裏MOD名盤61 ロックオペラ裏名盤 | 深夜超特急

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本日はご乗車ありがとうございます。

読者の皆様こんにちは。

 

JR中央線の「通勤快速」と、

 

「快速」の違いがよく分からない、

 

ねずっちです。

 

さて今回は予告通り、

 

プログレ生誕45周年を記念して、

 

カート・コバーンにより、

 

良くも悪くも有名になった、

 

英国のニルヴァーナのデビュー盤、

 

「The Story Of Simon Simopath」(1967年)をご紹介します。

 

ザ・ストーリー・オブ・サイモン・シモパス/ユニバーサル ミュージック

 

¥1,080
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本作は、

 

サマー・オブ・ラヴ真っ盛りの1960年代中期、

 

これまでMOD御用達の、

 

ブルービート(スカ/レゲエ)専門だった、

 

アイランド・レコードから、

 

トラフィック、

 

VIPS(後のアート~スプーキー・トゥース)と共に、

 

アートロック/ニューロックの新旗手として、

 

次期プロコル・ハルムの座を担うべく、

 

(スティーヴ・ウィンウッドの兄で、

 

アイランドのA&Rを務めた、

 

マフ・ウィンウッドの証言によれば、

 

頭首のクリス・ブラックウェルは、

 

プロコル・ハルムから契約を断られたとの事)

 

ロックとクラシックの融合を図り、

 

ザ・フーやキンクス、

 

プリティ・シングス等に先駆け、

 

アルバム丸ごとロックオペラ化を試みた、

 

意欲的な実験作となっております。

 

尚バンドメンバーは、

 

アイルランド人のパトリック・キャンベル=リオンズと、

 

ギリシャ人のアレックス・スパイロポロウスによる、

 

2人組のユニットと思われがちですが、

 

初期のオリジナルメンバーは、

 

彼等の他に以下の4人。

 

レイ・シンガー(ギター)

 

ブライアン・ヘンダーソン(ベース)

 

シルヴィア・A・シュスター(チェロ)

 

マイケル・コー(ヴィオラ、フレンチホルン等)

 

クリス・ノヴォセリック(ベース)

 

デイヴ・グロール(ドラム)

 

それでは収録曲を交えて、

 

サイモン・シモパスの物語を簡単にご紹介します。

 

「Wings Of Love」

 

幼少時から、

 

空を飛ぶ事ばかり夢見ていたサイモン。

 

彼の両親は、

 

息子の欲しがる物は、

 

何不自由なく買い与えましたが、

 

彼が本当に欲しい物は、

 

大空を自由自在に飛べる「翼」でした。

 

見かねた彼の姉は、

 

彼にこう言いました。

 

愛を知った時、

 

愛の翼が生え、

 

どんな願いも叶えられると。

 

(余談ながらこの曲は2年後、

 

何故かステレオリミックスされ、

 

シングルカットされています)

 

 

「Lonely Boy」

 

しかし彼の空想癖は治らず、

 

学校生活も、

 

本と地図だけが友達でした。

 

 

「We Can't Help You」

 

学校を卒業した後、

 

職を転々するも、

 

どれも長続きはせず、

 

挙句の果ては、

 

過度の妄想により精神を病み、

 

ベンダーズ・ビュー精神病院へ入院。

 

首から、

 

「手を貸してあげるよ(We Can't Help You)」と、

 

書かれたカードをぶら下げた、

 

医者たちから治療を受けるも、

 

為す術は無く、

 

6日後に退院させられてしまいます。

 

 

「Satellite Jocky」

 

八方塞のサイモンは起死回生を図るべく、

 

「想夢省」の超音速テストを受け、

 

それに見事合格し、

 

人類初の「サテライト・ジョッキー」となり、

 

宇宙へ旅立ちました。

 

(因みにこの曲は、

 

ピチカート・ファイヴの、

 

「不思議なふたつのキャンドル」の元ネタとして、

 

渋谷界隈ではつとに有名です)

 

 

「In The Courtyard Of The Star (星の宮殿)」

 

漸く翼を得た彼は、

 

念願の「星の宮殿」である宇宙を、

 

思う存分満喫できました。

 

 

「You're Just The One」

 

サテライト・ジョッキーの任務は、

 

通信衛星から定期的に、

 

地球へ情報を送る事でした。

 

ある日孤独な彼の元に、

 

偶然旅の途中で立ち寄った、

 

アルバムジャケットに描かれている、

 

(ジャケットデザインはデヴィッド・ブローニング)

 

「セドリック」と名乗るケンタウロスが現れました。

 

 

「Pentecost Hotel」

 

彼等は夜通し沢山の話しをし、

 

セドリックはサイモンを、

 

愛と平和に満ちた新しい世界へと誘うのでした。

 

長い旅路を経て辿り着いた世界は素晴らしく、

 

セドリックと別れたサイモンは、

 

ジャケット中央に描かれている、

 

「ペンテコスト・ホテル」へ泊まる事にしました。

 

(ホテルのモデルとなったのは、

 

パトリック曰く、

 

最上階にミッキー・モストが住んでいた、

 

60年代中期のアイランドのオフィスとの事。

 

またこの曲は1972年に再録され、

 

5枚目のアルバム、

 

「Song Of Love And Praise (愛の賛歌)」に、

 

収録されています)

 

 

「I Never Found A Love Like This (至上の愛)」

 

そのホテルのロビーで、

 

後のサイモンの妻となる、

 

マクデレーナと運命の出会いを果たします。

 

 

「Take This Hand」

 

彼女は天国の小さな女神で、

 

サイモンと様々の世界を旅をした後、

 

「夢の大臣」主催の結婚式に於いて、

 

晴れて2人は正式に結ばれ、

 

「永久の楽園」の、

 

王と王女に選ばれました。

 

 

「1999」

 

そして果てしなく饗宴は続くのでした。

 

時は1999年。

 

(偶然にも曲と詞が、

 

フォーク・クルセダーズの「紀元弐阡年」とリンク!)

 

 

―――以上10曲、

 

プログレというより、

 

サイケ/ソフトロック寄りなので、

 

中期ビートルズ、

 

パイ中期~RCA期のキンクス、

 

初期ビージーズ、

 

初期ニルソン、

 

レフト・バンク

 

ハーパース・ビザール等の、

 

ファンにもオススメです。

 

→TO BE CONTINUED

 

■次回予告

 

プログレ特集米国編。

 

お楽しみに。