. セッション
5. グリーン・インフェルノ
6. イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密
7. エール!
8. KANO1931 海の向こうの甲子園
9. 最後まで行く
10. 海にかかる霧
11. ジャッジ 裁かれる判事
12. アントマン

13. クリード チャンプを継ぐ男
14. 恋人たち
15. 神の一手
16. コードネームU.N.C.L.E.
17. 進撃の巨人 前篇 ATTACK ON TITAN
18. プリデスティネーション
19. ジョン・ウィック
20. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
21. 野火
22. ストレイト・アウタ・コンプトン
23. 私の少女
24. ナイトクローラー
25. ジュラシック・ワールド
26. ラン・オールナイト
27. 博士と彼女のセオリー

28. シェフ 三ツ星フードトラック始めました
29. スペシャルID 特殊身分
30. キングスマン
31. 激戦ハートオブファイト
32. 群盗
33. ビッグアイズ
34. ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲
35. エベレスト3D
36. ヴィジット
37. スター・ウォーズ/フォースの覚醒
38. ガールズ&パンツァー劇場版
39. フォックスキャッチャー
40. バードマンあるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡
41. チャッピー

46. ワイルド・スピード/SKY MISSION

48. ジョーカー・ゲーム
49. 007/スペクター
50. 進撃の巨人 後篇 END OF THE WORLD
51. ホーンズ 容疑者と告白の角
52. 奪還者

トップに輝いたのは韓国映画『ベテラン』です!2年連続で韓国映画が1位になっちゃった。偏向偏向☆ スカッと爽快な刑事アクション。主人公は魅力的で人間味にあふれていて、仲間たちは個性豊かで面白い。悪役はとことんイヤなやつで、打倒した瞬間にカタルシスMAX!

しかしそういう設定だけじゃなくて、オープニングからクライマックスまで、徹底的に丁寧に盛り込まれた熱いドラマ性と的確に張られた伏線の数々と派手で綿密なアクションをバランス良く配置。リュ・スンワンの映画作家としての覚醒っぷりに脱帽しました。まだ公開中なので是非チェックしてください。

2位は『マッド・マックス/怒りのデス・ロード』。この作品は「当然1位でしょ」「あえて外すか」というレベルの歴史的な傑作だし4回も見に行ったんで文句なしです。ものすごくシンプルなストーリーに巨大な世界観と膨大なアクションのアイディアをやけくそ気味に載せきったモンスター映画。その中に人間ドラマと成長をしっかり練りこんである奇跡のような作品。

3位は『名もなき塀の中の王』。低予算ながら、刑務所の中だけで物語の全てを語りきる大胆さと、そこで描かれる主人公の成長譚は私のドツボにハマりまくりで泣きまくり。会話というアクションがかきたてるスリルと感動。言葉を信用できないがゆえに暴走する孤独な魂。上映規模がとても小さかったので見逃してる方多いと思いますが、ソフト化の際は是非チェックしてください。

4位『セッション』。これも低予算ですね。一流ジャズドラマーを目指す主人公が鬼教師からの罵倒と体罰を浴びせられ続ける映画。「才能」という概念に対する回答を映画というリズムの中に凝縮しきった脚本には圧倒されるばかり。ラストシーンからエンディングの流れ(およそ10分)に関しては映画史に残るといっても過言ではありません。『ダークナイト』を連想したのは自分だけではないみたいです。

5位『グリーン・インフェルノ』。悪趣味の極みとも言うべき「食人族」映画。色んなキャラが食人族に食べられていきます! しかしそんなエクストリームな描写の隙間に、丁寧で完璧とも言うべき伏線回収の技巧が盛り込まれています。面白くするための努力と熱意がビンビン感じられる素晴らしい脚本。なおかつ社会風刺性にも満ちている、大人こそ楽しむべき娯楽作。

6位『イミテーション・ゲーム』。ノンフィクションもの。ナチスドイツ軍が誇った暗号機エニグマのシステムを打ち破るべくイギリスの数学者アラン・チューリングが世界初のコンピューターを作ろうと奮闘する話。地味なあらすじからは想像できないくらいドラマチックだし、キャラも立ってるし、カタルシスある。それを3本の時間軸で描いていくシナリオには感服しました。

7位『エール!』はフランス映画。父も母も弟も耳が聞こえない、健常者のポーラが歌の才能に目覚めて自己を確立していく青春映画であり、コメディであり…フランス映画らしい感動がたっぷり詰まった素晴らしい作品。今年は親子の関係性を描いた映画に泣かされまくった。レビューは書いてないけど、あまりにも感動したため、とあるアイドルさんに前売り券をプレゼントしたほどハマりました。

8位『KANO1931』は台湾のノンフィクション映画。1931年に台湾代表として高校野球甲子園大会に出場し、快進撃を見せた実在の高校球児たちを描いた感動作!中盤からラストまでずっと泣きっぱなしだったのは、野球というスポーツの喜びと素朴な台湾球児たちの成長が見事に描かれた作品だったからです。台湾人俳優(素人)の日本語演技と野球シーンの熱演は感動間違いなし!

9位『最後まで行く』。韓国発のスリラー。兎にも角にもストーリー展開が面白すぎる。映画としての空気が転換していく感じも素晴らしい。伏線の使い方もめちゃめちゃ上手くて痛快! ものすごい事が起きた後でのオチがこれまたビックリ。逆にビックリ。とにかく良い意味での驚きに満ちた素晴らしく面白い映画!

10位『海にかかる霧』。韓国-中国間の海で起きた密入国者の死亡事故を描いたサスペンススリラー。中盤のある展開に「えっ!?」と思うこと間違いなし。ストーリーがどこに辿り着くかが気になるのも確かなんですが、イヤな事が起きそうな予感を喚起する技術が凄い(グリーンインフェルノにも通ずる部分)。流石はポン・ジュノ脚本。ヒロインのハン・イェリのブスカワ感が最高。

11位『ジャッジ 裁かれる判事』。ロバートダウニーJr. akaアイアンマンが、殺人容疑で逮捕された父親を弁護する法廷サスペンス。都会人が故郷に戻って人生を見つめなおす系の映画ではあるんですけど、父親との関係性だけじゃなく色んな側面から自分自身と向き合い、成長していくボリュームたっぷりの物語には圧倒されました。

12位『アントマン』。マーベルシネマティックユニバースの一環で新たに立ち上がった新キャラ。アリ男。伏線使いの達人エドガー・ライトが書いた脚本だけあって面白くならないわけがない。縮小と拡大を繰り返すアントマンの特性もアクション的にすごく面白いし、ダメおやじが再起しようとするストーリー展開も熱くて笑えて最高です!

というわけで以上12本が、自分の中で「文句なし!!」「☆5」な作品でした。ランキングの文字の大きさが、自分が決めた「☆の数」を表していてます。

13位から27位までは「かなり好き!」「☆4」の作品。

28位から41位は「まあまあだけど欠点が目立つ」「☆3」。

42~47位は「好きになれない」「☆2」。

48~52位は「なんじゃこれ? ふざけんな!」「☆1」となります。

52本という数字は、「週に1本のペースで見たいな」という年始の目標を達成したという意味で納得しています。来年はもっと見たいな!

この後実家に帰省するので移動中に部門別に受賞者を発表しようかなと考えてまーす。以上!
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スターウォーズ/フォースの覚醒

見ました。ユナイテッドシネマズとしまえんにて、12月19日午前9時の回を、IMAX3D版で。


スターウォーズと私、みたいなスタンス紹介は面倒くさいので書きません。


オープニング、あっけらかんとした字幕で背景を説明するスターウォーズ文体は相変わらず。エピソード4-6の主人公ルークが失踪、帝国軍やレイア(将軍でありルークの妹)たちが彼の行方を追っている状況だそうな。レイアは一人の優秀なパイロットをとある惑星に送り込んだ、と。

夜の惑星で老人からペンダントのような物を受け取る男。すごく大事なアイテムらしい。同じ星に降下船に乗ったストームトルーパー(白いアーマーを着た雑魚兵士)が大量に押し寄せる。その中で一際目立つ黒いアーマーの男。

ペンダントを受け取ったのがレイアの使者であるポー・ダメロン。黒いアーマーを着ているのがカイロ・レン。

カイロレン率いる帝国軍部隊は村人を虐殺してポーを炙り出そうとする。ポーは球体型ドロイドBB-8にペンダントを託して「遠くへ行け!」と命じる。カイロ・レンは圧倒的なフォースの力を見せつけてポーを捕らえる。

…という流れ、子供でも分かるシンプルなカット割りで描かれていきます。

(個人の感想→)僕がスターウォーズを見てて一番違和感があるのはストームトルーパーが兵士に見えないところなんですよ。チンタラ歩いて馬鹿みたいに光線銃をバラまいて、テキトーに死んでいく。相手が戦闘能力の無い民間人であったとしても、人間が戦ってるように見えない。

そんな無機質なストームトルーパーなんですけど、1人だけやたらと大袈裟な芝居で人間味を強調する奴が登場するんですね。民間人を撃つことに躊躇したり、仲間の返り血に狼狽えたり。

このストームトルーパーは予告編でヘルメットを脱いでいた黒人キャラ(フィンという名前を付けられる)なんですが。アーマーを着たフィンの感情表現って、戦場の緊張感の無さとストームトルーパーに対する演出不足が下敷きにあるからこそ成立してる(理解できる)ものなんです(断言)。

率直に書くと、ストーリー展開がスターウォーズ的なゆるいリアリティと古い世界観の範疇でしか動かないから面白さを実感できないんですよ。なんで?と指摘し始めたらキリがない。

一種の幼稚さを受け入れるのが大人なんでしょうけど、世界観以外にもこの作品のシナリオに弱点が多いからノリきれないし燃えきれないんです。(←個人の感想です)

ポー・ダメロンはカイロ・レンのフォースの前に成す術がなく、帝国軍の捕虜となります。

物語は謎のペンダントを託されたBB-8の行方にフォーカスしていきます。

ポーやカイロ・レンが立ち回りを見せたのと同じ星でスカベンジャー(廃品集め)として生活している少女・レイ。砂漠のど真ん中で沈黙しているスターデストロイヤー(巨大戦艦)からパーツを取り外して業者に買い叩かれる日々。家族はいないらしい。

砂漠ですれ違った人物(異形のエイリアン)がBB-8を網に入れて引きずって歩いてるのを見て「放しなさい!」と言い、開放させます。

…他人が持ってるドロイドを勝手に奪うのは普通の事なの? そりゃまあ観客としては(可愛い上に大事なアイテムを持ってるBB-8を引きずって歩くなんて非道い!)と思ってるだろうからレイの行動は間違ってないんでしょうけど、雑魚キャラには雑魚キャラなりに行動原理が欲しい。レイとBB-8の出会いがこんなにアッサリ(たまたまというか運が良かっただけ)で良いのかな?と思いました。

カイロ・レンはポーをフォースで拷問し、ペンダントを隠したドロイドの存在を吐かせます。このフォース拷問描写はフリになってる上に新鮮だったんじゃないでしょうか。

レイが再びジャンク屋に赴くと、店主から「そのドロイドならこれだけ(大金)を払うぞ」と提示されます。レイは悩まし気な顔をBBに向けて「悪いわね」とつぶやきます。

そして「売りものじゃないわ」と続けて大金を諦めます。ここの緊張→緩和演出は見事でした。

ストームトルーパーの黒人ボーイは相変わらず苦悩していて帝国軍兵士としての意義を見出だせないままで、特に決定的なきっかけが無いままに裏切りを決意。

黒人ボーイが新兵のくせに単独行動とか、捕虜と一対一で行動できるとか、相変わらずリアリティに欠ける状況が展開。ポー・ダメロンを逃がしてタイファイターに乗って逃走する流れもスリルが無さすぎて納得できません。帝国軍の警備はどこもかしこもゆるすぎ

あとは主要キャラを簡単にくっつけてしまう感じが面白みに欠ける。くっつける(出会う)のは構わないけど、もっとタメがいるでしょ(←個人の感想です)。

ポーと黒人ボーイ(FN-XXXXという固定番号を由来にフィンと名付けられる)は、あと一歩のところでカイロ・レンの乗る戦闘機に撃墜され、ジャクーに不時着。フィンは自分が乗っていた機体に駆け寄るが、ポーの姿を見付けられず、彼のジャケットを形見に砂漠を彷徨う。

惑星ジャクーを再び襲撃する帝国軍。レイはBB-8を奪われまいと両手持ちの棒(鉄パイプ的な)で戦う。その光景を見ていたフィンは間に割って入り、レイを救おうとする。レイの棒さばきは見ててフレッシュだったんですけど、特に伏線にならなかったから残念でした。

ジャクーにはなぜか宇宙船が沢山駐められているのでレイとフィンはそれを目指してダッシュ。

「あの船は?」「あんなオンボロ船ダメよ!」「じゃああっちの船!」

目の前で船が大爆発(CMでも見れるやつ)

オンボロ(ミレニアムファルコン)に乗るしかない!

という流れ。工夫が無いとは言わないけど、主人公たちと「ミレニアム・ファルコンという象徴」があまりにもあっけなく結合するのに違和感。「出会い」までの「タメ、流れ」が存在しない。乗ってみればオンボロでもなんでもないし…

レイとフィンはジャクーから逃げられたわけですが、すぐに中型のドック船(なんて表現すればいいのかわからない)に捕縛されてしまう。そこにいたのはハン・ソロとチューバッカ。

「なぜ俺の船に乗ってるんだ」「帝国軍から逃げてきただけ!」「チューイ…家に帰ってきたぞ」「おおおおおん!」

などというやりとりがあるんですけどね。

これも「簡単にくっつく」典型で。つまり、旧シリーズファンが待ってる要素(いっぱいある)を作中に配置しようとすると、要素と要素の距離感がせまくなって、いかに作りこむかという部分に工夫を盛り込めない。本当に上手い脚本になり得ないのも致し方ないってことなのかもしれません。残念。

ハン・ソロが取り戻したかったであろう船はジャクーのジャンク屋のそばに放置されてて誰でも乗れる状態だった。意に反して船を奪われていたハン・ソロはなぜミレニアム・ファルコンを手放したままだったのか? この辺のロジックがよくわかりません。

「出会った」レイ、フィン、ハン・ソロの元に借金取り傭兵軍団がやってきて、テンヤワンヤ。ここで『ザ・レイド』に出演していたインドネシア人俳優、イコ・ウワイスとヤヤン・ルヒアンが登場。スターウォーズファンがハリソン・フォードの登場に興奮したように、私はこの2人の登場に大興奮。

しかし2人の超絶アクションは不発のままで、巨大モンスターにあっけなく食べられてました…残念すぎる。(でも後半でトンファーを使った格闘アクションが出てくるので、そこはイコ・ウワイスが振り付けしたシーンなんじゃないかとにらんでます。)

2人の扱いはともかく、巨大モンスターで大混乱に陥るこのシーンはスター・ウォーズらしい派手さがあって良かったと思います。あとはチューバッカの感情表現が良かったですね。「ジョージ・ルーカルは人物の演出がまったく出来なかった」というのも納得しちゃうほど、チューバッカというキャラが旧シリーズより魅力的になってます。

主人公たちはハン・ソロの導きで安全と思われる星へ移動。酒場を牛耳る新キャラ(眼鏡っ子)が登場。ハン・ソロの旧友だそうな。

『フォースの覚醒』は「レイがBB-8を堂々と連れ回すから帝国軍にすぐ居場所バレるんだよ」とツッコみたくなりますね。この場面でも帝国軍と通じてるチンピラがBB-8の姿を見て通報するんですよね。「うかつ」「不用意」「緊張感がない」行動をあまりにも連発されると、萎える。個人的にすごく嫌いな要素。

この酒場にはなぜかルークのライトセーバーが安置されてます。ハン・ソロが関わってる場所にそのライトセーバーが保管されてるのは、ありえなくもないので納得。このライトセーバーはキーアイテムとしてどう転がっていくのかが分からなくなったり、タメを効かせた使われ方にもなってるから面白かった部分です。

レイはライトセーバーに触れた瞬間に幻視を目撃し、ショックを受けます。この時点でレイは「横暴に立ち向かう勇気」とか「帝国軍への憎しみ」も持っていないフラットな存在。故郷に戻って、家族を待つという初期衝動に回帰するところが意外性ありました。

そしてフィンも帝国軍から逃げようとするだけのヘタレ野郎。「簡単に出会ってくっついた」レイとフィンが別れるという展開は面白かったです。だからこそ出会いにツイスト(ひねり)が欲しかったなあ。

2人が別れた直後に帝国軍が襲来。レイとカイロ・レンが対峙することになります。

そこにレイア率いるレジスタンス軍が助けに来るものの間に合わず、レイは帝国軍にとらわれてしまいます。ポーの操縦する戦闘機が暴れまわる姿は素直にカッコ良いなあ!すげえ!と思いました。

この辺りでレイアやC-3PO、R2-D2などが登場。おばさんと化したレイア、おじさんと化したハン・ソロが再会する場面は、問答無用、理屈抜きでジーンと来ます。どうしても役者としての人生の重みと壮大な時間の流れを感じさせられる場面なので。

挙動で笑わせてきたBB-8に加えて、しゃべるコメディリリーフとしてのC-3POが登場することで映画全体が締まります。一方でR2-D2は「ルークがいなくなってから動かなくなった」という設定を与えられています。どういうタイミングで動き出すんだろう?と好奇心を刺激してくれる設定。

さらにはカイロ・レン(仮名)がハン・ソロとレイアの息子であること、ルークがカイロ・レンをジェダイとして鍛えていたけどドロップアウトしてダークサイドに堕ちてしまったこと。などが情報として提示されます。

映画は「父親になりきれないのハン・ソロが息子ともう一度向き合う物語」になっていきます。30代男性な自分としては、この物語に心を奪われていきます。今回のレビュー、あれこれ苦言を呈してますが、自分はこの映画を見ながらトータル10回くらい泣いてますからね。

レイアがハン・ソロに向けて「ルークはジェダイ。でもあなたは父親よ」(だから自信を持って!)というセリフは超感動しました!!

カイロ・レンがレイを拷問する場面。カイロレンのフォース(意思の操作)がレイに通じない! 苦痛に耐えながらもフォースをはねのけてみせるレイの姿はめちゃめちゃカッコ良いし、改めて「うわ、この女優さんめちゃ綺麗」とか思いました。前半で見せていたポー・ダメロンの拷問との違いが、レイのキャラクターを引き立ててましたね。

レイア率いるレジスタンスはレイを救うべく球体型の帝国軍基地スター・キラーへの進撃を決定。スター・キラーってのはデス・スターの焼き直し以外の何物でもないし、ちょっとしたスキを突かれるとモロすぎるという構造的な弱点はエピソード4とまったく同じ。帝国軍ってのは過去の敗戦から何も学んでないのかな? 馬鹿なのかな?

ディズニーに「SWファンは旧シリーズと同じ事を繰り返していれば喜ぶ」って思われるのは損だと思うんですけどね。何十年後にエピソード10が4・7と同じことやってたら笑いますね。

レイはレジスタンスが自分を助けに来てくれていると知らず自力で脱出を試みます。しかし、拘束されている状態からフォースを使って抜け出すところは…「今まで見たことがない」ものではあるけど、もうちょっと演出をしっかりしていれば「すげえ!」感を掘り下げられたはず。甘いぞJJ。

スター・キラーを覆うシールドは割と簡単にOFFることができ、ハン・ソロやフィン達は敵の基地内部へ。レイが逃走した事を知ったカイロ・レンは激怒して「早く探せ!」などと暴走。

艦内に監視カメラとかまったく無いのかな? 馬鹿なのかな? と思っちゃいます。カメラが無いのは良いけど、一度も見つからないままにフィンとあっさり合流したのは「なんじゃそら」と思いました。シールドの除去もレイの逃走にまつわるスリルも、制作陣は「そこ」に面白みを見出だしていないから演出が質素すぎ。

結局ハン・ソロとカイロ・レン(本名はベン)が対峙して対話するシーンに集中しすぎて、前後のシーンでいかに面白い(熱い)ことを出来るかには気持ちが向いてないとしか思えないゆるさ。(←個人の感想です)

息子と対面したハン・ソロは説得を試みます。ベン=カイロ・レンは父親の説得の言葉に涙を浮かべますが(え、そういうキャラなの)、ライトセーバーで父の腹部を一突き。

まあこの場面も、「おまえらが個人的なトークしてる間に周りの状況はヤバいことになってるはずなのに物語としては停滞しちゃってますよ」問題が発生してます。テンポが悪い。

ポー・ダメロンがスター・キラーのコアを破壊したものの、全体が瞬時に爆発するわけではなくゆっくり崩壊していく。地割れが起きる地表でカイロ・レンとレイがタイマン。

このタイマンバトルではライトセーバーを駆使するカイロ・レンに対し、レイは棒で対抗。棒が折れたところで、レイが「まだ戦える!」って感じの意地を見せてほしかったですね。二刀流みたいな。

劣勢だったレイが奮起して反撃するのはプロレス的な展開としても当然なんですけど、レイの力を引き出すきっかけ(トリガー)がカイロ・レンが口にした「フォース」という単語なんですよね。

レイの反応を見る限り、「フォース」という単語を耳にしただけで彼女の中の才能が覚醒したように感じられる演出になってる。この演出は思いっきり肩透かし食らいました。ハッキリと「だっせーな」と思いました。呆れました。

その直後、ルークの形見ライトセーバーをカイロ・レンがフォースで手元に引き寄せようとするところで、彼を上回るフォースでレイが対抗するところは、燃えたし泣きました。中盤の伏線が効いてた。

しかし問題はカイロ・レンが弱いところ! レイやフィンと戦っても彼の強さが全然見えない。旧シリーズのダースベイダーのような存在感のあるヴィランにはなりそうにないな、という半端さに終始。今作を見た多くのSWファンは「なぜカイロ・レンは弱いのか」という疑問に対しての答えを探しているみたいですけど、原因の多くは「監督の演出に力が無いから」だと思います。

タイマンは地割れによって不透明決着。これはこれでアリだと思います。取り残されたレイの元に、チューバッカが操縦するミレニアム・ファルコンが現れて、スターキラー壊滅。イェーイ。

レジスタンスの本拠地にやってきたレイはレイアと無言の抱擁。下手なセリフを排除したところは非常に良かったですね。泣きました。

R2-D2がこのタイミングで、なんとなーく起動したように見えるのはすごく残念。ストーリーの都合とか色んな事情で、脚本家がよきタイミングで起こしたようにしか見えない。これも演出不足!! BB-8が近くに来たのを感じての起動とかなら理解できるけど、タイミングを待ってただけにしか見えないから萌えない。

R2-D2がプロジェクターとなって投影した2Dの宇宙地図に、BB-8がピースをはめる。「なるほどルークはここにいるのか!」って展開なんですけど。「BB-8の地図だけでも分かりそうじゃない?」と思いました。こういう細かい部分の詰めが甘いから子供向けだなーと。

ラストシーン、待ちに待ったルーク・スカイウォーカー再登場。断崖でレイと対面するルークはエピソード4のオビ=ワン・ケノービを思わせる歳のとり方。ルークは真のジェダイを育てられるのか? この2人は赤の他人なのか? それとも…

この想像力をかきたてるラストシーンは良かったですね。

トータルで振り返ると。ストーリーのポイントからポイントへ移行していく間の演出が弱いし、燃える展開をもっと盛り込めたはず。流れは悪くないけど、演出が弱い。天下のスターウォーズがこの程度の甘いシナリオ/演出で良いんかな?と思いました。

「新キャラクターが良い!」と言われてますけど、カイロ・レンは無駄にメンタル弱いし戦闘力も中途半端で、エピソード8で軌道修正しないとヤバいでしょ。フィンは凡人っぷりしか伝わってきてないから感情移入しやすいキャラとして使われるんでしょうけど、分かりやすい長所が無いとキビしい。

ダークサイドの大ボス・スノーク(アンディ・サーキスが演じている)はルックス的にガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとかぶってるけど残忍な性格とかの押し出し方では明らかに個性不足。

しかしデイジー・リドリーさん演じるレイは最高! 綺麗で可愛くて強い! 今作の時点で彼女のバックボーンはまったく謎で、それでいて最高なのに…「実はルークの娘でした」とか後付けの設定で「なぜ強いのか」という部分に理由づけしていくのはすごく無粋だと思う。そこが心配です。

エピソード8の監督はライアン・ジョンソン。『BRICK』と『LOOPER』という傑作サスペンスを生み出した実力派映画作家なので、JJエイブラムスに欠けていた部分をちゃんと補強した上でスキの無いSFにしてほしいです。

色々と文句を書きましたが、10回くらい泣いた『フォースの覚醒』でした。以上。
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