リアル系野球ゲームの6作目。
前作不評を買った「スターダム」モードを全面的にリニューアルし、
新要素として「オンライン監督モード」を搭載した。

「スターダム」モードは、前作版 から仕様を一変し、実在選手の選択はできず、
プレイ可能な年数も1年となり、選択の自由度は明らかに下がった。
その代わり、ゲームそのものは大幅に進化している。
前作では、ただ試合をこなし評価を稼ぐだけに終始するという、とにかく単調なモードだったが、
本作では「一人の大型新人選手」になりきり、日々の練習、メディア露出などをこなしながら
スター選手を目指すという、よりドラマチックなモードに生まれ変わった。(公式サイト )
選手の能力以外にも人気度やチームメイトたちからの信頼度などの要素が加わり、
それが様々なゲージや数字により解りやすく表示されるので、日々の成長を実感できるようになっている。
プレイ中には様々なイベントも発生するので、最後まで熱中して遊べるつくりになっている。
前述の通り、プレイ年数が1年のみになったことと、実在選手を選択できなくなったことは
賛否両論あるだろうが、個人的には本作のほうが格段にいいと思う。
次回作では、さらなるイベントの充実を期待したい。

新要素の「オンライン監督モード 」は、その名のとおり、
各選手の操作は一切せずに、監督の立場で全国のプレイヤーと対戦するモードだが、
プレイヤーはただ試合の指示や選手交代をこなすだけでなく、チーム作りから担当する。
プレイヤーに最初に与えられるのは、現実の一軍戦ではあまりお目にかかれない
若手選手を中心に構成されるチームだが、そこから、若手を試合に出すことで
経験を積ませて育成したり、試合によって稼いだポイントによって
スター選手を補強したりすることもできる。つまり、ちょっとした「野球チーム育成ゲーム」になっている。
もちろん、疲労や調子の概念もあるので、そのあたりをうまく管理して戦っていく必要がある。
「プロ野球チームをつくろう!」などにハマった人は絶対このモードにもハマるはず。
選手は「カードショップ」で買う(どの選手が得られるかは基本的にランダム)以外にも、
「バザー」によって全国のプレイヤー同士で売買することも可能。
より白熱した試合にするためか、特に9回の攻撃に異常に点数が入りやすくなっていたり、
中継ぎ・抑え投手がありえないくらい救援失敗したりするなどいくつか不自然・不満な点はあるが、
それを差し引いても熱中できるモードなのは間違いない。

ゲームそのものとしては、前作から劇的な進化は無く、
操作には相応の慣れが必要なのも含め、長所も欠点もあまり変わらないが、
オンライン監督モードのおかげで初心者でも存分に「プロ野球スピリッツ」を楽しめるようになったのは大きい。

いよいよシリーズとして成熟してきたかなという印象を受けた。


7.5 グラフィック
初めてPS3に登場した4以来、大きな進歩がないので、もはや驚きは全く無いが、それなりのレベルには仕上がっている。
7.0 サウンド
効果音、BGMは良くも悪くも無し。今作でも稀に頓珍漢な実況をしたりするのは治っていない。演技は悪くなく、それなりに臨場感はある。
8.0 操作性・快適さ
ロード時間は全く気にならないレベル。その他、HUDやインターフェイスもだいぶ洗練されてきた。オンラインのマッチング仕様もこれといって問題なく、快適に楽しめる。
9.5 ボリューム
スターダム・モード、スピリッツモード、ペナントモード、オンラインモードにくわえ、WBCモードまで搭載し、文句無しの内容。どのモードもシリーズを重ねていよいよ熟してきた感があり、長時間やりこめるだけの深みもある。
9.0 総合
前作の失望感を払拭するだけの新作。特にオンライン監督モードは出色の出来映え。プロ野球ファンは買い。



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