ひとつの喪失の記憶 メロウ・ドリーム | 藤村正宏のエクスマブログ

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真夜中の3時に目が覚め、暗いキッチンの換気扇の下で煙草を吸う。

疲れがたまっているのか、ちょっと風邪気味なのか、昨夜、早い時間にベッドに横になったまま、寝てしまったせいで、こんな時間に起きてしまった。

ここのところ、メンタルの部分で疲弊しているようだ。

それが体調にも影響しているのかもしれない。

生きていたらいろいろなことがあるのはあたりまえのことだ。


煙草を吸いながら、ぼんやりと頭に浮かぶことを、そのまま放置していた。
さまざまな記憶がよぎっていく。
午前3時という時間帯は、現実味のない別世界。

たとえばどこだろう? ボクのいるべき場所は。


福井 良の「メロウ・ドリーム」が頭の中に流れてきて、なぜか哀しくなる。
特に理由はない。

忘れ去ったと思っていた記憶の断片がふいにカタチとなって現れる。
それはこの音楽が高校生の頃の記憶とストレートに結びついているからかもしれない。

濃いブラックコーヒーと、煙草のけむり。
セリーヌやデュラスの小説。

年上の女性との初めての恋、・・・そして、別れ。

JAZZ喫茶「ジスイズ」の片隅で過ごした記憶。ずいぶんと遠くに来てしまった。


◆コンサルタント藤村正宏のエクスマブログ◆-メロウ・ドリーム
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福井 良 というJAZZピアニストが、どういう評価を得ているのかはわからない。
でも、このアルバム「メロウ・ドリーム」は、ボクの中のある種の「喪失感」と結びついている。
特にタイトルの美しい曲は、感傷的な部分をやわらかく刺激する。


長く生きていると、好むと好まざるにかかわらず、さまざまなものを失う。

たくさんのものやこと、幾人かの大切に思っていた人も、すでにこの世では会えない。

その喪失感が宿命的な「哀しみ」を意識させるのかもしれない。

モノゴトには限界があり、ボクたちの人生もそういうものだ。

世の中は無常なもの。

これは間違いない認識だろう。

ボクがそれを最初に認識したのは、きっと27歳くらのときだった。

世の中は無常なもの・・・。

それからボクは、どれだけのものを得て、どれだけのものをなくしてきたのだろう。


喪失感・・・。

だから人は時々、わけもなく哀しみにとらわれる。

そしてその哀しみからは、決して逃れることはできない。
それが、生きるということだから。

午前3時のキッチンで考えていたことは、概ねそんなことだった。