※PS3版でのレビュー

『コール・オブ・ファレス 血の絆』は、家族と兄弟の絆を軸に、愛と裏切り、
インディアンなど、多彩な要素が複雑に絡み合う物語が魅力の西部劇FPS(公式サイトより)。


悪いことから先に書くと、ガイドがわかりにくかったり、操作説明も不十分だったりで、
一昔前の洋ゲーそのものな不親切さを感じた。


ゲーム進行も、「特定の位置に来たら足場が崩れる」
「この階段を下りたら向こうの崖の上に敵が出てくる」という
いわゆる"スクリプト"が、プレイしていればすぐ解るレベルで配置されている。
逆に言えば、特定のポイントに行かずにいると話が進まずに延々撃ちあいするハメになったり、
階段を下りるまでは、事前に崖の上をチェックしていても、その時点で敵は存在しないので用心する意味もない。
そのため、いつの間にか敵に後ろを取られていたり、ちゃんと全滅させたはずなのに
どこからともなく敵が沸いてきたりするので、難易度によっては
「初見でクリアは相当厳しそうだな」というステージも多々ある。
家庭用のFPSはかなりプレイしているが、ここまでスクリプトが気になるゲームは初めてだった。


"バイオハザード5"のように、ほとんどのミッションで相棒(兄弟)と共に戦うことになるが、
やはりバイオ5同様、高難易度ではあまり頼りになる存在でないのは残念だった。
バイオ5のようなオンラインcoopができないのも惜しい。


良いところを挙げると、西部劇特有の"二丁拳銃"や"決闘"がうまく表現できていること。
特に決闘(早撃ち)は、多少操作にクセがあり、慣れるまでは難しいが、
かなりの緊張感があり、打ち勝ったときの達成感は大きい。
ストーリーも、ややありがちな話ではあるが、キャラの立った登場人物や
解りやすい演出、意外な展開でグイグイ引きこまれる魅力があり、満足度の向上に繋がっている。
馬に騎乗したまま銃撃戦が出来るのも面白かった。


その他、ショートミッション要素(襲撃や護衛など)や
収集要素など、最近のシューターに求められる一定の要素は盛り込んである。
が、総合的に見ると、優良なFPSと呼ぶにはあと1歩、2歩足りないという印象。



7.0 グラフィック
全体的な絵作りは悪くなく、雰囲気もよく出ているのだが、解像度が低いのかボケて見えるし、何よりティアリングが頻発。ほぼ常時出ている。色使いや影の関係で、敵の視認が非常に難しいのは難点。前述の問題と相俟って、目が痛くなる。
8.5 サウンド
銃声、BGMなど、良い部類。吹き替えの声もキャラに合っている。
6.5 操作性・快適さ
全体的にかなり不親切。ガイドアイコンの意味が一部、一貫していなかったり、どこに行くのか解りにくいシーンも。一番戸惑ったのは1vs1の決闘シーン。説明書や画面上で一応説明は出るが、解りにくかった。もうちょっと具体的に説明があっても良かったと思う。リトライ時のロードは早いが、チェックポイントの間隔は広め。操作性自体は悪くないが、カバー・システムのお粗末さなどは気になった。
7.0 ボリューム
本キャンペーンモードのボリュームは、FPSとしては標準的。ほとんどのチャプターで二人の主人公を選択できるが、やることはそんなに変わらないので、そのために二周する意味はあまり無い。オンラインモードはデスマッチをやった限りだとやや大味で、マップやシステム的に引き篭もるのが有利になりがちな印象。通常の銃だけでなく、二丁拳銃や先住民の弓などが使えるのはユニーク。他のオンラインモードは未プレイにつき保留。
7.5 総合
非常にスクリプト色が強いキャンペーンのせいで人を選ぶゲームといえるが、難易度を下げれば誰でも気軽にプレイできるし、王道ながらも先が気になるストーリーのおかげで満足度も悪くない。万人にお勧めはできないが、気になるならor安くなれば買ってみるのもアリ。戦争モノFPSに飽きた人にもいいかも。


似非ログ

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