2008-07-02 15:23:55

【ゲーム制作の現場】企画を簡単に生み出す方法

テーマ:ゲーム学術

 ゲームに限らず、企画というのは「テーマ」と「システム」が根幹となる。これは「主語」と「述語」に置き換えても構わないし、他の言葉に換えても問題ない。要するに「○○を××する」というのが骨子ということ。
 さて、いい企画者と言うのは、いかなる資質を持った人なのか? 打てば響くようにアイディアが出てくる人でも、細分化していくとやってることは実は凡人と変わらない。


「テーマを考える」
「システムを考える」
「テーマを吟味する」
「システムを吟味する」
「テーマとシステムの馴染み具合を考察する」
「全体として成立しているかどうか検証する」


 順番は人と場合によって様々だが、この6つを組み合わせて考えるのが基本になる。
 例えば、面白いシステムを思いついたので、売れるテーマと組み合わせてみた場合だと、「システム考案・吟味」を繰り返した結果が「面白いシステムを思いついた」になり、「テーマとシステムの馴染み」を考慮して「テーマ考案・吟味」の繰り返しを行い、良い物が出たら「成立を検証」して是非を決めるわけだ。

 いい企画者が凡人と異なるのは、考える時に引用するための知識・知恵の引き出しが多いこと。吟味するスピードが速いこと。そして没にする思い切りがいいことである。要するに経験豊富で、頭の回転が速く、臨機応変なのだが、誰にでも真似できるわけではない。
 では、いかにすればこれに匹敵する作業が簡単に行えるのか? 1つは「頭数でカバーする」もう1つは「量で補う」ことだ。


 ブレインストーミングという手法がある。詳しくは調べて貰うとして、まずは数人で集まって、最近イケてるテーマを無理にでもたくさん挙げて行く。何でも構わない。

「篤姫」
「ミニロト」
「ANA」
「タスポ」

とかいった具合。苦し紛れに変なのが出れば出るほど笑いも生まれ、発想の幅も広がる。

 次に上がったテーマとは関係なく、今度はイケてるシステムを挙げていく。

「動画配信」
「コーヒーアート」
「フリーハグ」
「給油」

とか、テーマと被ろうが何だろうが、とにかく挙げる。各々30分とか時間を決めて、フリーに思いついた人からか、順番で強制的にやるのが普通だ。お勧めは順番で強制的。

 色んなワードが出揃ったところで、テーマとシステムをランダムに組み合わせて、そこから何か喚起できないかをディスカッションする。

「篤姫がフリーハグ」

「ミニロトで給油」

「ANAで動画配信」

「タスポでコーヒーアート」


という感じ。何となくグッと来るものがあったら、それをキープしておいて、他の組み合わせもどんどん試してみる。キープが10個くらいたまったところで、そこから現実案としてイケそうなものを2~3個選び出す。大抵の場合は、満場一致で決まるが、企画としては賛否両論の方が「トンガった」ものになるので、単純な多数決で決めないこと。

 企画の面白さは、挙げられたテーマやシステムの量と、没にしたキープ企画の率で決まる。とにかく1つ思いついたところで、それ以外の可能性を考えるのをやめてしまうのが、ダメな企画者に共通のパターン。逆に、こうして出来たネタにビジュアルを付けて、人に伝わり安い文章を添えれば、結構まともは企画提案書に仕上がるものだ。


 この手法を普段から一人でコツコツと進めていき、企画を書き溜めることは良いトレーニングになる。慣れればジャッジも早くなるし、没をたくさん出すことも苦ではなくなるだろう。ついでに勉強もして知識を増やし、色んなことにトライして経験を積めば、いずれは良い企画者の仲間入りでできる…かも知れないね。

AD
いいね!した人  |  コメント(14)  |  リブログ(0)

遠藤雅伸さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

14 ■今のハード

 これと思うソフトがないのであれば、ハードはできるだけ待った方が良さそうな今日この頃です。

13 ■チャリ走

初挑戦117Mでしたw
何かと思いきやワンキーゲームですね!
2段ジャンプもあるのがミソですかね。

高校の放送部では沢山ブレインストーミングしましたね。NHKコンテストで頑張ってました。部内では1カメと編集と部長までなったんですけどね。

お国柄とゲームということでは文化背景って大きいですね。

XBOX持ってないんだよなぁ、でもウィキで読んだだけでもGEOMETRY WARSは興味湧きました。

12 ■無題

確かにこーいったチャリ走というゲームから色々な難しいゲームまでやっていくような感覚。
子供の頃遊んでいたから学生という状態で今難解な作品を遊べている。とすれば学生からゲームを始めた方がいきなりFPS・TPSなんていうものはすべきではないかもしれない。
確かに奥の深い作品と今の日本の市場の状態は考えて居なかったと思えます。

最近では、ライトユーザー・ゲームを遊び始めた人々に対して行っている事として、極端に簡単な難易度から極端に難しい難易度を作っているゲームがありますが、確かにこーいった事のみで必ずしも問題が解決されるわけではないと思います。
ですが世界的に見てみるとこの国の感覚が遠藤氏の言うメインストリームにあるとしたら、それとは明らかに逆のベクトルで動いていると思います。操作性は単純にしようとしつつ、戦略性の高い熱くなったときにはこのチャリ走とは別の何かが感じられると思いますが、そーいうゲームをしているプレイヤー達(僕を含めて)に今一度、このチャリ走というゲームはやらせてみるべきかと思いました。

また、Geometry Warsなんてわかりにくいタイトルを出しましたが、延長線上にある物を国内の作品で表すとしたら、携帯アプリにあるような作品であったり、「パックマン」もしくは「グラディウス」でしょうか?

僕の個人的な感想としては、最初の米レス通りスルーされるかと思い、真摯に受け止めてくれるとは思っていませんでした。

自分の居る国の状態をもう少し見直してみようと思います。そーであっても遊ぶ作品は海外のゲームが中心になりそうですが、日本の作品も色々触って、とにかく意見を書いていく事から始めて見ようと思います。

ありがとうございました。

11 ■敷居の高さ

 何でもそうなんだけど、誰にもでも初めてがあるわけで、「初心者」は突っ込み過ぎだよ。
 「子供の頃良くやったような簡単かつ夢中になれるゲームだと思いました」に集約されていますが、入口はそうでないと誰も入らないです。日本の市場の特殊性もあるんですがね。
 という意味では、2Dシューターって空気化してしまった最たる例になってしまいました。プレイヤーの上達に合わせて難易度が上がり、それゆえ客が減っているのにサイレントマジョリティを拾えない。

 とりあえず、ゲーム性に対する評価と時代の変化については、遠藤の最近の研究テーマでもあるので、いずれ取り上げます。

 これ以上は水かけ論なのでやりませんが、チャリ走をわざわざプレイしてくれたことで、何かがわかったのではないでしょうか。今のメインストリームがあちらだということで、ゲームデザイナーたる存在が価値を失っているのが現実です。

10 ■僕としては

外国の作品はつまらない先入観をもたれながらGTAシリーズに人気があるのも理不尽に思いますが・・・。外国の作品は興味が無いのに、たまたま人気が出た一つの作品のみで外国の作品を判断するなんて不可能かと。

また、僕はこの「チャリ走」を遊んだことが無かったのでやってみました。感想としては、子供の頃良くやったような簡単かつ夢中になれるゲームだと思いました。つまらないというよりは懐かしいという感覚がしました。

僕としては、この延長線上にあるものだと思う物にGeometry warsを上げてみたいと思います。
この作品は「改良版」として色々なハードで出ています。この作品のおもしろさはどこか「チャリ走」に共通点があるようにも思います。
過去の作品のおもしろさは、今の作品に無い物が詰まっているとして、果たして今の作品を見ている未来の消費者達が今我々の市場に出回っている国内の作品を見て似通っている等々思われないでしょうか?

また、2Dシューターのアーケードゲーム斑鳩とWiiの新・中華大仙を見てどちらが名作と思われるでしょうか?こればっかりは多数決という結果で決まってしまいそうですが、私的判断として短い区切りの中でゲームの質が変わりつつあると思います。
日本の過去の名作を見て今の作品に付け足してやりたい事が、なんらかの規制等々によって阻まれているとしたら、作る側としては納得が行かないのではないか。と僕は思いますが。

9 ■全てはユーザーが決めること

 学術のテーマでなければ、「1行目だけ読みマスタ」で絶対にスルーする内容だなww。

 書いていることは一面の真理なのだが、こちら側は日本のマーケットの中では「どマイナー」になる。今、ゲームをプレイする人口は日本でも増えている。ただしそれは、Xbox360やPS3なんか眼中にない人たち。「初心者」は「チャリ走」とかって遊んだことある?どう思うかな、大ヒットゲームなんだけど。
 もし「チャリ走?ハァ?」だとしたら、あるいは「チャリ走なんてゲームじゃねぇよ!」だとしたら、この長文は杞憂に過ぎないと言ってあげられるんだけど・・・。

8 ■3回目

最後の纏めだけの反応でも構いません。私怨
しか入っていないような文体ですので・・・。

日本はゲーム等々に対して適当に敷衍した非難をぶつける一方、外国は上記のような日本人が思いつきもしない考え等々をつけ、世界に名を轟かせています。

が、ここでまず言える事がメタルギアが仮に外国の会社からでているとしたらまた違った歴史になっていたと思いますが我々の文化の行く末、私的には上記の所からあまり宜しくない、また外国の作品を選り好みして排除するのは理不尽かつ外罰的なのではないかとも思います。

纏めますと名作や新境地を作りにくくしていくこの国のやり方(私的にそう思っているだけですが)、どう思いますか?
私も十分痛いですが、この国も十分痛いと思います。

7 ■2回目

立て続けに失礼します。
周りにあまり驚異が無いナムコさんの作品と言えば、アイドルマスターだと思いました。そして、仮にも私はXbox360ユーザーです。

かの作品は周りにおいて、似た驚異の無い安全かつ斬新な作品の一つだったと思えます。ただ、かなりピンポイントな領域とは思えますが。とはいえ女性プレイヤーまで居たという話を聞いた時は驚きました。実際見てみると僕のフレンドリストで一人プレイしている人も居ました~。
音ゲーやシュミゲーを混ぜ、かつオンラインで他のプレイヤーとプレイヤーマッチができる(アイドルとは全く関係ない言葉のように思えますが)というなかなかジャンルを定めにくいとはいえ名作と感じざるを得ませんでした。

では、どーいった物が驚異を多く持ってしまうか。
私としてはコナミさんのとこでメタルギアソリッド4が例えやすいと思いました。

あのゲーム、プラットフォームを越えて敵が居すぎたと思います(swot分析の驚異的な意味合いで)。昨今、日本が「痛い日本」と呼ばれる事がありましたが、この国の外でどのような名作が出ていたでしょうか。

2007年はPortal、2006年にはGears of Warが代表的に出ていました。これらについての解説は割愛致します。
私はここ数年、海外の作品の素晴らしさを感じ、最近の家庭用ゲームで絶句・・・と思える作品はたった一人の忍者がゴッツイ敵と戦っていく某外伝くらいだと思います。少々シュールすぎますがね。
とはいえ、アーケードゲームやオンラインに目を向けると名作は点在しているようですが・・
しかし、以前でさえ世界的に名作と言われているCall of Dutyも、物語を見ずしてこの国は少々国外に対する偏見が酷すぎるかのようにも思えます。

キリが悪そうに思えますがここで3回目に。

6 ■初めまして!

初めまして。ブレインストーミングと聞いてやってきました。
ゲーム企業でもやはりこの手法は行われていると思うと幅広く使えそうな事柄ですね。
大学のマーケティング系の授業を受けると出てくる単語で周りの驚異を知ったり強弱を図るswot分析、自社の商品の立場を図るPPM等々もでてきますね。
私的には当ブログの書き手、遠藤氏の取り上げたブレストや上記のswot分析は重要だと思えますね。ブレインストーミングで策を作ってswot分析で自分を含める周りを知る良い手段だと思います。

話は変わって粗悪な学生の表現と素朴な質問。お手の空いてる事がございましたら返信くださいませ。

一つ目は聞きたい事ですね。システムの構成について。
一つのゲームを作る際に企画発案者がそのシステムを作り上げていくのでしょうか?
それとも発案チームと開発チームのような物が存在しているのでしょうか?携帯の会社はチームで分かれている所を見たことがありますが範疇が違えば如何とも考えがたいです。
此は企業によって変わっているものやもしれませんが。とてつもない量の案があってもアンリアルエンジンのような物でゲームなんて作る知識がありません。という人間はどーなるのでしょうか?
一般的な作業工程を聞いてそうで感じが悪そうですがそんな話題だったので疑問に思いました。

1000文字しか投稿できないと言うことで何回かにに分けて投稿させていただこうと思います。

5 ■しんどいけど

 それこそドキュメントに残しておかないと後進のためにならないので、こんな当たり前のことだけでなく題材を見つけてまた書きます。

4 ■ためになる内容!

自分は何か新しい物を作り出す側の立場になったことがないのですがこういった話は大変面白いし興味があります。
一つ物事を思い付いたらそれ以外の可能性を否定してしまうのが駄目…固定観念というやつでしょうか、これはゲーム作成だけでなく全ての仕事、それだけでなく人生単位でも大切なのかも知れませんね(・∀-)b
勉強もそうですし遊び心やいろんな物に興味を持って沢山の引き出しをもった人間になってみたいものです。

またこういった内容の日記を読んでみたいです(・∀-)b

3 ■コメントありがとう

>>カルパパ

 遠藤が教えているのは「大学院」の分野なので、専門分野に特化した領域ですね。コンテンツ創造科学という名目で、ゲーム作りのスピリットを伝えているわけです。
 ゲーム学術のテーマは、今後もこのような内容でやります。書くのに下調べも覚悟も必要なので、頻繁とはいかないでしょうが、お楽しみに!
--------------------------------------------------
>>アムドラあかり

 企画はまるで夢のようにフッと湧いては思い出せなくなるものです。もし形にしたいのなら、枕元にメモを置いて夢を記録するように、普段から朧げ浮かんだアイディアを書きとめておくのがいいですね。とにかく、
「企画はドキュメントにしないとないのと同じ」です。

2 ■初めまして

アムドラあかりと言う者です。一昔はゲーム業界に入ろうかなぁ…とか思いつつ、結局は入らなかった経緯があったりします。

ここのブログを知ったのがドルアーガ(アニメ版)の話からですが、記事にコメントをしてみようと思ったのは、今回が初めてかもしれません。

今回のお話は、「なるほど」と思わせるような内容だったと思います。頭の中で色々と企画っぽいものが思い浮かんでは消えている…と言うのが自分の現状だったりするので、こういう企画の考え方も一つの手段なのか、と。

また機会があれば、ブログの方もチェックしようと思いますので、ひとつよろしくお願いします。

1 ■今までで

一番興味があった内容かもしれないです。
様々な障害によりアニメもゲームも出来ない今、真面目な話が、職種は違う(大工)とは言え面白かったです。
大学での講義も聞いてみたくなりました。高卒ですが。

コメント投稿

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。