★-+-+-★ お手軽クッキングレシピ集 ぬか床の作り方 ★-+-+-★
◆ ぬ か 床 の 材 料 ◆
● 米ぬか(生ぬか) 1キロ
新鮮なもの。(お米屋さん、スーパー等で、手に入る。)
米ぬかは、脂肪分が多く、酸化しやすいので、出来るだけ
新しいものを・・・・・・・。
”煎りぬか”よりも、”生ぬか”の方が、早く、 醗酵します。
私は、知り合いの農家で、新鮮な”米ぬか”を 分けて
頂きますが、新鮮な物が、手に入らない場合は、
”煎りぬか”を 使って下さい。
市販の”煎りぬか”を 使っても、”生ぬか”を 煎っても、OK。
米ぬかは、出来れば、” 無農薬有機栽培 ”の物を 用意して
下さい。
米ぬかは、米の皮に近い部分なので、農薬を 使っている
場合、残留している事も、考えられます。
美味しさと健康のためにも、出来れば、無農薬有機栽培の
物を 使った方がいいと思います。
入手困難な場合は、低農薬米の米ぬかを 使いましょう。
★材 料★
●粗 塩 200g~250g
普通の塩よりは、ミネラル分を 多く含む粗塩の方が、
風味が出ます。
● 水 1リットル
水は、沸騰させて、粗塩を とかすために、使います。
水道水を 使う場合、塩素分が残っているので、沸騰
させてから、使いましょう。
● だし昆布 20センチ角
ぬれ布巾で、表面を 拭いておく。
● 赤唐辛子 3本くらい
種を とって、荒めに、刻んでおく。
● 山椒の実 適 量
小枝を 除いて、実だけにして、軽く、フードプロセッサーに かける。
● 柚子の皮 適 量
皮を 包丁で、薄く、むきます。生でも、乾燥でも、お好みで。
●容 器
ふた付きの陶器、ホウロウ、プラスチックの物。
容器は、熱湯を かけるか、アルコールや焼酎で 拭いて
殺菌しておく。
酸や塩分に弱い、アルミ、鉄は不適です。
本によっては・・・・・・・
醗酵を 即すため、食パン、ヨーグルト、ビールを 入れると、
書いてあるみたいですが、入れなくても、美味しいぬか床に、
なりました。
ちなみに、ぬか味噌の乳酸菌は、植物性で、ヨーグルトは、
動物性だそうで・・・・・あと、ビールは、ホップの苦味が、強く
感じられる事があるそうなので、その辺は、お好みで加えて
下さい。
★作 り 方★
① 鍋に水を入れて、沸騰させて、粗塩を 入れる。
② 粗塩が、完全に溶けるまで、かき混ぜる。
完全に、冷ましておく。
熱いままだと、せっかくの”生ぬか”の栄養が、ダメに
なってしまいます。
③ 大きめの容器(ボール等)に、”生ぬか”を 入れる。
簡単に振るっておく。
④ ③に②を混ぜ込む。手で混ぜても、しゃもじで混ぜても、
その辺は、やり易い方法で・・・・・。
手で混ぜると、ぬかが、くっつくので、最初は、
しゃもじで 混ぜた方が、混ぜやすいかもしれません。
粉っぽさが、なくなるまで混ぜる。
⑤ しばらくすると、しっとりとしてくる。
粉っぽさが無くなったら、手で、こねるように、混ぜる。
⑥ 容器に、⑤を 入れて、昆 布、赤唐辛子、山椒の実、柚子の
皮を 漬けて、表面を しっかりと押さえて(空気を 抜いて)
平らにする。
容器の内、外側を キレイに拭いて、ふたを して、冷暗所で、
一晩ねかせる。
容器の内側、外側に”ぬか”が付いたままだと、カビの発生、
ハエが、よってくる原因になります。
これで、ぬか床の出来上がりぃ~!!では、ありません。
このままでは、美味しい”ぬか床”にはなりません。
美味しい”ぬか床”にするためには??
ぬかを 醗酵させなければいけません。
ここで、「捨て漬け」を します。捨て漬けとは??
作り初めの”ぬか床”は、雑菌の繁殖を防いで、有用な
微生物が活動しやすいように、食塩濃度を やや高めに
調整してあります。
そこで、水分多めの野菜(くず野菜でOK)を使って、発酵を
促して塩分を 調節します。これを 捨て漬けといいます。
捨て漬けをする事で、ぬかが活動を始め、味が、マイルドに
なります。
⑦ 翌日、ぬか床に 空気を 入れるため、天地(上下)を ひっくり
返すように混ぜる。昆布、赤唐辛子、山椒の実、柚子の皮は、
引き続き、そのまま混ぜ込む。
捨て漬け用の野菜を(水分の多い野菜、キャベツ、蕪の葉、
大根、ニンジン などなど)塩を せず、そのまま漬ける。
ぬか床の真ん中に 埋め込むような感じ。
表面を しっかりと押さえて(空気を 抜いて) 平らにする。
容器の内側を キレイに拭いて、ふたを して、冷暗所で、
保存する。
この間は、冷蔵庫には入れない方が、発酵が早く進みます。
⑧ 1日1回(夏場は、1日2回)ぬか床を 混ぜる。
捨て漬け用の野菜は、2~3日たったら、取り出して捨てる。
(昆布、赤唐辛子、山椒の実、柚子の皮は、そのまま)
新たに、(水分の多いくず野菜でOK)捨て漬けをする。
捨て漬け用の野菜は、食べようと思えば、サラダ風にして
食べられますが、本漬けの野菜を食べた方が、断然、
美味しいです。
昆布は、柔らかくなったら、適当な大きさに切って、食べ
てもいいです。再び、新しい昆布を 漬ければ、OKです。
⑨ ぬか床の香りが良くなり、漬けた野菜からも、良い香りが
するまで、捨て漬けを 4~5回繰り返します。
ぬかが、発酵してよい香りがするまで、7~10日程度
かかります。食べ頃は、1ヶ月経ったくらいから。
⑩ これで、ぬか床の完成~。いよいよ、本漬けの開始ぃ~!!
キュウリ、ナス、ニンジン、キャベツ、パプリカ、おくら、大根、
蕪、生姜、ミョウガ、スイカ、トマト(青い物)、ゴーヤー など、
お好みの野菜を 漬けます。
野菜の種類や量により、軽く、塩を まぶしたり、切れ目を
入れたり、葉物は、葉の隙間に、ぬか味噌を 埋め込むように
してから、ぬか床の中に、漬け込みます。
漬ける時間の目安は??
キュウリ 夏場は、 6時間~12時間。 冬場は、1日。
ナ ス 夏場は、12時間。 冬場は、1日。
ニンジン 夏場は、12時間。 冬場は、1日~1日半。
蕪、大根 夏場は、12時間~24時間。 冬場は、1日半。
※野菜の大きさ、室温、お好みで、時間は、加減して下さい。
流水で、野菜に付いた”ぬか”を 洗い、切って、器に
盛りつけたら、ぬか漬けの完成ぃ~♪♪
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ぬか床のメンテナンス
ぬか床には、乳酸菌をはじめ、人間の体に有益な微生物
(腸内に生息する善玉菌の一種)がいて、ぬか床の表面上に
いる物(好気性細菌)は、空気に触れると、ぬか床の底面部に
いる物(嫌気性細菌)は、空気に触れないと、活動が活発化
します。
乳酸菌以外の微生物の数が増えすぎると、ぬか床が、シンナー
臭くなったり、カビ臭くなったりします。
乳酸菌の数が増えすぎても、強烈に、酸っぱくなります。
乳酸菌と他の微生物のバランスを うまく調整するために、
闇雲に混ぜるのではなく、天地(上下)を ひっくり返すように、
混ぜます。
酸素の好きな微生物を、酸素の少ない、ぬか床の底部へ・・・・
酸素の嫌いな微生物を、酸素の多い、ぬか床の表面へ・・・・・
天地(上下)を ひっくり返すように、かき混ぜる事によって、
ぬか床の上下が、入れ替わり、それぞれの微生物の繁殖が、
抑えられます。
そして、乳酸菌は酸素が嫌いなので、乳酸菌のために、かき
混ぜた後は、ぬか床内の空気を しっかり抜けば、かき混ぜの
完了です。
1日1回、夏場(気温25℃以上)は、出来れば、1日(朝晩)2回
かき混ぜましょう。
それが無理だったり、1週間くらい使用しない時は、野菜を 取り
出して、密閉容器、又は、密閉できるビニール袋に、ぬか床を
移し、表面を 平らにして、空気を抜いて、冷蔵庫で保存します。
さらに、長く使用しない場合は、冷凍して、構いません。
使う時は、常温で放置して、自然解凍させます。
冬の間、または、当分、ぬか漬けは、しぃ~ない!!っていう
場合は、容器の内、外側の汚れを 丁寧に、拭き取り、ぬか床の
水分を 取り去り、固めに整え、表面を 平らにして(空気を抜いて)
表面全体が、白くなる程の厚み(5mm程度)の塩を かぶせます。
フタを して、冷暗所で寝かせておき、再開する時は、表面の
塩を 取り除き、底から、よく混ぜて、捨て漬けを 2~3回、
繰り返してから、本漬けをします。
長期、休ませたぬか床の表面に、白い膜(産膜酵母)が、はって
いたら、その部分を 取り除き、新しい米ぬか、塩、赤唐辛子、
昆布、山椒の実、柚子の皮 等を 加えて下さい。(以下を参照)
● カビのような白い膜が、はったら
もしも、ぬか床の表面に、白っぽい膜が はって、シンナーのような、
鼻をつく、強烈な臭いがしたら、それは、産膜酵母(さんまくこうぼ)
の増えすぎによるものです。(カビでは、ありません)
臭いは、この産膜酵母が生み出す、酢酸エチルです。
産膜酵母(好気性細菌)は、ぬか床の表面上にいて
空気に触れると、活動が活発化して、ぬか床の表面で繁殖し、
(増えすぎて)不快な臭いを 放ちます。
そこで、白い膜の部分と、その周囲を 取り除き、天地(上下)を
ひっくり返すように、かき混ぜる事によって、ぬか床の上下が、
入れ替わり、産膜酵母を 酸素の少ない環境に追いやって
滅菌します。これで、嫌な臭いも、抑える事ができます。
仮に、混ぜ込んでしまっても害はありませんが、野菜の味が
悪くなります。
ぬか床の作り始めの頃に、この白い膜が はった場合は、
捨てずに、ぬか床に混ぜ込んで、OKです。
(乳酸菌が増えている)醗酵している目安です。
もしも、毎日、欠かさず、混ぜ続けているのに、この白い膜が
はるようなら、ぬか床の塩分が、不足している事が考えられます。
ぬか床に、塩分を 補給しましょう。
● ぬか床が、ゆるくなりすぎたら
何回か野菜を 漬け込むと、野菜から水分が出て、ぬか床は、
どうしても、ゆるくなってきます。
水気が多くなってしまったら、ぬか床の一部に、穴を掘っておき、
そこに溜まった水を 清潔な布巾、ペーパータオル 等で、吸わせて
取り去ります。
● ぬか床が、減ってきたら
ぬか床は、少しずつ、少しずつ・・・・・減ってくるので、
”ぬか”の補充は、風味を 損なわないように、1回に加える量は、
”ぬか” 1カップに、”塩” 小さじ1 (水なし)程度までにします。
ぬか床が、ゆるくなってきた時も、足しぬかは、効果的です。
足しぬかを した時は、全体によく かき混ぜます。足しぬか後、
そのまますぐに、野菜を 漬けることができます。
● 酸味が強くなったら
夏場など、乳酸菌の活動が盛んになると、ぬか床が、強烈に
酸っぱくなってしまう事があります。
そんな時は?! まずは、漬けている野菜を 取り除きます。
ぬか床に、”粉からし”(小さじ1~大さじ1)を 加えて、とりあえず、
乳酸菌の活動にブレーキを かけます。
粉からしを 加える事で、乳酸菌の活動は、治まりますが、一度、
酸っぱくなってしまった”ぬか床”は、酸っぱいままです。
卵の殻(2、3個分)を 加えて、多くなった乳酸菌を 中和しましょう。
卵の殻(薄皮を 剥ぎ、キレイに洗い、乾燥させた物)を ガーゼ等
の布に包んで、ぬか床に入れます。
卵の殻は、炭酸カルシウムが主成分となっており、カルシウムと
乳酸菌が反応して、酸味が和らぎます。
2~3日くらい、野菜は漬けずに、その間、1日1回よく混ぜて、
ぬか床を 休ませます。
その後、また、すぐに、酸っぱくなるようなら、塩分不足が考えら
れるので、少し、塩を 補給しましょう。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
ぬか漬けは、我が福岡県の特産品です。
ぬか味噌で、魚を煮る「ぬか味噌炊き」は、郷土料理の
ひとつです。
ちなみに、イワシのぬか味噌炊きは、→ こちら
米ぬかには、ビタミンA、B1、B2、E、繊維質、タンパク質
脂質、カルシウム、リン、鉄、ナイアシン、乳酸、有機酸類等が
豊富に含まれています。
含まれていないビタミンCは、漬け込んだ野菜から補う事が
出来ます。
漬け始めは、塩辛いですが、数回、野菜を漬け込んでいくと、
野菜が塩分を吸収して、ぬか床の塩分によって引き出された、
野菜の養分をエサに、野菜の表面に付着した植物性乳酸菌が
繁殖して、酸味の元となる”乳酸”を作り出します。
ぬか床(ぬか漬け)特有の香りと風味が生まれて、塩辛さも、
減少してきます。
ヨーグルトのない時代から、私達日本人は、(植物性)乳酸菌を
漬物から摂っており、”ぬか漬け”は、日本特有の醗酵食品
として、理にかなった食べ物という訳です。
乳酸菌は、腸内環境をよくして、体調を改善してくれます。
◆便秘、下痢、食中毒の予防
◆血中コレステロールの上昇、高血圧を抑える
◆食物アレルギーの予防 などなど
ゴミは持ち帰りましょう!
コメントのある方は、こちらから。お気軽にどうぞ→★コメント掲示板★