真の小説家とは… | 江藤天音のエン女医サウンド

江藤天音のエン女医サウンド

シンガーソングドクター、江藤天音(えとうあまね)の気ままな日記。

谷崎潤一郎の、「鍵」という小説を読んでおりました本



う~~む、なんという陰険な夫婦のお話でしょう(-"-;A

近くにいたら、ついスリッパで後頭部をハタきたくなるかも汗



「小説家は悪人たれ」と言われますが。

それがよくわかる小説です。



どんなに作者の人格を疑われそうなものであれ、自分の思うままに自由闊達に創作する。

またその覚悟がなければ、真の小説家とは言えない。

それがよくわかる作品でした。



内容は、とある夫婦が互いの日記を盗み読みし、それでいてそ知らぬ風を装います。

日記の内容は、夫婦の性的関係にも及ぶのですが。

この夫婦、どちらも変態です。



妻は夫が自分の日記を盗み読むことを考慮に入れて、日記を通じて巧みに夫をまどわし。

自分の不倫相手と一緒になるために、ついには夫を死へと追いやるのです。



その手口が隠してあるはずの自分の日記だけなので、これは完璧な完全犯罪です。

しかもその娘の行動も、何を企んでいるのかわからなくて怪しい。



実に、登場人物のそれぞれが悪意に満ちた作品でした。

こんな邪悪な内容をふつふつと考えている作者って、どんな人なんだろう。

やっぱりそう思ってしまいますが。

そう思われてこそ、が小説家というものなんでしょう。

(実際、私生活はかなり波乱に満ちていたようです…)



一昔前の文豪の傑作を読むのも、なかなか刺激的でありました。