Xscape『Hot Fun In The Summertime』① | ☆Dancing the Dream ☆

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bmr News /2014年04月03日より抜粋――

マイケル・ジャクソン「新作」にディアンジェロ、メアリー・J、クエストラブらが参加か

ザ・タイム(The Time)のギタリスト、ジェシー・ジョンソン(Jesse Johnson)がこのアルバムに参加したと明かしている。ジェシーがFacebook上で明かしたところによると、曲名こそ“H** ** *** *********e”と伏せられているものの、彼が参加したこの曲には、ディアンジェロとメアリー・J.ブライジがボーカルで参加しているほか、ザ・ルーツ(The Roots)のクエストラブがドラムを、ピノ・パラディーノ(Pino Palladino)がベースを、エリック・リーズ(Eric Leeds)がホーンを担当しているとか。プロデュースはディアンジェロが手がけるとのことで、メアリーを除けば、ジェシー・ジョンソン含めてディアンジェロのツアーなどで演奏を務める面々であり、待たれるディアンジェロ新作にも関わっている顔ぶれとなっている。該当記事はすでに削除されているが、事実であれば目玉となる豪華共演曲となりそうだ。――




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・・・ということで~
元プリンス・ファミリー、抜群の演奏力とパフォーマンスでプリンスをも圧倒したThe timeの
ギタリストJesse Johnson。
「プリンスは僕たちに対して沢山の心理ゲームを仕掛けてくる。
それに乗るか、あるいはクビになるかの選択しか僕たちにはない。
彼は二つのバンドを巧みに操って、そのすべての金をキープしていた。
タイム関係のマーチャンダイズだけでも相当な額があったが、
僕たちはその分け前はもらえなかった。それで、独立することにしたんだ。」
プリンスがバンドの金まで独り占めしていたことに抗議してバンドを辞め、
プリンスに「止めていく理由をはっきりと告げていった唯一のアーティスト」と言わせ、
その後、和解したという逸話の持ち主。
また、マイケルやマーロン、ティトも協力したジャネットの初期アルバム「Dream Street」の中の
"Pretty Boy" をプロデュース。
自身のアルバム「Shockadelica」の中の "Crazay"で、スライをフューチャーしてヒットさせた。


そして、この曲をプロデュースするディアンジェロ。
プリンスとマーヴィン・ゲイをこよなく敬愛するマルチアーティスト。
10歳の時、マーヴィン・ゲイが死去して以来、19歳でEMIと契約する頃まで、
毎夜マーヴィンの夢を見続けたという。
Dから、ミケランジェロにちなんでディアンジェロに変名。
セクシーマッチョの彼に言い寄るマドンナを袖にし、
13歳年上の妻となるアンジー・ストーンと意気投合。
彼女とソングライトした『Brown Sugar』でデビュー。
以来ネオソウルを代表するアーティストとなった。


ジェシー・ジョンソンのフェイスブックで伏せられていた曲名、
“H** ** *** *********e”とは、
Hot Fun In The Summertime』(featuring Mary J. Blige and D’Angelo)のことですね。

この曲は、マイケル死後、1枚目のアルバムが出されるというときに、
匿名の音楽プロデューサーが、CNNに語った話――
マイケルが亡くなって数ヵ月後、マイケルが生前借りていた邸宅内の
コンピューターのハードディスクに、また、ハリウッドのレコーディングスタジオ内にある
パソコンのハードディスクに未発表曲が大量に保存されていたのが発見され、
邸宅内のコンピューターにはスライ&ザファミリーストンの「Hot Fun in the Summertime (1969)」のカバーが含まれていた。――
との情報で、そのリストに登るのではと注目されました。

2010年3月16日付けで、エステーとソニーと2億ドル(200億円)の契約を結び、
エステート側は7年で10枚のアルバム分の作品をソニーに渡すと発表されました。
この契約は未発表曲のリミックス、また、既存音源のコンピレーションの編纂なども含むということで、いろいろの材料を集め、整理・加えるなどして、これまで出された作品を新しいパッケージにしてリリースされることも可能ということになります。

つまり、マイケル死後、ソニーが発売するアルバムは、
生前のマイケル作品とは別物。
上手くいけば、マイケルという不滅のクラッシックを現代のアーティストが新しい命を吹き込むかもしれないし、悪くすれば、マイケルのフランケンシュタインを生み出すことになるかもしれない。。


今回の『Xscape』では、死後一作目『MICHAEL』の不評を受けてか、
未解体のマイケル、demo版が付け加えられたデラックスエディションもリリースすると
いう運びとなりました。
つまり、このデラックス版にのみ『Hot Fun In The Summertime』(featuring Mary J. Blige and D’Angelo)は収録される模様です。


さて、スライとマイケルの関わり、
いかに、マイケルがスライを敬愛していたかについては、
「Blood On The Dance Floor: HIStory In The Mix」の
「Scream Louder」が、Sly & The Family Stoneの
「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」のリズム体を
引用していることから紐解き、長い連載記事↓を書きました。

スライとマイケルに関わる連載記事
*2012年01月25日(水)Bad nigger 魅惑の匂い☆~スライ&MJ
http://ameblo.jp/et-eo/archive10-201201.html

*2012年01月25日(水)♥ Thank You ♥ ~マイケルの信念
http://ameblo.jp/et-eo/archive9-201201.html

*2012年01月27日(金)続・Thank You / For Talkin' To Me Africa ~「暴動」①
http://ameblo.jp/et-eo/day-20120127.html

*2012年01月28日(土)続・Thank You / For Talkin' To Me Africa ~「暴動」②
http://ameblo.jp/et-eo/archive6-201201.html

*2012年01月29日(日) 続・Thank You ③アフリカの声を聞く男たち
http://ameblo.jp/et-eo/archive4-201201.html


けれども、スライの『Thank You』との関わりは、
「Blood ~」の「Scream Louder」サンプリングが初めてというわけではなく、
すでに、J5の『Live At The Forum(Recorded:1970&1972/Released:2010)』で
カバーされ、マイケルの音楽人生の初期からすでに始まっていました。

マイケルの自伝『MOONWALK』に記された言葉をみると、
スライ&ファミリーストンは、10歳のマイケルにとっても衝撃的な存在だったのですね。
愛と平和と平等の理想の象徴、黒人音楽が黒人の枠を超えて行く革新的な姿にワクワクと胸躍らせ、希望を感じたことでしょう。

そして、正にスライ&ファミリーストンと出会った1968年の夏は、
マイケルにとってHot Fun In The Summertimeであったに違いありません。
ちょうどその年の7月に、マイケルたちはモータウンと正式に契約したのですから。



Jackson 5 - Thank you for letting us be ourself (live)

1968年の夏僕らのサウンドや生き方を変えてしまうことになる
ファミリー・グループの音楽に出逢いました。
彼らはみんなが同じ名字だったわけではないし
黒人も白人も男の人も女の人も混じっていたのですが
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
という名で呼ばれていたのです。
彼らは何年かの間に
"Dance To The Music"
"Stand!"
"Hot Fun In The Summer Time"といった驚くべきヒット曲を放っていました。
兄さんたちは"偉そうに立っている小人"という歌詞が出てくる
と僕のことを指さしましたが僕はもうそんなことは
自分も一緒に笑ってやり過ごせるようになっていました。
彼らの曲はどんなジャンルのラジオ局でもかかっていました。
ロック局でもオン・エアされました。
彼らはジャクソンズにもすごく影響を与えましたから
僕らは彼らにずいぶん借りがあります。   【by Michael Jackson /MOONWALK 1988より】


"偉そうに立っている小人"という歌詞とは、
『Stand!』のこの部分の歌詞ですね!

Stand!
You've been sitting much too long
There's a permanent crease in your right and wrong
Stand!
There's a midget standing tall
And the giant beside him about to fall

立ち上がれ!
君は長い間 へたり込みすぎている
君の是非の判断は、擦り込まれている
立ち上がれ!
小人が偉そうに立っているぜ
そして巨人が奴のそばで倒れかかっているんだ

Stand. stand, stand!
Stand. stand, stand!

立て 立て 立ち上がれ!
立て 立て 立ち上がれ!



スライの「Hot Fun In The Summertime」は、
「Thank You Falettinme Be Mice Elf Agin」と、
もう一曲、「Everybody Is a Star」、
この3曲は、LPアルバムとして完成せず、
「Stand!(1969)」から劇的な変化を見せる「There's A Riot Goin' On/暴動(1971)」の間に発表されたベスト盤「Greatest Hits(1970)」に収録されました。
そして、「Hot Fun In The Summertime」は、
スライ&ファミリーストンの3番目のアルバム『Life/ライフ(1968)』の「Fun,」から取られたものです。

この時期、ブラックパンサー党が台頭し、
その思想をスライ、ジミーヘンドリックスを初めとする黒人スターに強要していたとされ、
ブラックパワー運動の圧力、売上アップを求めるレコード会社からの圧力など、
スライは、複数のストレスを抱えていました。
やがて、人種・性別混合の稀有なファンクバンド、スライ&ファミリーストンは、
実質的な崩壊へ向かい、「暴動」は、スライが一人でスタジオでオーヴァーダブを重ねて録ったもの。「暴動」からの第一弾シングル「Family Affair(1971)」が、最後のNo.1ヒットとなりました。

You can't leave, 'cause your heart is there
But you can't stay, 'cause you been somewhere else!
You can't cry, 'cause you'll look broke down
But you're cryin' anyway 'cause you're all broke down!
It's a family affair
It's a family affair

別れられない だって心はそこにあるから
でもとどまることもできない なぜって君はずっと別の場所にいるじゃないか!
君は家族がだめになっていくのを見るだろうが 泣くことはできない
でも君らはみんなだめになってしまうのだから 結局泣くよりほかに仕方がなくなるのさ!
それが家族の問題
それが家族の問題    ―― From Family Affair


スライの当時の心境、そのものですね。
けれども、やがて、マイケルも、ジャクソンズの生き残りを賭けて、
モータウンを離脱しエピックへ移籍(1975)。
事を難しくしたのが、すでにジャーメーンは、
モータウン社長のベリーゴーディの娘との結婚しており、
モータウンでソロへの道を約束され、彼はモータウンに残ることを選んだという事実。
マイケルが、Family Affairを身につまされる事件であり、
彼の転換点でした。

スライは、マイケルだけではなく、
スティービー・ワンダーやマイルス・ディビスにも大きく影響を与えたと言われています。
ファンクロックの王様、スライは、改めて偉大な存在です。

スライのリズムは、
どんな時も、彼らを鼓舞してくれるものだったのでしょう。
ジャネットの渾身のリズムネーションしかり、
マイケルのblood~しかり、ですね。

さて、マイケル、最晩年のスライとの関わりは?
上に揚げた【過去記事】にも書きましたが、
60年代~70年代のスライ&ザ・ファミリー・ストーン成功の後、
82年のアルバムを最後に、スライは様々な問題を抱え、
1987年、薬物問題で収監出所後、隠遁生活に入り、
約20年後、2006年度グラミー賞授賞式で、金色のムヒカン、銀色のスーツ姿で、
スライ自身のトリビュートパフォーマンスに参加し、復活しました。
2007年にはファミリーストーンと共に、LVやカリフォルニアのフェスにも参加しました。
そして、マイケルの死。
2009年8月、オランダ人ディレクター、 Willem Alkemaによって、
スライのドキュメンタリー映画「Coming Back For More」が撮られたことが発表され、
元マネージャーのJerry Goldstein によって楽曲の版権を奪われ、
生活保護の身であること、また、マイケルジャクソンから、66歳の彼スライに、
ニューアルバム制作にあたって、曲の提供を依頼していたことなどが明されました。
[ソース:http://www.theguardian.com/music/2009/aug/18/sly-stone-living-on-welfare]





スライは、1943年3月15日 生れ。スライ66歳ということは?Σ(゚д゚;)
1943+66=2009・・・
マイケルがTIIの開催を発表したのが、2009年3月5日
つまり・・マイケルがスライに新曲を依頼したのは、
マイケルがTIIに向かう、亡くなる6月までの間の数か月であったということになります
叫び


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長くなるので、
ここでいったん仕切ります。

「Hot Fun In The Summertime」の和訳は、
次の記事で~~おじぎ