精神病院ってなんですか?「都合の悪い人たちを病人に仕立て上げて監禁する施設」です。 | 精神科医&カウンセラーの倫理違反と被害救済を考える

精神科医&カウンセラーの倫理違反と被害救済を考える

精神科医やカウンセラーによる非倫理的な行為・言動・態度によって被害を受けたという訴えは後を絶たない。以上の問題に、被害者の見地から提言をしていく。

 「ゲイ・ジャパン・ニュース」WEBサイト によれば(2009年2月16日報道)、クロアチア西部のリイェカ近郊で、「性的指向」を理由に、ある女性が5年間精神科病院に入院させられていた、とのことです。以上の事実は、去る1月20日、クロアチアのLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)団体ネットワーク「LGBTIQコーディネーション・オブ・クロアチア」が明らかにしたそうです。
  監禁状態におかれていたのはアナ・ドラギチェヴィッチさん(21)。彼女は16歳のとき、同性のパートナーがいることを両親に知られ、精神科病院に入院させられた、とのことです。 ドラギチェヴィッチさんは、クロアチアで法的に成人とされる18歳のときに病院を退院したが、間もなく両親によって病院に連れ戻されたそうです。その際、ドラギチェヴィッチさんは再入院の書類への署名を拒否したそうです。しかし、両親の強い意向と「当時の病院長が両親の意向を尊重した」ことから、ドラギチェヴィッチさんは再入院させられ、今日まで、違法な監禁状態におかれていたそうです。
  なお、クロアチアでは、精神科病院への強制入院は、「自己または他者に対して危害を及ぼす可能性のある場合」に限り認められているそうです。ドラギチェヴィッチさんの公式な入院理由は「ドラッグ中毒」だったそうです。しかし、入院後、「性的指向」の「治療」が行われた、ということです。
 また、ドラギチェヴィッチさんは16歳で入院させられて以降、教育を受けておらず、体重も激減したということです。
 LGBTI コーディネーション・オブ・クロアチアは、ドラギチェヴィッチさんが性的指向を理由に基本的人権や自由に対する権利、精神的健康に対する権利を侵害されたとして、関係機関に対し、事件の調査、入院を認めた当時の病院長・病院スタッフとドラギチェヴィッチさんの両親ら関係者の起訴を求めているそうです。

  このように精神病院という施設は、日本だけでなく、世界中で、「誰かにとって都合の悪い人間」を「病気」に仕立てて入院させるところとして使われていますが、それは今に始まったことではなく、長い歴史を持っています。そして、ナチス時代のドイツやスターリン時代のソ連といった非民主主義国家だけではなく、民主主義国家でも、良くあることです。

  今週封切りの映画「チェンジリング」(2009年2月20日公開) では、主人公の女性が、警察によって無理矢理精神病院に入れられ、そこで彼女は、警察によって「都合の悪い人間」が、自分以外にもたくさん入院させられている、という事実に気がつく、という話が出てきます。
 これは、1920年代のアメリカで起きた事件を映画化したもので、アメリカでも、精神病院がそのようにして使われていた、ということがわかります。

 先に見たドラギチェヴィッチさんの例を見ればわかるとおり、このような、警察や、その人を「都合の悪い人間」と見なす人々によって行われる違法行為は、実際には、精神病院に勤務する精神科医たちの「診断」抜きには成立しません。彼らが、「患者」にされてしまった人たちの側に立つことなく、「自分にとって都合の悪い人たちを病人に仕立てて監禁したがる人たち」の側に立つのは、どうしてでしょうか?

  答えは簡単です。それが彼らの仕事だからです。

  まず、精神病院は、患者を治療する場所ではなく、患者を病気に仕立てて、通常の社会生活から切り離し、人間扱いしない場所です。
  次に、精神科医の仕事とは、収用された人たちを、収用し続けるために、彼らを病気にし続けることです。
 1920年代のアメリカ、そして今のクロアチアも、状況は同じ、ということでしょう。昔も今も、仕事の内容と質は変わりません。

 「そうではない病院と医師がいる」というご意見の方がいらっしゃれば、情報をお待ちしています。残念ながら、その手の情報は持ち合わせていません。

 なお、「大阪精神医療人権センター」 は、日本でも珍しいオンブズマン制度によって、精神病院の監視を続けているNPO団体です。こういう活動が、多くの団体や個人によって行われることによって、おかしな精神医療の問題をチェックすることができるでしょう。

by 「精神科医を訴えるHP」管理人