WORSHIP@Blog

 金沢21世紀美術館。ごく最近建設された現代美術を取り扱う館で、金沢市役所と兼六園の間の非常に立地の良い場所にあります。かつてここには金沢の師範学校、そして金沢大学付属小中学校がありました。

 聖書の中にはアートについての記述も出てきますから、美術の見識を深めるために・・・やって来たわけではありません。


WORSHIP@Blog

 現在の美術館の敷地の北東部分付近にはキリシタン大名で名高い高山右近の屋敷跡があったのです。先に金沢のキリシタン遺跡を行く ~ 甚右衛門坂で紹介したように、高山右近が加賀藩に身を寄せてから金沢城甚右衛門坂付近に転居するまでに居を構えた第一の屋敷がこの場所にありました。

 金沢古蹟志には『高山南坊の第跡は石浦神社の向かい、旧藩中は岡田氏等の邸地となり、今師範学校の囲い内となりたり』と記されているとか(未確認)。南坊(みなみのぼう)とは右近の茶道の号で、もともと千利休門下で加賀藩主前田利家とも親交があったようです。茶が縁で秀吉による追放の後にこの地に住むことになった右近。利家の理解のもと、熱心に宣教に励んだようです。


WORSHIP@Blog

 右近の屋敷跡付近とおぼしき場所にはベンチ、しかも現代美術のユニークなデザイン。右近も訪ねてくる人たちと円座にでもなりながら語りあったのでしょうか。牧師5名、往時を偲びます。


WORSHIP@Blog

 南坊にちなんで兼六園へ(?)。付近の写真を撮っていたら取り残されました。道路の対岸には見慣れた皆様。こちら側には僕一人。

 この写真の右手の木で覆われている場所が先に登場した石浦神社。右近の屋敷跡を特定するランドマークです。そして左手が兼六園。


WORSHIP@Blog

 取り残されついでに兼六園の向い側にある金沢城辰巳櫓跡付近からの風景。

 建物はなくとも威風堂々たる石垣。


 さて、特別名勝の兼六園は目の前です。